スコッチの「百科事典」自費出版・盛岡

盛岡市下ノ橋町のスコッチウイスキー専門バー「スコッチハウス」を営む関和雄さん(63)、聡子さん(51)夫婦が、店所蔵の約680本を紹介した文庫本「スコッチ・オデッセイ(改訂版)」を自費出版した。

 2011年1月に赤字覚悟で初版を出版したが、「スコッチの百科事典みたいな、こんな本が欲しかった」と好評で売り切れたことから、内容を充実させて改訂版を出した。

 オレンジ色の照明に照らされ、暖かな雰囲気に包まれた店内には約1000本のスコッチがずらりと並ぶ。製造年が古く、市場に数が少なく入手が困難となった「スプリングバンク 1919年」などもあり、北は北海道から南は鹿児島県まで、多くのスコッチファンが集まる。

 書店の営業職だった和雄さんは約35年前、盛岡市内や出張先の東京のバーで「タリスカー 12年」と出会った。それまでビールやワインなどを飲んでいたが、スコッチの「少し癖はあるが、舌中に一気に広がるアルコールのさわやかさ」にとりこになったという。

 それからは趣味でスコッチの収集を行うようになった。やがて保管場所にも困るようになり、専門バーを開きたいとの思いが芽生えた。「スコッチに愛情を注ぐ姿が格好いい」と聡子さんの後押しもあって、00年8月、自宅隣に集めた約800本を商品に「スコッチハウス」を開店した。

 初版の「スコッチ・オデッセイ」は、開店10周年を記念して出版した。和雄さんが構成を、聡子さんが文章を担当した。国内で洋酒の輸入自由化が始まった1971年から、級別及び従価税制度が廃止となった89年までの所蔵するボトル約600本を、ブレンド会社別に整理して写真付きで紹介した。

 当初は赤字覚悟で1500冊を発売。しかし、全国のお酒好きやバーテンダーから「スコッチの百科事典みたいな本が欲しかった。これを読めば、スコッチの歴史を学ぶことができる」と注文が殺到し、震災を挟んで1年弱で売り切れた。

 店頭に並べていないものも含めると、現在では約1200本のスコッチを所有する和雄さんは「店にはまだまだ紹介したいものがある」と初版の発売直後から、改訂版の構想を練り始めた。今年7月29日に出版した改訂版では、紹介するスコッチの本数を約80本増やし、エッセーなども新しくして、それぞれのブレンド会社の歴史を詳しく書いている。

 和雄さんは「スコッチが好きな人はもちろん、あまり詳しくない若い世代にも本を手に取ってもらい、もっと楽しんでもらえたらうれしい」と話している。

 文庫本で208ページ。1575円。同店や盛岡市内の書店などで購入できる。問い合わせは同店(午後6時半〜午前2時。019・604・5577)。


2012年9月28日 読売新聞)


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