ワシ類の鉛中毒根絶をめざして X
ワシ類鉛中毒ネットワーク2002年度活動報告ダイジェスト
ワシ類鉛中毒ネットワークは、オオワシ、オジロワシを始めとする大型猛禽類に発生する鉛中毒を防止する目的で活動している民間の団体です。主に北海道を中心に、ワシ類の生息状況や鉛中毒の実態調査、鉛中毒防止に関する啓蒙活動などを行なっています。
1994年頃から北海道内で多発したオオワシ・オジロワシの鉛中毒死は、エゾシカ猟に使われている鉛ライフル弾が原因であることがわかりました。これが解明されたのが1997年です。1998年には、ワシ類の危機を感じた人々が集まり「ワシ類鉛中毒ネットワーク」を結成して、防止のための活動を始めました。しかしその後も鉛中毒被害は増加を続け、この1998年度に発見された鉛中毒死は26羽にもなりました。この年のワシ類の死亡発見総数は33羽でしたから、ワシ類の死亡原因のうち約80%を鉛中毒が占めるという異常な事態でした。
しかし幸いにもワシの鉛中毒問題は広く道民の知るところとなり、世論の盛り上がりの中、ハンターの間でも鉛片の出ない代替弾への移行を積極的に推進する動きが出てきました。またシカ猟の盛んな市町村では、シカの死骸放置を防止するための回収ボックスを設置したところもあります。このような状況下で、いよいよ本命ともいえる鉛銃弾の使用規制が始まりました。北海道庁は2000年に鉛ライフル弾の禁止を告示し、その後2001年には、一部で使用されていた散弾銃の鉛スラグ弾もシカ猟においては使用禁止としました。
こうして北海道ではシカ猟において鉛銃弾が全面的に禁止されることになりましたが、実際にはその後も鉛中毒の発生は続いています。一部のハンターが規制を守らずに鉛弾を使用している現実があるからです。2002年度に見つかった鉛中毒死数は、最終的に8例となりました。以前に比べれば数は減少傾向にあるものの、一方では新たにクマタカなどでも鉛中毒が見つかったことで鉛汚染の広がりを再認識せざるを得ない状況となりました。
ワシ類鉛中毒ネットワークは、2002年度も鉛中毒防止のために各種の活動を行ないました。その結果を報告します。