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Gallois, Patrick   パトリック・ガロワ 1956-  フランス


1956年北フランス、リール近郊ランゼル生まれ。
1973年17歳でパリ音楽院入学、J.-P.ランパルに師事。また、M.ラリュー、R.エリッシェにも指導を受ける。
1975年19歳で卒業、同時にリール・フィルハーモニー・オーケストラのソロ・フルート奏者となる。
21歳、1977年フランス国立管弦楽団の首席奏者となり、当時の常任指揮者ロリン・マゼールのあつい信頼を得る。
1984年オーケストラをはなれ、独奏者への道にふみだす。1990年にはドイツ・グラモフォンとフルーティストとしてははじめての専属契約を結び、10枚以上のCDをリリース。
1998年からはカナダに移り、トロント大学でクラスをもつなどしたが、 2004年にはふたたびヨーロッパにもどり、フィンランドのユヴァスキュラに本拠をおく、シンフォニア・フィンランディアの首席指揮者にも就任。 世界各地の音楽祭、マスターコースに招かれるほか、数多くの新作を初演してきている。


1970年代後半からその名を知るようになったが、1981年フランスのラジオでの、リサイタルのライヴ放送は全く素晴らしいものだった。 1984年の日本でのデビューは、そのころ大人気のリチャード・クレイダーマンのフルート版をねらったものだったが、そのレコード会社の売り出し作戦に専門家すじは反発したようだ。 けれども、すでに彼がすぐれた音楽家であったことは、当時の録音を聴いてみればすぐにわかるはずだ。テクニックをひけらかすことをきらい、つねに音楽に奉仕する姿勢は当時からかわらない。
1988年読売日本交響楽団とのイベールのコンチェルトをきいた。けっして音量があるわけでもないのに、音を自然にひびかせるその演奏。 サントリーホールのうしろの席でも細部にわたってじゅうぶん音が届いていた。しかも大変なテンポにもかかわらず、ただ音楽を楽しんでいるだけのような演奏に度肝をぬかれた。
1993年から彼はアメリカのABELL(エイベル)製の木管の楽器を吹くようになる。木管の音色が彼のもとめる音楽をよりよく表現できるとのことだ。 1996年秋この木管の楽器をつかってペンデレツキのコンチェルトの日本初演がおこなわれた。たしかに音楽的表現のスケールがさらにひろがった名演だったが、木管の音色がインスピレーションをさらに刺激したのだろうか。
なお、近年はABELLの木管フルートにLopatin(ラパン、アメリカ)の正方形のトーンホールをもったメカニズムをを取り付けたものを愛用している(右写真)。

【CD】

mozart1 モーツァルト/フルート四重奏 K.285,K.285a,K.285b,K.298
パリ弦楽三重奏
[1984/04] <JVC VDC-1005>
日本ビクター企画の一連のモーツァルト・アルバムの第一弾。素直で自然な音楽が心地よい。

roussel ルーセル/トリオ op.40、セレナード op.30
パリ弦楽三重奏, F.カンブルラン(hp)
[1984/05,07] <Erato 245 009-2>

album1 ドヴォジャーク、ショパン、クライスラー、リムスキー=コルサコフなど小品集
南西ドイツ室内管弦楽団/E.クリヴィンヌ, F.カンブルラン(hp)
[1985/02] <JVC VDC-1011>
日本デビューのための名曲集の一枚。

mozart2 モーツァルト/コンチェルト K.314,K.299
フランス室内管弦楽団/E.クリヴィンヌ, F.カンブルラン(hp)
[1985/11] <JVC VDC-1063>

mozart3 モーツァルト/コンチェルト K.313,K.315,K.184Anh.、サリエリ/コンチェルト
フランス室内管弦楽団/E.クリヴィンヌ
[1985/11] <JVC VDC-1184>

serenade サマー・セレナーデ
フォーレ、サン=サーンス、ドビュッシー、マスネなど小品集
[1985/86] <Deutsche Grammophon 457 510-2>
日本ビクターに録音したものの再編集版。

album2 フルート名曲集
ドビュッシー、シューマン、ビゼー、マスネ、ドップラーなど小品集(再編集版)
[1985/86] <Victor VICP-41119>

m.fr1 フランス近代フルート曲集
プーランク/ソナタ、ルーセル/笛吹きたち、メシアン/クロウタドリ、フォーレ/ファンテジー ほか
E.ソンバール(pf)
[1987] <フランス Thesis THC 82012>
伝統的な演奏にとらわれず自身の解釈を思い切って表現している。

telemann1 テレマン/12のファンタジア
[1987/12] <フランス Thesis THC 82013>
その内容の豊富さに注目し、数年にわたりこの曲集を徹底的に研究したという。

poulenc プーランク室内楽集
6重奏、ソナタなど
P.ロジェ(pf),M.ブールグ(ob),M.ポルタル(cl) ほか
[1988/02] <Decca 421 581-2>
フランセのピアノとデュフレーヌをふくむフランス放送管弦楽団の木管5重奏による「6重奏」がレコード時代の名盤とすれば、 これはロジェに加え現代フランス管楽器界一流のメンバーをそろえ、CD時代の名盤と言えよう。

mozart4 モーツァルト/デュオ K.424、魔笛
P.-H.シュエルブ(va)
[1988/06] <フランス OPES 3D-88001>
オリジナルのヴァイオリンパートをフルートで演奏。気の合う仲間との楽しいデュオとなっている。

debussy ドビュッシー/トリオ、6つのエピグラフ ほか
P.-H.シュエルブ(va),F.ピエール(hp) ほか
[1988/10] <フランス OPES 3C-88002>
どの奏者も自己を主張しすぎることのない心地よい演奏。

nielsen ニールセン/コンチェルト
イェテボリ交響楽団/チョン・ミュンフン
[1989/06] <スウェーデン Bis CD-616>
ゴールウェイのものが素晴らしいと思っていたが、こんな別のアプローチもあるのかと驚かされた。

st-saens サンサーンス/動物の謝肉祭 ほか
北九州国際音楽祭
[1989/11] <Ondine ODEJA014>
「鳥かご」は聴きもの。かなりのテンポだが急いでいるようには感じさせない。

bach1 バッハ/ソナタ集 BWV1030,BWV1035,BWV1032,BWV1034,BWV1031,BWV1033,BWV1020
E.ガロワ(vc),J.ポンテ(cem)
[1989/05] <JVC VICC-2>
独自の表現を模索していたころの録音。 確かに金属の楽器でのバッハは満足できる表現ができなかったのかもしれない。

bach2 バッハ/ソナタ集 BWV1038,BWV1013,BWV1039,BWV1079-8
工藤重典(fl.),E.ガロワ(vc),J.ポンテ(cem)
[1989/05] <JVC VICC-3>

paganini パガニーニ/24ノカプリス op.1
[1991/03] <Deutsche Grammophon 435 768-2>
現代奏法も採り入れた彼自身の編曲で、その楽譜はルデュック社より出版されている。

khachaturian ハチャトリアン/コンチェルト、ロドリーゴ/パストラルコンチェルト
フィルハーモニア・オーケストラ/イオン・マリオン
[1991/08] <Deutsche Grammophon 435 768-2>
低音域から高音域まで自在に吹きこなし、しかも余裕を感じさせる。

telemann2 テレマン/12のファンタジア
[1992/04] <Deutsche Grammophon 437 543-2>
多くのインスピレーションを得たテレマンの再録音。

vivaldi ヴィヴァルディ/6つのコンチェルト op.10
オルフェウス室内管弦楽団
[1992/12] <Deutsche Grammophon 437 839-2>

sanssouci サンスーシ宮のフルートコンチェルト
C.P.E.バッハ/G-dur Wq.169、ベンダ/e-moll、フリードリッヒII/C-dur、クヴァンツ/G-dur
C.P.E.バッハ室内管弦楽団/ペーター・シュライアー
[1993/05] <Deutsche Grammophon 439 895-2>

opera オペラ・ファンタジー
ヴェルディ、ゴダール、ロッシーニ、マスネ、マッセの作品
ロンドン・フェスティバル・オーケストラ/ロス・ポウプル
[1993/11] <Deutsche Grammophon 445 822-2>
木管フルートにかわってはじめての録音。ヴィルトゥオーソ風の作品におけるテクニックの見事さにだけでなく音楽のスケールの大きさで名盤のひとつ。

peace ピースコンサート1995(ヒロシマ=ナガサキ)
福島和夫/レクイエム、J.デムス/涙,愛 ほか
J.デムス(pf),マキノ・エリカ(sop),Z.ファンデアシュテーネ(ten)
[1995/05] <Museo Cristofori DEMUSICA 15>

beethoven1 ベートーヴェン/ロマンスとカンタービレ
トリプリコンチェルト、ヴァイオリンのための2つのロマンス
フィルハーモニア・オーケストラ/チョントリオ(キョンワ、ミュンワ、ミュンフン)
弟パスカルのファゴットと共演。
[1996/04] <Deutsche Grammophon 453 488-2>

piazzolla ピアソラ・フォー・トゥー
タンゴの歴史,タンゴ・エチュード ほか
G.セルシェル(guit)
[1996/05] <Deutsche Grammophon 449 185-2>
木管フルートとなってますます表現の幅がひろがり、ピアソラから深い内容をひきだしている。

schubert シューベルト作品集
ソナタ D-dur D384,'しぼめる花'変奏曲 e-moll D802 ほか
J.デムス(pf),V.クラウゼ(sop),Z.ファンデアシュテーネ(ten)
[1996/06] <フランス Saphir LVC001038>
お互いに尊敬しあい、信頼をおくデムスとの共演。

takemitsu
武満徹作品集 海へI,II、エア など
G.セルシェル(guit),F.ピエール(hp) ほか
[1996/09] <Deutsche Grammophon 453 459-2>
傾倒する武満の作品に対する愛情が感じられる。ガロワとハープのF.ピエールのためにコンチェルトを書く予定があったとのこと。
「エア」はその曲のアイディアを転用しているという。

beethoven2 ベートーヴェン全集 vol.14[室内楽]
6つの変奏曲 op.105,10の変奏曲 op.107,デュオ G-dur WoO26
C.リカドd(pf),J.P.ランパル(fl)
[1997/04] <Deutsche Grammophon 453 772-2>
ある意味単調なベートーヴェンの変奏曲が立派な音楽になっている。デュオではランパルがセカンド・フルートを担当。

demus イヨルク・デムス作品集
デムス/ソナタ op.46, ソナタ op.38,ドビュッシー/シランクス ほか
J.デムス(pf),V.クラウゼ(sop),Z.ファンデアシュテーネ(ten)
[1998/09,1997/01] <フランス Saphir LVC001041>

rautavaara ラウタヴァーラ/コンチェルト
ヘルシンキ管弦楽団/L.ゼーゲルシュタム
[1998/09] <Ondine ODE921-2>
大変うつくしい作品。フルート、ピッコロ、アルト,バスフルートを持ち替えて演奏される。 その描かれる世界のおおきさにに圧倒される。

carter エリオット・カーター室内楽集
Scrivo in Vento,Enchanted Preludes など
M.ルティエク,(cl),A.ノラス(vc) ほか
[1999/04] <Arion ARN 68495>
現代ものも得意とするガロワだが、彼の手にかかると技術的な困難を忘れさせ自然な音楽となってくる。

cpe.bach C.P.E.バッハコンチェルト集
Wq.430,Wq.435,Wq.562,Wq.438,Wq.445,Wq.426
トロント・カメラータ/ K.マロン
[2002/01] <NAXOS 8.555715-16>
難曲ぞろいだが、こまかいパッセージがあざやかに聴きとれる。

mozart5 モーツァルト/コンチェルト K.314,K.299,K.313
スウェーデン室内管弦楽団,F.ピエール(hp)
[2002/08] <NAXOS 8.557011>
古い教本などを研究し、そこから得たアイディアを自分のものとして演奏している。

m.fr2 フレンチ・フルート・ミュージック
プーランク/ソナタ、メシアン/クロウタドリ、サンカン/ソナチネ、ジョリヴェ/リノスの歌、
デュティーユ/ソナチネ、ブーレーズ/ソナチネ
リディア・ウォン(pf)
[2003/06] <NAXOS 8.557328>
ブーレーズはソルフェージュの課題のようになりがちだが、彼の演奏によってすべての音が意味をもってくる。

m.fr2 ライネッケ/コンチェルトOp.283、バラッドOp.288
ほかにハープコンチェルトOp.182
スウェーデン室内管弦楽団/F.ピエール
[2004/10] <NAXOS 8.557404>
新たな目で見直したコンチェルト、バラッドも魅力的な演奏。

tabakov タバコフ協奏曲集
2つのフルートのための協奏曲。ほかにピアノ協奏曲。
ビルケント交響楽団/E.タバコフ
[2004/10] <NAXOS 8.570073>
1947年トルコ生まれの作曲家、エミル・タバコフの協奏曲。セカンド・フルートはフィリップ・ベルノルド。

anthology ベスト・オブ・ベスト「フルート名曲選」
4枚のCD、70曲におよぶ小品集。
<VICC 60561-64>
1980年代、日本ビクターに録音されたものの総集編。

v.mozart モーツァルト/フルートと管弦楽のための作品集
コンチェルト K.299,313,314、アンダンテ K.315、ロンド K.Anh.184+サリエリ/コンチェルト
フランス室内管弦楽団/E.クリヴィンヌ, F.カンブルラン(hp)
[1985/11] <VICC60625>
1985年、日本ビクターによって録音されたモーツァルト協奏曲集の再発売(2枚組)

nieminen ニエミネン:フルート協奏曲『パロマー』
ほかに「クラリネット協奏曲」など
シンフォニア・フィンランディア
[2006/05] <NAXOS 8.572061>
フィンランドの作曲家ニエミネンがガロワのために書いた協奏曲(2011)。

doppler フランツ&カール・ドップラー:フルートと管弦楽のための作品
ドップラー兄弟による作品集。
瀬尾和紀(2nd fl)
シンフォニア・フィンランディア
[2006/09] <NAXOS 8.570378>
ポピュラーな「ハンガリー田園幻想曲」と、「アンダンテとロンド」など2本のフルートのための作品をオーケストラ伴奏で。

gaubert ゴーベールソナタ集
C.ロフストランド(pf)
[2007/03] <フランス Saphir LVC1071>
新しいパートナーをむかえ久しぶりのピアノとのリサイタル録音。
3曲のソナタに加えファンテジーも収録。

witt フリードリヒ・ヴィット作品集:
フルート協奏曲 op.8、交響曲ハ長調,イ長調。
シンフォニア・フィンランディア
[2008/05] <NAXOS 8.572089>
ベートーヴェンと同年生まれのドイツの作曲家ヴィットの作品。
作風はハイドンのよう。交響曲が面白い。

doppler ベートーヴェン作品集
セレナーデ op.25
F.ラロック(vn)、P.レネール(va)、C.ラクルー(va)、J.コーエン(pf)
ほかにデュオWoO32、ノットゥルノop.42
[2010] <フランス Integral INT221 141>
セレナーデは初録音と思われる。ロマン派的感覚を排除しようとしているようだが、ガロワの自然なうた心はにじみ出ている。

【DVD】
DVD1 マリナー・コンダクツ・モーツァルト
コンチェルト K.299
ほかに「魔笛」序曲、交響曲No.39
スイス=イタリア語放送協会管弦楽団,F.ピエール(hp)
[2005/11] <EUROARTS 2054678>
2002年のスウェーデン室内管弦楽団とのCD録音(NAXOS)の延長上にあるが、そのフレージングはずっと長いものとなり、スケールの大きな演奏となっている。 彼自身、指揮をする機会が増え、解釈が変わってきているのかもしれない。
ネヴィル・マリナーとはフランス国立放送時代にもイベールのコンチェルトで共演している。目指す音楽のスタイルは違いながらもお互いの信頼関係がうかがわれる。
ABELL-Lopatinの楽器での演奏がみられる。

DVD2 オイゲン・ヨッフム
ブルックナー/シンフォニーNo.7、ワグナー/トリスタンとイゾルデより
フランス国立管弦楽団
[1980/02] <EMI/TOBW93036>
20歳代、オーケストラ奏者としての姿がうかがえる。
ブルックナーを得意としたヨッフムだが、このフランス国立管弦楽団とのものは名演として評判が高い。
同プログラムのライヴ録音もCD化されているが、DVDはそれに先だって録画された。

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