このコーナーは
日頃気になっていたり、やっとわかったことなど歌のことについて書き連ねるものです。
1つの考え方、方法として捕らえて困った時の参考にしていただければ幸いです。
質問があればメールでお寄せ下さい。わかることであればお答え致します。
鼻濁音と無声音のこと 音程のこと
息のこと ピアニストのこと
身体のこと 外国語の歌のこと
朗読のこと
♪鼻濁音と無声音のこと
西日本人には鼻濁音や無声音なるものが無い。その存在を知ったのは大学の言語学の授業でのこと。
そして実際にそれらが出来ない苦労を知ったのは、ドイツ歌曲を始めた3年生。できなくて悔しかっ
たなぁ…。で、自分なりに先生から盗めたと思う(ちょっと弱気…)発語の方法を少し紹介。単語中のそ
れらの規則性については言語学関連の書物をご覧下さいね。
まず鼻濁音は、上あごや額の共鳴している場所付近で言えばそれらしく聞こえるらしいということ。
それ以来鼻濁音の注意を受けないので、間違ってはいないのだろう。ドイツ歌曲で苦労したので、日本
歌曲ではすんなり発語できているようだ。
無声音はもちろん子音だけを発語すればいいもので、ある年代以降作曲された日本歌曲作品には音符
が●や○では無く×になっている事が多いので助かる。そうなっていなければ、とにかく朗読して流れ
が良いかどうかを考えるようにしている。が、困るのは無声音に音、それも長い音符や直前と違う音程
の音がつけられている時!どう歌うか葛藤が始まる。短い音符はともかく長い音符で何となく「これか
な?」と思う方法は、子音をごく僅かに長めに発音するというもの。
鼻濁音も無声音も師匠が世間話の間などにも矯正してくださるが、その中で最近もう1つ厄介な発音
が日本語にあることに気づいた。無声音と有声音の混ざったのがある!!!日本語って“なまり”があ
るから難しいね!あ、外国語にも“なまり”があるから一緒か。
♪息のこと
歌曲では、詩の解釈上どうしてもブレスを入れたく無い、でも息が続きにくいフレーズがしばしばあ
る。そんな時の練習方法として、そのフレーズのおしまいからさかのぼって歌う練習をする。つまりフ
レーズの行き先が、分かっているようで分かっていないことが多いからだ。これが結構功を奏する。
それにしても息は永遠の課題かもね。何といっても解釈に関わってくる。“かやの木山の〜”と歌う
のだって、「かやの、木山の〜」と歌うと木山って何?となるし、“さざれ石の〜”もさざれ石で1単語
なので「さざれ、石の」となると、「神野(かんの)」を「か、んの」って言われているようで落ち着かない。
もちろん時と場合にもよるが、できれば変なところではブレスしたくないよね。
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♪身体のこと
やっぱり柔らかい方が歌っていて楽。だから練習の前は必ずストレッチをしてから、呼吸や発声の練
習に入る。イチローや松井だって、いきなりバッティング練習しないでしょ?
思うように歌えない時も歌いながら身体を動かしてみる。ある時はボールを遠くへ投げるように、あ
る時はゆりかごが揺れるように、ある時はジャンプするように等々。そうすると身体がほぐれて息が流
れていくようで、イメージした声やフレージングができたりする。レッスンで生徒にこれらをさせてみ
ると、恥ずかしいのかイメージが違うのか、何故か出来なかったりぎこちない動きになる。私もそうだ
ったのかなぁ…。
練習のおしまいには、クールダウンのストレッチや発声練習をした方がいいのだけど、こちらはつい
忘れがち。スポーツ選手を見習わなければね。「音楽って体育会系だよなぁ」と思うこの頃。
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♪朗読のこと
新しく歌う曲は必ず朗読から入る。それもノートに書き写した(日本ものは縦書き、洋物は横書きで)
歌詞を朗読する。オペラ・アリアやオペラまるごと1作も同様。それから譜読みを始めると、フレーズや
1音1音をどう捉えたらいいのかがわかり、結構良い音程で歌える。何度か急いで譜読みした時これを怠
った事がありなかなか音楽が出来上がらず困ったので、どんなに急いでも手順を間違えないようにして
いる。急がば回れとはこのことか?
そして途中で歌い迷った時、歌うには時間が無かったり気持ちがついて来ない時、再演する時、本番
前も朗読する。すると何かがリセットされて新鮮な気持ちで歌に取り組める。歌曲もオペラも詩や台本
に曲がつけられたわけだから、必要な方法かもしれないなぁ。
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♪音程のこと
やはり音程は良くありたい。しかし良くあるためには、呼吸やフレーズの取り方、発語の仕方が関わ
ってくると思う。そしてどんな音(声)を出したいのか想像力を持っている事。
フレーズの中で一番高い音を意識してブレスをし、歌い始めたり収めるのは良く知られているが、同
じ音が連続するときは次の音を薄紙一枚高く取ると、不思議な事に同じ高さに聞こえるというのは意外
に知られていないと思う。間に休符が入っている場合もそう意識すると音程良く歌える。
いきなり高めの音から歌い始めるとき、その音が怖い。でもその前のピアノ(オーケストラ)の音に必
ず助けがあるので、聞き逃さないでその音から呼び込むように息を吸う。すると身体が開くので怖くな
い。前奏がない曲はピアニストが音をくれるので、そこから同様に音を取れば怖くない。
これらの際の身体はというと、いろいろなところがそりゃもう大活躍!他の楽器同様、歌も精神(?)
労働、肉体労働なのです。
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♪ピアニストのこと
歌曲はアンサンブルなのでとても重要。しばらく昔は“伴奏者”と言われていて「歌についていく人」
って感じだったけれど、大学に入って声楽の先生からそうではない事を教わり、「対等な存在」へと変わ
った。一番の理解者、助言者であると共に、一番のライバルであるのです。(後者については、時に私
の歯が立たない方がいらっしゃる)そうあるためにお互い切磋琢磨せねばならないけれど、その前にピ
アニストの皆さん、まずは一緒に息をして下さいね。これが最初の一歩だと思う。当たり前で皆できて
いるように思われているけれど、意外にそうではない。ではどうすれば?答は簡単。どんな声でもいい
から弾き歌いすれば必ず息ができます。そうやって良いバッテリーになりましょ!
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♪外国語の歌のこと
母国語でないので、留学したりかなり勉強した人でないとすぐには意味がわからない。残念ながら文
語体、古語で書いてある日本語も。だからこそ、対訳してあるものを頼りにしてでも、ちゃんと辞書で
意味を調べて歌いたい。これは受験生の時から始めて、習慣付けたい。もっとも最近の国内版の楽譜は、
巻末の対訳コーナーには文法のわからない受験生用の単語の意味まで書いていてあるので辞書は必要な
いけれど、それでも自分で調べると他の意味も列記してあるのでそちらも興味深い。
この作業はできれば譜読みの前にし朗読をすると、音程が取りやすくなる。以前焦って譜読みを先に
してしまった事があり、その時とても音程が取りにくかったし音楽も作りにくかった。このような練習
の『急がば回れ』的なこともさることながら、言葉の意味をわかって歌うと、その詩が何を訴えたいの
か、どの言葉を一番言いたいのか、どのような語感で歌ったら伝わるかがわかって、もっとその歌が良
い歌になる。そして歌うことがもっと楽しくなる!
こういうわけで、楽器のみなさん!私たち歌い手は能天気に歌っているわけではないのですぞ!
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