石の世界 (当サイトおよびネストラ・リリに関する写真・文章等、全てに関し無断転載・複製を禁じます。)
ネストラ・リリワールドを楽しんでください。
|
Top
良い気持ちになったら、そのエネルギーは素晴らしい自分自身のパワーです。 いつもでもどんな時でも気持ちよくいられること、それが究極の目標です。
|
| 「シルバーアクセにできるものを」 同じ自然の鉱物なのに宝石学では低品質にランクされてしまって、一般の宝石店には並ばない、でも実はパワフルでとても個性的な良い石がたくさんあります。 すべての石について言えることですが、四大宝石などはその極みです。というのは、「こういうのが良いもの」という規定が他の宝石より明確だからです。これは他の宝石についても同じことが言えますが、四大宝石よりはファジーで昨今はユニークなものを出回っているようで嬉しいかぎりです。が、一般的に、宝石店には一定の基準のもとにドレスアップしたものしかありません。 そして、価格の問題。 ヒーリングに宝石(石)を用いて実感したことですが、石は全般的に大きいほど使いやすく効果が大きいのです。もちろん小さくてもすこぶる強いパワーを秘めたルースもありましたが、同品質であればやはり大きい方がよりパワフルなのは必然です。(ヒーリングについてはまた別の章にて記載) 同品質なら石が大きくなるほど高くなるのは当たり前ですが、問題なのは宝石学で決められた規定をクリアしたルースというのは、それだけですでに“高い”のです。 半貴石タイプなら、なんとか頑張って大きめのルースの指輪なりペンダントヘッドなりを購入することが可能ですが、四大宝石ともなると規定のランク以上のものしかお店に置いていないので、よほどのお金持ちでないと大きなルースを入手するのは困難です。また、これも実際に体験してわかったのですが、大昔から四大宝石など上位にランクされる宝石にはその硬度や美しさだけでなく、エネルギー的にも上位にランクされるゆえんがあると痛く感じました。 ニューエイジストーンと呼ばれる石たちも大好きですが、四大宝石のパワーと個性ももっと見直されてよいと思います(詳しくはまたの別の章に記載) きれいなものにはみんなパワーがあります。 宝石学の美の規定からはずれても、宝石店の仕入れからは除外されても、美しく個性的な石たちはたくさんあるのです。 |
| 「シルバーアクセにできるものを」 ちょっと前置きが長くなりますが、なぜ私がシルバーアクセサリーに閃いたかにつながるので説明させてください。 |
| 「シルバーアクセにできるものを」 見た目にも美しくエネルギー的にもそれで本格的エネルギーワークができるほど素晴らし日本のアンティークジュエリーでしたが、それゆえ私が求める指輪の隠れた条件からはずれていました。原石と結ぶ指輪は実用リング、お洒落でかつ耐久性もなければなりません。 それで目をつけたのがシルバーアクセサリーです。原石とコンタクトを結ぶことのできるリングの目的としては、台座はもうプラチナや18金である必要はない、という結論に達しました。本当は金も銀もプラチナも鉱物ですから、そのパワーや石との相性はあるのですが、最大目的の前にはこの際目をつぶることにしました。 シルバーアクセサリーのカテゴリーでお店やネット販売などを探すと、宝石店より私の目的に近いリングがたくさんありました。 今は流行りの直輸入雑貨店。アジアもののシルバーアクセサリーは、ヒーリングだけを目的に考えるならこれもまた大変良いです。日本の宝石店やパワーストーンショップなどでは考えられない信じられないほどきれいで大きなカットルースのリングがこれまた信じられない安価で手に入れることができます。 ファッションアクセサリーとして出過ぎない範囲でなら、やはり指輪のルースも大きいほど原石とのパイプラインは結びやすいです。当初、これらを発見した時は私は「見つけたっ!」と飛び上がって喜びました。安いし、他人にも勧めやすいと二重に嬉しかったです。 ところが、またまた問題が…… 今度は日本アンティークと正反対の理由。驚くほど雑な作りで「こんなきれいなルースにどうして?!」と怒りが沸くほど、粗末なんです。繊細な作りだから壊れそうじゃなくて、雑すぎて爪どめがゆるんで直しがきかなかったり……と困りました。 それに、何においても言えると思うのですが、ルースが美しいと思うその一方で「粗末なものをつけている」と不満を持ちながら、良い気分になどなれるでしょうか?これまた余分に意識の集中力が必要になってきます。 すべての直輸入ものが粗末ですぐ壊れるわけではないでしょう。ただ、私の印象では日本製より粗雑な感はどうしてもぬぐえません。造りが雑な極みで我慢しかねるのが、銀をろくに研磨していないのでしょうね。シルバー925の刻印があっても、その光りはアルミのようだったのです。ステンレスのような感じのものもありました。どんなに美しいルースも古いアルミなべを連想させるような台座や台所のステンレスのような台座をつけられては……泣きたくなるでしょう。 「安いから良い」という価値観の方には直輸入アクセサリーはお勧めです。それで、私の掲げている目的は十分果たせると思います。気にされない方はにはとても良いと思います。 ただ……これも体験してわかったのですが、安価に売るために粗雑に作られたものというのは、一見そこそこきれいに見えたとしても、エネルギーをリーディングしていくと全くプライドがないのです。プライドがないというのは、ずらりと並べてみると一目瞭然なのですが、気品というか自然の気高さが失われていて、人間でいうなら腑抜け状態に見えます。 少しでも安価に供給しようとする努力は素晴らしいですが、とにかく技術も細工もその他の手間ひま時間もできるだけ省くという事情から、流通する間に粗雑な造り以上に、私たち人間にかなり粗末に扱われてきているようです。 これは原石にも同じことが言えます。 原石もそれを加工したアクセサリーも人間と同じで、粗雑に磨かれたり粗末に扱われていると自信をなくします(「石と人の運命」)石も本来の自分のありようを忘れて卑屈になるんですね。 もしも、自信をなくした石を手にしてしまったら、こちらが石を尊重して扱い「石が実は自分は素晴らしいんだ」と自信が持てるようにまで回復ケアしてあげなければなりません。「私なんて……」などというエネルギーの石から元気や勇気などのサポートを受けるというのは無理な話です。 なので、この章の結論としましては、細かいことが気にならない方には直輸入ものがお勧め。とにかく安いです。大事に扱ってあげれば、たとえそれが粗末な作りであっても十分石とのコンタクトはとれて、原石との親密なパイプラインをしてくれると思います。 安価で手に入れた粗雑なものをそれでも敬意をもって大事に扱える人を私は尊敬します。非常にむずかしいことです。そのような高い精神性を持った方はもはや何かのサポートなど全くいらないでしょう。未熟な私にはできません。 だから、日本職人!!! やっとたどり着きました。 直輸入の大きなルースで、宝石店などとは違うスタンスの「石が主役」の意味あるオリジナルデザイン(形)で、なおかつお洒落、そして日本人にしかできない丁寧な仕事なのです。 |
|
シルバーアクセにできるもの |
ビジョンストーリー ネストラ・リリ著
| 「 勝 利 の 女 神 」 | ルビー |
| 「インドスターの声」 | インドスタールビー |
| 「ゲット・ザ・チャンス!」 | ラピス |
| 「戦士はチャライプの丘へ」 | ガーネット |
| 「人魚姫の贈り物」 | 真珠とアクアマリン |
| ビジョンストーリー目次 「 勝 利 の 女 神 」 ルビー 「それでは社内コンペを始めます」 会議室の蛍光灯がすべて消され、特大のスクリーンと彼女の姿だけがスポットライトに浮かび上がった。 と同時にいっせいにヒソヒソと耳打ちする声。 会議室全体に明らかに好意的はでない不穏な空気がたちこめた。 だって彼女ときたら、恋人の俺ですら一度も見たことがない、どこぞのパーティーにでも行くような格好をしてるんだ。 もしや美容室でセットしたのではと思うような華やかなアップスタイルに、全身スカーレットのスーツをまとい、8センチ以上はあろうかというハイヒールを履いている。 −おいおい、頭、おかしくなったか?!− −一体、何を考えているんだ?!− 彼女が左手で自分の耳たぶに触れアップにしたうなじをなでさすった。 緊張している時の彼女の癖だ。 頬が赤く蒸気している。 会場は一瞬にして彼女の敵みたいだ。 −なんだかわからないけど、こうなったらとにかく頑張れ− 俺は思わず拳に力を込めた。 詳しくは聞いていないが今度の彼女の企画の要点を俺は知っている。 それは、俺自身これが実現したらすごいと絶賛する内容だった。 俺と彼女は幼馴染でしかも同期入社。 自然のなりゆきでカップルになって7年だ。 俺は技術部配属で、彼女は3ヶ月ほど前に総務課から念願の企画開発部に抜擢された。 二人の行きつけの居酒屋で彼女は炎のような勢いで俺に報告したものだ。 俺はもちろん彼女の希望が叶ったことを喜んだ。だが、・・・・だ。 複雑だった。 まだ、辞令こそ出ていなかったが、俺の方はほとんど左遷に近い台湾工場への転勤が内示されていた。 実は、この機会に俺は彼女にプロポーズするつもりでいたんだ。 でも、とても口に出せる雰囲気じゃなかった。 目の前のお祝いのご馳走も俺の顔さえもどこか遠くに、自分のこれからを堰を切ったように話す彼女を台湾へ連れていくなんて・・・、無理な話だ。 俺はしたたか酔っ払い半分ヤケクソになって入社した頃思い描いていた技術者としての夢を語った。 ヤケクソの意地だったのに、アイツは「素敵だわ!」と言って即座にノートにメモしやがった。 そして、3ヶ月・・・ 彼女は俺の技術者としての夢を現実的な企画書として完成させた。 それが今回の彼女のコンペの内容だ。 幾分いつもの彼女の声より興奮で上ずってはいるものの、話の展開、資料の提示、データの収集、その内容は見事だった。 −ここまでやるとはな・・・− −まだ新米なのに・・・− 台湾に行く前に少しでも会いたいと思う俺とのデートも断り没頭しただけのことはあると 俺は驚き、そして感動した。 −こんな形で俺の夢が公の場に披露されるなんて・・・− −実現に向けて審議されている・・・− ざわついていた周囲がいつのまにか真剣に張り詰めた空気に変わっている。 彼女が何度かうなじに手をかけそうになる。 緊張して当たり前だ。初めてのコンペだ。大勢の人前で、しかも日ごろ顔を合わせることさえない上役たちが間近にいる。 俺は心の中で祈るような思いで叫んだ。 −頑張れ− −お前と結婚して台湾に行くのは諦める− −もう、完全に諦める− −だから、だから、お前の企画通ってくれ・・・− −技術者の夢を実現してくれ・・・− −俺じゃない他の誰かが作るのでもいいから・・・− 発表が終わり、質疑応答に入った。 老獪な質問が新米の企画開発部員に次々と投げつけられる。 彼女が時折言葉に詰まって下を向く。 けれど、そんな時でも不思議に彼女が堂々として見えることに、俺は気がついた。 うつむく姿が優雅にさえ見える。 数ヶ月前までいじめやセクハラで泣いていた彼女とはまるで別人だった。 目立つせいだと外人顔の彼女はいつもグレーや茶色のパンツスーツに必要のないめがねさえかけていたのに・・・。 そうか! 8センチのハイヒールと、スカーレットのスーツだ! あの高いヒールがこの大舞台で彼女をひとまわりもふたまわりも大きく見せ、スカーレットのスーツが彼女を少しもひるんだように見せないんだ。 「この新製品はわが社の強力なイメージアップになり、21世紀を生きるにふさわしいものです」 獲物をしとめる直前の優秀なハンターのような視線で一同を見渡す。 議論は白熱し、彼女は次々と確実に獲物をしとめていった。 「だがねえ、それは技術的に本当に可能なのかね?」 最後の大物が彼女の前に本日最大の圧力をかけて抵抗した。 社運がかかっている。 会場全体が固唾を呑んで見つめる。 しかし、彼女はその質問を待ち望んでいたかのように、にっこりと微笑んだ。 「今回の企画はわが社の優秀な技術者の発案です。わが社の技術部は業界でもトップクラスであると私は信じています」 自信に満ちた彼女の声。 最後の大物がうなるようにして首を縦に振った。 −やった!やったぞ!− −しとめたぞ!− −ヨッシャー!− 俺は心の中で力いっぱいガッツポーズをした。 会場から拍手があがった。 彼女が俺のほうをちらりと見た。 ゾクリと鳥肌がたつほど魅惑的だった。 美しい蝶がついにさなぎの殻を破って飛び立つ瞬間を、俺は見た。 それからどうなったかって? 俺の台湾行きは取り消し。新製品開発のチーフリーダーになって企画は大成功。 俺たちは結婚し、公私ともに最強のカップルと噂されてるよ。 彼女は「あなたのおかげよ」と言うけれど、わかってるんだ。 アイツが、俺の勝利の女神さ。 |
| ビジョンストーリー目次 「インドスターの声」 インドスタールビー おい、おまえ。 俺は俺さまだ。 赤くない? 透明感がない? 傷がある? インクルージョンがある? それがどうした。 俺は”スタールビー”じゃないぜ。 一緒にするな。 あっちはあっち。 こっちはこっちさ。 俺さまは出来損ないなんかじゃない。 俺は”インドスター”っていうんだ。 インクルージョン? 生きてりゃ少しは汚れもごみもつくさ。 それが自然だろう。 俺は傷を隠したりしない。 俺はこの色でいい。 この姿が気に入っている。 おまえもそれでいいじゃないか。 どうだい、俺の赤紫は落ち着くだろう。 この深い色の中に浮かぶスターは暗闇の星さ。 人間の蛍光灯ほど明るくはないぞ。 でも、安心するだろう。 痛くないだろう。 俺の星は見ていたけりゃ、いつだって、いつまでだって見ていていいんだ。 どうだい。 俺さまもなかなかいいだろう。 あっちにもこっちにも人間にも言わせておくさ。 俺は自分に満足しているぜ。 おい、おまえ。 元気は出たか。 そうか、良かったな。 また何かあったら、俺のスターを眺めてくれ。 俺さまも褒められれば悪い気はしない。 いいもんだな。 |
| ビジョンストーリー目次 「ゲット・ザ・チャンス!」 ラピス うすっぺらなカーテンがムカつくぜ。 早すぎる朝日が今日もうとましい。 しかたなく開いた薄目には、曇ったガラステーブル、灰皿からあふれ出た吸殻、飲み残しの缶ビール・・・いつもと変わらない。 ホッとしたような、ウンザリしたような・・・ああ、ため息だ。 酔いつぶれ昨夜の記憶もないオレは朝日に反抗して布団を奥深くかぶる。 と思ったところで鳴る携帯電話。 「何してる?」「何してた?」 いつもの会話、無意味な言葉ばかりがだらだら続く・・・続く。 まだ寝てやるぞ、なんていう無駄な意志さえつらぬけないオレ。 あああ、ため息つきながら、吸わなくてもいいたばこを吸って続く電話。 切ってはかかってくる電話。かける電話・・・ いつもの時間になってやっと今日のアソビの約束成立。 集まって、飲んで、騒いで、上手くいきゃナンパして・・・ ソレって楽しいんだっけ? アソビって楽しいもんじゃねえのか? わかんねえ。 まあ、いいか・・・ 午後の日差しが翳る(かげる)頃、しかたなくオレはうすっぺらなカーテンを開ける。 いつもと変わらない今日だけど、チョットだけ粋がってみることにした。 「今日のねるとんはイケルぜ」につられたかな。 アホなオレ・・・ でも、いいや。 今日は何か変えてみたい気分なんだ。 せいいっぱい粋がって街にくり出そう。 太陽にささやかな抵抗をしてオレは夜のはじまりにドアを開ける。 飛んでいるのはこうもりか。 オレみたい・・・あああ、またため息だ。 でも、そんなオレにもトキメキはあるのさ。 ねるとんに行く前に今日はあの娘(こ)のところを流してみよう。 いつも生き生きと働くあの娘、いつも笑顔、時々ションボリ・・・可愛いあの娘。 見ているだけでチョット幸せな気分。 見ているだけでいいんだ。 オレはあの娘の働く店の通り沿いに車をとめた。 ガラス張りのショーウインドーが暗闇にまぶしい。 オレってやっぱりこうもり・・・ ムリだよなあ・・・ムリムリムリ。 ゲッ?!どうしたの?! あの娘が店から出て来たよ。 ディスプレーのチェックかな?真剣な顔。 やっぱり可愛いな。 アレッ、コケた。 マジかよ?! 何か落としたぜ! ウソだろ?!あの娘は気づかない。 オレは車のドアを閉めるのも忘れて飛び出した。 たくさんの通行人。 オレが拾うんだ!! 誰も気づくなよ、取るなよな・・・ 思うように走れない運動不足の身体がうらめしい。 もう、酒のバカ飲みなんかやめるぜ。 ダレた体にムチ打ってせいいっぱい猛ダッシュ。 ゲット・ザ・チャンス! まぶしすぎる照明のガラスのドアを胸いっぱいに息をつめて押し開いた。 入れないと思っていたあの娘の世界・・・ 「あの、コレ、落としたよ」 つぶらな瞳が思いきりまばたく。 柔らかそうな髪をひるがえしあの娘が勢いよく頭をさげた。 照れて笑うオレ。 そんなオレをみつめて間近に微笑むあの娘。 なんだかいい感じ・・・ 今日は粋がってカッコつけてラッキーデー。 こんな風に笑ったのは何ヶ月ぶり?何年ぶりかな・・・ 夜空にGO!サインの星が光っている。 ヘイ!明日が楽しみだ。 |
| ビジョンストーリー目次 「戦士はチャライプの丘へ」 ガーネット もう、ダメだ・・・ ボクは限界だ・・・ 夢中で走り続けて来たボクなのに・・・ 出発した時、銀色に光っていた戦闘服は黒く濁り汚れ、ボロボロだった。 重すぎる剣を地面に突き刺し倒れそうなボクは無様に荒い息を吐く。 闇の荒野で動けない。 光があまりに遠くて、ボクは息が切れしてしまった。 チャライプの丘は、緑の丘は、光の世界はあとどれくらい・・・ 戦いはいつまで続くのだろう・・・ いつになったら安心できる?・・・ うなだれるボクの視界にもう前は見えない。 うなだれるボクの視界には泥だらけのブーツと剣だけ・・・剣だけ・・・ 涙が頬をつたう。 全力で駆け抜けてきたのに・・・ボクのすべてをかけて。 もう、ダメだ・・・ ハートは悲鳴を上げ、体はオーバーヒート。 限界だ・・・ ボクの膝から最後の力ががくんと抜ける。 まぶしさに目を凝らした。 何もかも崩れ落ちてもいいと思ったのに、ボクは倒れなかった。 地面に突き刺した剣がしなることなく確かにボクの体を支えていた。 ボクはこんなにもくたびれ果てているのに・・・ ボクの唯一の武器は出発した時とかわりなく両刃の一片もかけることなく輝いていた。 ボクが唯一持っている武器、モノ・・・理想、情熱、夢、愛・・・ まじまじと見つめるボクの剣は見上げるほど大きく痛いほど美しかった。 ボクは心打たれ天に剣を振り上げ仰ぎ見た。 光に包まれる・・・情熱の魂の世界。 そこだけ光の世界があるように。 剣がボクの道を示す。 まっすぐな光がボクの行く道を照らす。 重すぎる剣を携えて再びボクは走り出した。 どんな嵐がやって来ても、ボクは走ることをやめない。 飛んでくる瓦礫を剣で払い、阻む壁には渾身の力で剣を振り下ろす。 もう、どんな風もボクをとめることはできない。 ボクは迷うことなく嵐の中をまっすぐに突き進む。 笑う人、困っている人、祈る人の中を・・・ ボクの払った瓦礫の破片があたって怒った人、泣いた人、傷ついた人・・・ それでもボクは向かってくるモノにためらいなく剣を振り下ろす。 一番大事なものを守るために、得るために。 さあ、キミと一緒にチャライプの丘へ行こう。 |
| ビジョンストーリー目次 「人魚姫の贈り物」 真珠とアクアマリン 海鳴りの音があなたの泣き声に聞こえる。 一緒に来た時あんなに優しかった海が、今日は青がどこにも見えない。 暗く白い空に白いしぶきがたたきつけるように舞い上がる。 帰ってきて・・・ 戻ってきて・・・ そばにいて・・・ お願い、返事をしてよ。 何故、何も言ってくれなかったの・・・ 何故、私を怒ってはくれなかったの・・・ わかっていても問いかけてしまう。 黙っていたのは守るため。 怒るよりも一人で耐えることを選んだから。 それがあなたの愛し方。 わかっているけれど・・・ もしも、伝えてくれたなら・・・ もしかして、何か変わっていたかもしれないと思ってしまうの。 未練・・・執着・・・ 言葉ではとても表せない。 悪魔に魂を売り渡してもいい。 鬼と化してもいい。 今があれば・・・今さえ一緒なら・・・ 未来もいらない。 過去の幸せの記憶さえ失ってもいい。 終わってしまえば、海の泡のごとく。 一瞬にはかなくてどうすることもできない。 振り絞るように訴えても、今日の海は答えてくれない。 お願い、教えて・・・ 神様・・・ 私の足が一歩一歩波にのまれて行く。 海鳴りは激しく、潮風がからみつく。 あなたが泣いているの・・・ 聞きたくても聞こえない胸の音。 冷たくて哀しかった指にさえ、もう触れることができない。 私の足が一歩一歩波にのまれて行く。 もう、夢はいらない・・・ 「お母さん、お母さん、白い鳥がたくさんいるよ」 凍りそうな体が跳ね上がった。 振り返ると、あなたがいた。 あたたかい・・・あたたかい、なんてあったかい・・・ 涙がこぼれ落ちる。 抱きしめると、あなたにそっくりなあなたの子供だった。 声を出して笑ったことのないあなたなのに・・・ この子は、キャッキャッと満面に笑いはしゃいでいる。 そう、・・・そうなの。 この笑顔をいつまでも・・・いつまでも消さないように。 私、人魚姫になれなくてごめんなさい・・・ あなたが人魚姫になって海へ帰ったのね。 幼子が小さな貝殻を私の手のひらに乗せて嬉しそうに笑った。 ありがとう・・・ |