コリン流双龍王戦法

このページはコリン・アダムス氏の 許可を得て、コリン氏のサイトにあるものをspacemanが翻訳・編集しています。


前書き
この戦法は、コリン・アダムス氏が得意とする戦法の一つです。
駒組みに手数があまりかからず、すぐに攻めることが出来るので、急戦の戦法といえます。
相手がもたついている間に、攻撃が始まるので、
一回突破できれば、終局までさほど手数はかからないでしょう。
ほとんど居玉の状態で戦う中将棋では、このような玉頭への攻めは、
しばしば、早い決着となります。
中将棋を覚えたら、すぐ覚えてほしい戦法です。

目次
1 コリン流双龍王戦法の基本形

2 基本戦略

3 具体的な指し手
(1)まず双龍王に組む。
(2)敵の出方を見ながら駒組みを進める。
(3)開戦。


1 コリン流双龍王戦法の基本形

色々ありますが、下図にあるのが、理想形です。

 
 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │一
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │二
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │三
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │四
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │五
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │六
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │▲麒│▲獅│  │  │  │  │  │七
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲歩│▲馬│▲歩│▲仲│▲歩│▲歩│▲歩│▲歩│▲仲│▲歩│▲馬│▲歩│八
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲横│▲歩│  │▲歩│▲鳳│▲銅│▲銅│▲銀│▲歩│  │▲歩│▲横│九
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │▲竪│▲飛│  │  │  │  │  │  │▲飛│▲竪│  │十
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲反│  │▲角│  │▲虎│▲竜│▲竜│▲虎│  │▲角│  │▲反│十
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤一
│▲香│▲豹│  │▲銀│▲金│▲王│▲象│▲金│  │▲奔│▲豹│▲香│十
└──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘二

コリン流双龍王戦法の基本は、中央に龍王を2枚配置し、銅将と銀将を中央に持ってくることです。
また、急戦なので麒麟をひいている暇はなく、そのまま攻撃に参加させます。
ここにある配置は、あくまでも理想型なので、相手の出方次第では、この通りに行かない場合があります。
龍馬は、十段目で飛車が横に行けるように2八と11八の地点に持っていきましょう。
いざというときに、6十や7十に飛車を回すことが出来ます。
奔王は、終盤の駒がれの時に活躍します。じっと待機させておきましょう。


2 基本戦略

この戦法の基本戦略は、次の通りです。

*1 中央突破を目指す。


これが第一です。とにかく中央を突破して、獅子、麒麟、鳳凰、銅将、銀将を進出させて、
相手をつぶしてしまうのが目的です。

*2 突破したあと、一気に寄せを狙う。

龍王の利きが相手の玉将に直通するので、玉将を狙いにした両取りなどで、相手の
強力な駒をはがしていきます。そして、一気に寄せます。

*3 相手の攻めは、気にしない。

急戦なので、敵の右辺または左辺からの攻撃は無視して、どんどん行きましょう。

*4 敵も双龍王で来た場合には、早く歩兵を突き捨てて、
龍王や飛車の利きが相手の獅子に当たるように心がける。

双龍王の対抗策としては、やはり双龍王で対抗するのがいいでしょう。
その場合、早く龍先の歩兵を突き捨てて、龍王の利きを利かせば、敵の獅子の進出を、
抑えることが出来ます。


3 具体的な指し手

(1) まず双龍王に組む。

それでは、具体的な指し手を解説していきましょう。
なお、これから紹介する手順は、あくまでも一例であり、
研究する余地はたくさん残されています。
これを参考にして各人が深く研鑽されることを望みます。

第1図・▽8二龍王まで

 
 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐ 
│▽香│▽豹│  │▽奔│▽金│▽象│▽玉│▽金│▽銀│  │▽豹│▽香│一
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▽反│  │▽角│▽銀│▽竜│▽虎│▽麒│▽虎│▽銅│▽角│  │▽反│二
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▽横│▽竪│▽飛│  │  │  │  │▽竜│  │▽飛│▽竪│▽横│三
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▽歩│▽歩│  │▽歩│▽銅│▽歩│  │▽鳳│▽歩│  │▽歩│  │四
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │▽馬│▽歩│▽仲│▽歩│▽獅│▽歩│▽歩│▽仲│▽歩│▽馬│▽歩│五
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │六
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │▲獅│  │  │  │  │  │七
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │▲歩│▲仲│▲歩│▲歩│▲歩│▲歩│▲仲│▲歩│▲馬│▲歩│八
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲歩│▲歩│  │▲歩│▲鳳│▲麒│▲銅│  │▲歩│  │▲歩│  │九
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲横│▲竪│▲飛│▲馬│  │  │▲奔│  │  │▲飛│▲竪│▲横│十
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲反│  │▲角│▲銅│▲虎│▲竜│▲竜│▲虎│  │▲角│  │▲反│十
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤一
│▲香│▲豹│  │▲銀│▲金│▲王│▲象│▲金│▲銀│  │▲豹│▲香│十
└──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘二

初期配置から第1図までの指し手

1▲6八獅子2△7五獅子
3▲8八歩兵4△5五歩兵
5▲6七獅子6△5四鳳凰
7▲8九鳳凰8△8五歩兵
9▲5八歩兵10△3五歩兵
11▲7八歩兵12△10五歩兵
13▲7九麒麟14△6五歩兵
15▲7十一龍王16△11五龍馬
17▲10八歩兵18△9二銅将
19▲6十一龍王引20△2五龍馬
21▲6八歩兵22△9三銅将
23▲9十一銅将24△8四銅将
25▲3八歩兵26△1五歩兵
27▲1八歩兵28△4二銅将
29▲2八龍馬30△9二銀将
31▲4十一銅将32△7二盲虎
33▲5十銅将34△9一奔王
35▲6九銅将36△8二龍王

解説
だいたいこの辺までは、覚えておきましょう。
とにかく中央突破が狙いです。早めに龍王を中央に寄せましょう。
そして、攻め駒を前進させます。中将棋では、相手の駒も多いので、
将棋の原始中飛車のように、銀1枚あれば崩せるほど楽ではありません。
先手を持ったら、高獅子を目指しましょう。
獅子は、出来るだけ前にたてば、後ろの小駒を前に出せるようになります。
ちなみにspaceman流高獅子外しは、別コーナーで解説しています。

また、後手が▽2五龍馬、▽11五龍馬と出るのは、次のような効果があります。
1 出ることによって空間が出来るので、銅将や銀将が出やすくなる。
2 角行と違う筋に行くので、中央で駒交換が起こったときに、取られにくい。
3 3筋や10筋から攻めやすい。



(2)敵の出方を見ながら駒組みを進める。

第2図・▽9二龍王まで

 
 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
┌──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐ 
│▽香│▽豹│  │▽奔│▽金│▽象│▽玉│▽金│  │  │▽豹│▽香│一
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▽反│  │▽角│▽竜│  │▽虎│▽麒│▽虎│▽銀│▽角│  │▽反│二
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │▽竪│  │  │  │▽飛│  │▽竜│▽銅│▽飛│▽竪│  │三
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▽横│▽歩│  │▽歩│▽銅│▽銀│▽獅│▽鳳│▽歩│  │▽歩│▽横│四
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▽歩│▽馬│▽歩│▽仲│▽歩│▽歩│▽歩│▽歩│▽仲│▽歩│▽馬│▽歩│五
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │  │六
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │  │  │  │  │▲麒│▲獅│  │  │  │  │  │七
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲歩│▲馬│▲歩│▲仲│▲歩│▲歩│▲歩│▲歩│▲仲│▲歩│▲馬│▲歩│八
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲横│▲歩│  │▲歩│▲鳳│▲銅│▲銅│▲銀│▲歩│  │▲歩│  │九
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│  │▲竪│▲飛│  │  │  │  │  │  │▲飛│▲竪│▲横│十
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ 
│▲反│  │▲角│  │▲虎│▲竜│▲竜│▲虎│  │▲角│  │▲反│十
├──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤一
│▲香│▲豹│  │▲銀│▲金│▲王│▲象│▲金│  │▲奔│▲豹│▲香│十
└──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘二

第2図までの指し手
37▲4十一銀将38△8三銀将
39▲8十銅将40△1四横行
41▲7七麒麟42△6四獅子
43▲7九銅将44△7五歩兵
45▲5十銀将46△12五歩兵
47▲12八歩兵48△12四横行
49▲12九横行50△7四銀将
51▲5九銀将52△4三銅将
53▲5十奔王54△4二銀将
55▲3十二奔王56△7三飛車
57▲11八龍馬58△9二龍王

解説
注意しながら駒組みを進めていきます。
41手目の▲7七麒麟が敵の獅子の進出を止める第1歩です。
敵がすぐ攻めてくる様子がなければ、どんどん駒組みを進めます。
中央に鳳凰、銅将、銅将、銀将と並べば、攻撃態勢はほぼ完成です。
奔王は、終盤のためにとっておきましょう。
また、いざとなったら、▲2十一竪行〜▲2十角行〜▲3十一竪行として、
※右三間奔竪飛で攻めることが出来ます。
開戦の準備が整いました。後は仕掛けるだけです。

※右三間奔竪飛・・・・・spacemanが作った仮称。
「みぎさんげんほんしゅひ」と読む。ちなみに奔王が龍王なら、「りゅうしゅひ」
左辺にあるなら、「ひだりさんげん」となる。

(3)開戦。

いよいよ開戦です。

ここから先は、中将棋盤でお楽しみください。
そしてその破壊力を、体感してください。

コリン流双龍王戦法を中将棋盤で見る。