映画「八甲田山」ファンサイト

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パンフレット

八甲田山パンフレット今でも映画パンフレットは容易に入手できる。管理人はブックオフの100円コーナーで入手したが、販売店や状態などで価格はさまざま。ちなみに当時の定価は250円。読み応えある内容で、「プロダクションノート」では撮影の過酷さを知ることができる。



EPレコード

「八甲田山」 A面/春には花の下で、B面/大いなる旅

八甲田山EPレコード作曲/芥川也寸志、作詞/山川啓介、編曲/若草恵、歌/五堂新太郎、発売/ワーナーパイオニア、価格/600円。
AB面共に彷徨う隊員の心情を歌っているが劇中で使われなかった。五堂新太郎氏のインタビューによると、レコーディング前に八甲田に出かけ50日間かけて録音したらしい。(週刊明星1977年7月10日号)
※2009年11月20日発売「八甲田山」オリジナルサウンドトラックCDに収録。

「嗚々!八甲田」

嗚々!八甲田作曲/安部芳明、作詞/畑井又市、編曲/高田弘、歌/坂本志美子、発売/日本プリンスレコード、価格/1200円。
畑井又市氏・・・青森在住の旅行のコーディネーター?
安部芳明氏・・・北海道出身の作曲家。現在「気学」の研究家。
坂本志美子氏(さかもと・しみこ)・・・詳細不明。
進む道はない かえる道もない 吹雪の八甲田 (中略) 神よ我等の これがさだめか 惨劇の八師団(大人の事情により一部抜粋)
青森隊の彷徨の様をストレートに描いた歌詞になっている。「八甲田山」ブームに便乗した商品かと思いきや、橋本プロがジャケット写真(吹雪の中の弘前隊)を提供している「正規品(?)」なのだ。

カラオケで「嗚々!八甲田山」
カラオケ「嗚々!八甲田山」カラオケのDAMとUGAで「嗚々!八甲田山」が歌えることが判明した。情報提供のM氏は熱唱する人を青森県内で見たらしい。さすが地元だ。管理人もカラオケ大会中に「嗚々!八甲田山」の存在を確認した。右は証拠の写メ。さすがに歌わなかったが(歌えないけど)。歌えるようにするには、ひとりでカラオケしなければなるまい。

LPレコード

八甲田山LPレコードサウンドトラック「八甲田山」 第一部/白い地獄、第二部/大いなる旅
作曲・指揮/芥川也寸志、演奏/東京交響楽団、発売/ワーナーパイオニア、価格/2400円、販売日/1977年

『「逢いたい、ただひたすらに逢いたい」咆え狂う雪の八甲田山を歩いた男たちを吹き抜けた感動の交響詩!』の帯コピーが良い(入手するなら帯付!)
PRODUSER:田中島誠
DIRECTER:栗山章・・・小説家・音楽プロデューサーWikipedia「栗山章」
ENGINEER:松本茂雄、永尾茂久・・・マスタリング担当?
CAMERA:藤巻健二、青松秀幸・・・映画の写真(藤巻氏)、オーケストラ風景(青松氏)
ART DIRECTER:林柾・・・デザイン担当
RECORDING:AVACO STUDIO・・・1977年4月22日収録。アバコクリエイティブスタジオHP
※2009年11月20日発売「八甲田山」オリジナルサウンドトラックCDに収録。

カセットテープ

八甲田山カセットテープ版サウンドトラック「八甲田山」カセットテープ版
SIDE1:第一部/白い地獄、SIDE2:第二部/大いなる旅
作曲・指揮/芥川也寸志、演奏/東京交響楽団、発売/ワーナーパイオニア、販売/アポロン音楽興行、価格/2300円。販売日/1977年

販売を担当したアポロン社は、1971年に渡辺プロダクション と文化放送などが出資してできたレコード会社。渡辺プロはワーナー社に出資しており、ワーナー社の音源の「音楽テープ」を販売していた。その後経緯を経てバンダイ・ミュージックエンタテインメントになったが2000年に解散。
参考/Wikipedia「バンダイ・ミュージックエンタテインメント」

ビデオ(VHS、ベータ)

ビデオ「八甲田山・完全版」(VHS規格)

八甲田山ビデオ発売元/NECアベニュー、販売元/ポニーキャニオン、発売日/1992年10月21日、価格/4800円(税抜4660円)

徳島大尉の「八甲田で見たことは…」の3分間シーンが入っているバージョンが「完全版」。管理人はレンタル落ちを神田神保町で1万円で購入したが、入手困難な当時としては妥当な金額だった。力強いデザインですな

ビデオ「八甲田山」(ベータ規格)

八甲田山ビデオ八甲田山ビデオ出版元/シナノ企画、発売元/JR東日本、発売日/不明、価格/6980円、※完全版ではない
「八甲田山」のビデオにはJR東日本が発売元のバージョンがある。JRは「八甲田山」の移動費に多大な協力をする一方で、ロケ地訪問として東北への「観光キャンペーン」を大々的に行った。今でいう映画と企業のタイアップが、「八甲田山」で始まったらしい。

LD レーザーディスク

八甲田山LD八甲田山・完全版(LD)
発売元/NECアベニュー、販売元/ポニーキャニオン、発売日/1992年10月21日、価格8000円(税抜7767円)
VHS「八甲田山・完全版」と同時にLD版も発売された。2枚組みで3面構成。VHSに無い特典として、テレビCM(5パターン)と予告編が収録されている。テレビCMはDVDにも無いLDだけの特典なのでとても貴重である。管理人も見てみたいがLD再生機が無い。くやしいです
価格が8000円ってのが「八甲田山」らしくていいですね(販売元がフジテレビ系だからか?)

八甲田山フランス版パンフフランス公開時パンフレット
LDには寄稿文が水色の紙に印刷されて同梱されているが、そこには何気なく「八甲田山」のフランス公開時のパンフレットなるものが小さく印刷されている。フランス国民が「八甲田山」を観たのか?もしかしたら映画祭に参加したのかしら。・・・いやはや驚いた!

DVD初期バージョン

映画「八甲田山」DVD八甲田山初期DVD八甲田山・完全版
発売元/スバック、販売元/日本コロムビア、発売日/2000年2月21日、価格5040円(税抜4800円)
本編168分、付録3分(徳島大尉の「八甲田で見たことは…」のシーン)。行軍隊の部分がディスク地になっているディスクのデザインが格好いい。充実したブックレット付。
福岡のディナーショーで北大路さんのサインをいただきました

DVD特別愛蔵版

八甲田山愛蔵版DVDカバー八甲田山・特別愛蔵版
発売元/スバック、販売元/ファーストディストリビューション、発売日/2004年6月23日、価格5460円
DVD(本編)/170分(徳島大尉の「八甲田で見たことは…」のシーン入り)
DVD(特典)/47分。「劇場予告編」、「橋本忍VS学生対談」
付録(初回限定?)/名場面ポストカード(使うのがもったいない)
※今後の期待として、聴覚障害者も鑑賞できるように日本語字幕をつけて欲しいし、コメンタリーも希望!
八甲田山愛蔵版DVD本体八甲田山愛蔵版DVD帯
左)本編DVD、中)特典映像DVD、右)ジャケット帯(赤もいいですね)
八甲田山DVD付録
初回限定?のポストカード

CDディスク

サウンドトラック「八甲田山」 第一部/白い地獄、第二部/大いなる旅
作曲・指揮/芥川也寸志、演奏/東京交響楽団、発売/富士キネマ、価格/税込2940円。
映画「八甲田山」サントラCDまさに待望のCD化は、富士キネマの『スペクタクル大作復刻シリーズ』で実現された。このシリーズは『昭和の日本映画サウンドトラックの名盤をCD化するプロジェクト・レーベル』で、その中で「八甲田山」がピックアップされた要因に木村大作氏の「剣岳点の記」のヒットも関係しているらしい。本当によかった。
1977年当時のLPをかなり忠実に再現していて、違うのは帯くらいだ。背表紙まで忠実なのには恐れ入った。さて、文字が小さすぎて読めないと評判?の「解説」は、当時のものをそのまま忠実に縮小したためこうなった。LPをお持ちの方はそちらを読もう。もう1枚、復刻版発売に関する「解説」が封入されているが、これによると映画サントラ(映画音楽)を楽しむ「習慣」は「八甲田山」付近で形成されたものらしい。

映画チラシ

1)八甲田山チラシ 2)八甲田山チラシ 3)八甲田山スタジオメール

1)「八甲田山」チラシ (B5サイズ)

裏面は解説と物語(ストーリー)。表面の下部の余白に劇場名を印刷して使用する。

2)「八甲田山」チラシ (2つ折B5サイズ)

通常のチラシよりも厚い紙を使用した2つ折の豪華版チラシ。これはプレスシート(報道関係者に配布する印刷物)ではなく、「民音用」のチラシではないかと思われる。民音とは創価学会系の音楽や芸術の振興を目的とした財団法人で、「八甲田山」の動員活動に関わった。

3)「八甲田山」チラシ TOHO STUDIO MAIL

スタジオメールとは、撮影所の製作宣伝部がマスコミ向けに作成・配布する販促物。文字ばっかりのB4サイズ。友田少将に山村聰氏が配役されている。見出しコピーは、「咆え狂う雪の八甲田山中に 熱い出会いを求めた男と男」

ポスター(通常サイズ)

1)八甲田山ポスター 2)八甲田山ポスター 3)八甲田山ポスター

1)「八甲田山」ポスター 雪まみれ徳島大尉バージョン

黒に「八甲田山」の白い文字が映えるデザイン。コピーは「八甲田で見た事は、一切喋ってはならぬ!」(徳島大尉のセリフだが、公開時にはカットされた)

2)「八甲田山」ポスター 彷徨する青森第5連隊バージョン

高い崖に行く手を阻まれた青森第5連隊の凄惨なシーン。中央は腰まで雪に埋もれた徳島大尉。コピーは「その日、八甲田は、この世の終わりのように咆哮した!」

3)「八甲田山」ポスター 弘前第31連隊&出演者一同バージョン

平らな雪原を行進する弘前第31連隊のシーン。ポスター上部はちょっと怖めの出演者の顔が並んでいる。コピーは「八甲田で見た事は、一切喋ってはならぬ!」

ポスター(大判)

1)八甲田山ポスター 2)八甲田山ポスター

1)は、畳一畳くらいの超大判ポスター(1210×1800mm)荒いドットのグラビア印刷。
2)は、やや大判ポスター(728×1030mmのB1サイズ)

試写会招待券

1)八甲田山試写会招待券 2)八甲田山試写会招待券 3)八甲田山試写会招待券

1)は通常版の「試写会招待券」。 2)はその宛名面。 3)は2色印刷の珍しい「試写会招待券」。6月7日銀座ヤマハホールでの試写会で、文化放送の番組「高島忠生と映画をみよう」が主催。これは文化放送オリジナル招待券なのかも。

映画割引鑑賞券

映画割引鑑賞券原作キャンペーン割引券
キャンペーン期間に原作「八甲田山死の彷徨」を買うと、この鑑賞券が付いてきた。大人200円、小人100円引き(本券1枚につき1名有効)
ちょっとケチ〜!(東宝さんスミマセン)
映画割引鑑賞券国鉄向け割引券
国鉄職員や家族用の「特別割引券」で12万枚を配布したらしい。大人200円、小人100円引き(本券1枚につき3名有効)
国鉄とタイアップしてました
映画「八甲田山」割引券名古屋向け割引券
名古屋地区の「特別割引券」で対象の映画館は、名宝劇場、アスター映劇、エンゼル東宝、国際劇場。大人200円、小人100円引(本券1枚につき3名有効)

映画特別鑑賞券(前売り券)


これは民音用の前売り券(使用済み)。定価は850円。

劇場ロビーカード

1)八甲田山ロビーカード 2)八甲田山ロビーカード
34cm×27cm(B4より大きくA3より小さいサイズ)。ロビーカードとはその名のとおり劇場ロビーに貼る宣伝材料。8枚セット。「2」は部屋に貼れませんな

宣伝用スチール写真

八甲田山スチール
東宝・配給促進課劇場宣伝係発行の宣伝用スチール写真。8枚セット。
封筒に「乞必御返却」と書いてあるのに返却しなかったおかげ(?)で、管理人の手にある。感謝。

書籍・冊子

映画八甲田山の世界映画「八甲田山」の世界
著/橋本忍、発行所/映人社、発行日/1977(昭和52)年
スチール写真、シナリオ、製作者座談会で構成。映画の行間を知るには最適の書で、制作スタッフの苦労を知るにも最適の書。入手しやすい。 
八甲田山 成功への決断成功への決断 八甲田山
発行/東宝?、著者、発行日等不明
映画「八甲田山」でリーダー論を展開しているB6の小冊子。映画の販促物として発行されたらしいが詳細は不明。ふしぎな本。
八甲田山 TVガイドTVガイド 1979年4月27日号(861号)
4月27日(金)20:00〜フジテレビ系「ゴールデン洋画劇場」にて地上波放送した時の「TVガイド」。これがはじめてのTV放送だった。ノーカットだが「完全版」ではない。裏番組は「薔薇海峡」(見てた!)「大江戸捜査網」だった。

企画書・台本

「八甲田山死の彷徨」(仮題) 製作趣意書

「八甲田山」企画書「製作趣意書」は、昭和48年9月頃に作られた(たぶん)。
野村芳太郎(プロデューサー)、橋本忍(脚本)、森谷司郎(監督)で、「八甲田山」の映画化に意気投合した頃のもの。「砂の器」の企画も同時進行していた。原作を要約したような内容で、やや甘い(ロマンチックな)味付けがされている。配役は未定で、製作費を約2億5000万円(実際には7億円)に見積もっている。
立命館アート・リサーチセンターの複写サービスで入手

「八甲田山」 企画書

「八甲田山」企画書「企画書」は、昭和49年5月頃に作られた(たぶん)。
新田次郎から原作権を得て、現地ロケハンや現地協力の準備をしていた頃のもの。内容は「製作意図」と、「橋本プロダクションの人員名簿」と、「小説の要約」で構成されている。脚本担当に山田洋次氏の名がある。配役は決まっておらず、封切りは昭和51年5月予定になっている。
立命館アート・リサーチセンターの複写サービスで入手

「八甲田山」 台本(決定稿のひとつ前)

「八甲田山」台本この「台本」は、昭和51年2月頃に作られた(たぶん)。
台本の厚さは1.5センチ。主要なキャストやスタッフ以外はまだ未定(空欄)。急いで増沢を出発しようとする徳島大尉と増沢村村長の言い争いシーン。徳島隊の八甲田山系行軍シーン(田代平の雪濠、鳴沢の彷徨)。神田隊が樹林を救助隊と間違える集団幻覚シーン。駒込渓谷で倉田たちが救助隊を見つけるシーンなど、「決定稿」(昭和51年9月)で削除されたシーンが多くある。

立命館大学アート・リサーチセンター
文化や芸術を研究し、保存蓄積したデジタルデータを知的資産として共有する活動を行っている。
場所/京都府京都市北区
最寄/市バス「立命館大学前」、立命館大学衣笠キャンパス内
立命館大学アートリサーチセンターHP
早稲田大学演劇博物館
日本や海外の演劇・映像の資料を揃えている博物館。
場所/東京都西早稲田(早稲田大学構内)
最寄/JR山手線「高田馬場駅」、都電荒川線「早稲田駅」すぐ
錦絵、舞台写真、演劇関係図書、衣装、人形など膨大多彩なコレクションを研究・保存。建物自体も16世紀のイギリスの劇場を知る資料になっている。「八甲田山」のシナリオや企画書もある。管理人は2001年8月「市川右太衛門展」に訪問。
早稲田大学演劇博物館HP

ネクタイピン

「八甲田山」ネクタイピン
カチンコと映画タイトルの渋いデザイン。販促物として350円で配布したらしい。

プレスブック

東宝宣伝部が、劇場関係者や各地の興行主などに配布した「プレスブック」。映画「八甲田山」の宣伝戦略が記された24ページの冊子。
八甲田山 プレスブック表紙・裏表紙 八甲田山 プレスブック製作意図・解説

「八甲田山」宣伝のコンセプト

八甲田山 プレスブック 八甲田山 プレスブック 八甲田山 プレスブック
映画の3大作品イメージは、「雄大なスケール」、「壮大な悲劇」、「白の恐怖」

・「雄大なスケール」を売るポイント
1)3年がかりの超大作
2)製作費7億円当時では破格の金額!
3)迫力の2時間半
4)重厚な配役陣(寒く悲愴なイメージの映画なので、女優を効果的にあつかってほしいと注意書き)
5)日本映画界の才能と情熱を結集
6)白一色の八甲田

・「壮大な悲劇」を売るポイント
映画を「宣伝面」でとらえると、「アクション」、「恐怖」、「悲劇」、「感動」の4つに大別できる。
「悲劇」「感動」・・・生々しく安っぽい言葉だが宣伝面では有効な言葉。
「恐怖」・・・作品の風格を損ないそうな言葉だが見世物的要素をちらつかせることも必要。
本来は「負」である要素を「売り」とするのが「宣伝」なんでしょうな。
1)悲劇的な男と男の出逢い
『徳島と神田は最初の出逢いから心惹かれるものをかんじ』・・・などなどほわー
2)実話だけが持つ重み
いくらプレスブックでも、『二年後の日露戦争中(中略)全員が戦死したそうです』なんてウソをついちゃいけません。しょうがないか

・「白の恐怖」を打ち出すポイント
1)零下22度の白い海
2)恐怖の人間樹氷
3)瞬間冷凍、張り裂ける皮膚
4)氷で固着した人間坐像
5)雪が人間を喰う
「遭難」、「凍死」の言葉は、映画というエンターティメントにおいては避けたい表現であり、「明治軍隊」、「日露戦争」の言葉も誤解を与えそうな要因である・・・とは、この映画の持つムズカシく繊細な部分だろう。

「八甲田山」訴求対象

八甲田山 プレスブック事前調査で圧倒的にOL受けが良かった「八甲田山」
「八甲田山」、「悪魔の手毬歌」、「ネッシー」、「若い人」など8作品を呈示して(映画のタイトルと概要だけを伝えたと思われる)、「八甲田山」を見たいと希望した人を884名選んで調査した結果によると、「八甲田山」は22才〜25才のOL層に圧倒的に人気があった。わかるー

しかもこの調査は、「14才未満と、36才以上は省略」している
14才未満は分かるとしても、36才以上はどう考えても「八甲田山」を観そうな年齢層なのに調査対象から省略された。(サンプル数が少なかったから統計学的?に外しただけかもしれん)

「八甲田山」宣伝アタック対象

映画ファン、運動部学生、警察官・自衛官・消防官、ボーイスカウト・ガールスカウト、山を愛する男たち、中間管理職的サラリーマン、映像・文筆・放送を職としている人、読書会・カメラ同好会、女性サークル

劇場宣伝プラン
八甲田山 プレスブック1)劇場内外の広告
B全ポスター、新聞記事、特報

2)屋外広告
横断幕、捨て看板、電光ニュース(電球の文字が動くやつね)

3)屋内広告
Aポスター、中吊ポスター。喫茶店・書店・理容店・ガソリンスタンド・浴場に貼ることを提案。
お風呂屋さんに貼ってある映画ポスターもらったことあるなぁ

4)新聞広告

5)テレビスポット

テレビCMとして15秒、30秒、60秒を製作。決めセリフの「天は・・・」は流行語になった。(LD版「八甲田山」に特典映像として収録されている)。
6)交通広告
駅やタクシーの後部ウィンドーなど。

7)DM作戦
学校の新聞部に作品紹介の依頼DM、山岳部に鑑賞をすすめるDMを送る。こまかい!

8)雑広告
劇場から出す「暑中お見舞い」のはがきの片すみに「八甲田山」のスタンプを押す。こまかい!

9)催事
「八甲田山」の4文字を書いてもらう書道展。「八甲田山」の文字を印刷した風船くばり。こまかい!


東宝宣伝部の情熱を感じる宣伝プラン!
『「八甲田山」は興行的にはむずかしい映画だと認識しています。しかし、作品が近来稀なほど良いものに仕上がることは間違いない思といます』
『「八甲田山」は見殺しにしてはならない映画なのではないでしょうか。』

・・・もう、当時の東宝宣伝部に足をむけて眠れません。

「八甲田山」宣材の種類と内容

宣材とは宣伝材料。つまり販促物のこと。「提灯」なんてのがある。

1)製作段階でのタイアップ
八甲田山 プレスブック
2)雪、寒気、八甲田を媒介にしたもの
観光・旅行会社、登山用具メーカー、国鉄
『夏のエアコン、冷房器具に「八甲田山」の冷気を謳うなど (中略) 雪や寒気に耐え得ることを売りもの (中略) これらの商品と関連付け得る機会があればアプローチして下さい。』
宣伝広報とはこのような地道な努力あってこそなんですね。

3)タレントに関連したもの
北大路欣也 清酒白鶴北大路欣也の「清酒白鶴」(右画像を参照、管理人が高野山で撮影)、秋吉久美子の「三ツ矢サイダー」、栗原小巻の「象印ジャー」

4)試写会、劇場招待を見返りにしたタイアップ
東宝宣伝部では試写を見返りに、丸井や東亜国内航空とタイアップ契約。




「八甲田山」新聞広告見本、看板見本

八甲田山 プレスブック新聞広告
題字メイン、人物メイン、アンケートメイン(映画感想のこと?)3点。恐ろしさが欠けているデザインなので雪まみれの写真を組み入れるつもりとか。

看板見本
映画館前に置く「看板」のデザイン案。右ページの徳島大尉と神田大尉は、デザイナーのラフスケッチ?

『「八甲田山」を横書きにしたら、右から読んで「山田甲八」と云った人がいました。(中略) 公開時までにはそんな読まれ方をされないよう、しっかり宣伝致しますので(後略)』 ・・・東宝宣伝部の努力にかかわらず、男子小学生が得意げに「やまだこうはち」呼ばわりしていた。とほほ

「八甲田山」組織動員と前売り

八甲田山 プレスブックもっとも大きな組織動員である「民音」には、橋本忍氏自ら足をはこんで、動員協力の依頼をした。しかも全国!
民音とは創価学会系の音楽や芸術の振興を目的とした財団法人。シナノ企画は「人間革命」を映画化し興行的に成功させた実績がある。そのため同法人と強いパイプを持っているらしい。

「八甲田山」宣伝文案

宣伝文案とはキャッチフレーズのことで、「八甲田山」では、「内容を捉えたコピー」と「スケールを捉えたコピー」の2つが用意された。宣伝コンセプト通りに「遭難」、「凍死」、「明治軍隊」、「日露戦争」の言葉を使わずに宣伝コピーが作られた。以下メインコピーだけを紹介。どれが好き?

1)内容を捉えたコピー(作品の内容を恐怖を押し出したキャッチフレーズ)
2)スケールを捉えたコピー(映画のスケールの大きさを訴えるキャッチフレーズ)
3)その他
「徳島大尉&神田大尉編」的なキャッチフレーズ案。観客動員メインの訴求対象である「22才〜25才のOL層」向けのロマンティックなコピーになっている。

「八甲田山」撮影余話

八甲田山 プレスブック・バス5台の緊急避難所
本物の吹雪を使った撮影は常に危険がともなっている。そこでバス5台を買い取り、24時間分の暖房と燃料、食料などを用意して、いざという場合に避難場所とする用意をした。使わずに済んだようです

・北大路救った加山の手
雪山の崖をのぼるシーンで、足が滑った北大路欣也は、「落ちる!」と覚悟したが、その足を加山雄三の手が支えた。撮影後に北大路は「厚い靴底の下に、加山さんの手の温かみを感じました」と語った。
ほのぼのエピソードだけど過酷な撮影現場だな

・4時間立ち続けた高倉
撮影は本物の吹雪を待って行われる。冬の八甲田であっても、吹雪はいつ来るのかわからない。雪の中で高倉健たちは4時間、一歩も動かずに吹雪が来るまで立ち続けた。!!!

・逃げ出したエキストラ
過酷で極寒な撮影現場から姿を消すエキストラもいた。こんなことも映画の「売り」に・・・
東宝宣伝マンによる締めのことば
東宝の宣伝マンは、「八甲田山」は今までにない「商材」であると確信したらしい。「当てるためにはどうしたらよいのか?」東宝宣伝マンの地道で惜しみないノウハウが、この「プレスブック」に書かれているのが分かる。

「八甲田山」 別紙/スター順位

八甲田山 プレスブック
宣伝材料をつくる際のスターの名前のならび順。4パターン。気をつかうのね

その他

健さん衣装合わせ写真

用途不明な写真をゲット(宣伝用スチールか?)。高倉健氏の衣装合わせに、森谷監督が立ち会っている写真。健さんは円形フレームの黒眼鏡を掛けている。作中でサングラスをつける予定だったのか?



メーリングマシンのスタンプ

メーリングマシンスタンプ桜田淳子主演映画「若い人」(1977年4月公開)の試写会招待状に2ヶ月後の公開を控えていた「八甲田山」のPRスタンプが押されていた。差出人は東宝宣伝部。これはメーリングマシンといって大量の郵便物にスタンプを押し、郵便料金を集計する機械で、スタンプの一部を広告スペースとして使用することもできる。こんな小さなスペースでも東宝さんは「八甲田山」を宣伝してくださっていたのだ。ありがたい。

遭難事件号外新聞

一部の映画館で「八甲田山新聞」と名付けて、遭難事件を報じる「東奥日報号外(明治35年1月29日)」の複製を30円で販売していた。

あおもりシネマパラダイス

あおもりシネマパラダイス発行/東奥日報社、1996(平成8年)年8月8日、税込価格3500円
青森県の地方紙「東奥日報」の夕刊に連載されていた記事をまとめた冊子。青森を舞台にした映画について書かれた記事で、映画好きならふつうに楽しめる内容になっている。多くの青森県民が協力した「八甲田山」については、高倉健さん、北大路欣也さんの寄稿のほか、脚本の橋本忍さんへのロングインタビューが行われている。

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