契約書 示談書 損害賠償請求 離婚協議書 内容証明書等の権利義務書類の作成専門事務所
 
サイトインデックス  契約書TOP

契約書に関する
法律知識


 法律用語
 民法と商法との関係
 契約とは
 契約の種類
 契約の成立時期
 双務契約の制度
 債権の種類
 債務不履行
 契約解除
 弁済の提供
 商法上での相違点

契約書作成時
の知識


契約書に書くべき最低限の事項
特約の主な条項
署名と記名の違い
ハンは実印か認印か
契約書作成時の注意点
契約書上の押印
念書・覚書・誓約書
公正証書とは

紛争に関する知識


 紛争を解決する手続き(示談書)

 損害賠償請求
 離婚協議書


 お問い合わせ

※行政書士は法律で秘密を守る義務が定められいます。安心してご相談、ご依頼下さい。

 

        ■損害賠償とは                  取扱業務一覧に戻る


 

損害賠償請求の現状

@最近の動向
 最近、損害賠償をめぐる紛争は増加の傾向にあります。このことは皆様の権利意識の高まりとともに、今日に見られるような高度の技術革新、ライフスタイルや価値観の変容、社会・産業構造の変化などにより日常生活においても、紛争が起こりやすい状況が生まれているためと思われます。時代が変容するときは必ず新しい紛争が起こるものです。

A損害賠償金の意味合い
 損害賠償制度は、被害者が受けた損害を填補するのが本来の目的ですが、賠償という加害者への制裁を通じて、二度と不法行為や債務不履行を起こさせないための一種の予防であるという考え方もあります。損害の填補というよりも、反社会的な行為に対する一つの反撃ということの方が重点があるとみます。

 

損害賠償に関わる予備知識

損害賠償とは、他人に与えてしまった損害について、その損害を金銭に見積もって、金銭で賠償することを意味します。

損害賠償請求の根拠は色々あるが、中心となるのは次の2つの考え方があります。

  不法行為 … 故意や過失によって他人に損害を与えた人は、被害者に対し、損害の賠償義務を負う。
           (故意…わざと,過失…不注意)

民法709条
故意又ハ過失ニ因リテ他人ニ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス

  債務不履行 … 債務者が契約を守らずに債権者に損害を与えた場合は、債務者は債権者に対し、損害の賠償義務を負う。

民法415条
債務者カ其債務ノ本旨ニ従ヒタル履行ヲ為ササルトキハ債権者ハ其損害ノ賠償ヲ請求スルコトヲ得。債務者ノ責ニ帰スヘキ事由ニ因リテ履行ヲ能ハサルトキ亦シ

損害の対象となるのは、身体や財産など、物的損害だけとは限らない。慰謝料とは、精神的な損害に対する賠償を意味します。

因果関係とは、「AがあってBがある」といった原因と結果の関係で、損害賠償請求の要件である。

損害賠償のケースは実に様様で「Aの場合はよくBの場合はだめ」といった明確な基準があるわけではない。

【損害賠償(不法行為)の成立要件】
加害者に責任能力者があること(責任能力)
  刑法は、14歳未満の者の行為は罰しないとし、犯罪能力を一定の年齢で線引きしています。
  民法は何歳という画一的な決め方はせず個々の事例で判断されます。裁判では10歳前後の児童について
  問題になることが多く、一般的には小学校を終える年頃になれば責任能力が認められます。
  中・高校生の不法行為は、本人に賠償責任があると考えてよいでしょう。
加害者に、故意または過失があったこと(自己または個人責任の原則、過失責任主義)
被害者の生命・身体や財産などの権利を害されて損害が生じたこと(権利侵害ないし違法性)
故意または過失による侵害行為と損害の発生については、相当因果関係にあること(損害発生との因果関係)
  例)殴られた(故意)から、怪我(損害)をしたなど

【損害賠償(債務不履行)の要件】
 債務不履行とは、当事者が「債務の本旨に従った給付をしない」ということですが、三種の態様があります。
 ・履行遅滞 … 履行が可能なものにもかかわらず、期限を徒過して履行しないこと
 ・履行不能 … 履行が社会の取引観念上不可能なために履行しないこと
 ・不完全履行 … 履行として何らかの給付がなされたが、それが完全でなかったこと
 このような態様があって、さらに次のような要件が備わったとき債務の不履行の責任が生じます。
債務者の責にきすべき事由によること
  不履行が債務者の故意(不履行を生ずべきこと知りながらあえてすること),過失(信義則上要求される程度の
  注意を欠いたために不履行を生ずべきことを認識しないこと)、または信義則上これと同視すべき事由(いわゆる
  履行補助者の故意過失が債務者自身の故意過失とみられる場合がある)によることで、これは民法の「過失責任
  の原則」の表れです。

損害賠償の時効 

債権・請求権など

消滅時効の時期・除斥期間

一般民事債権(債務不履行による損害賠償請求権)

10年

一般商事債権

5年

不法行為による損害賠償請求権

損害及び加害者を知った時から3年,不法行為の時より20年(除斥期間)

瑕疵担保責任による損害賠償請求権

瑕疵を知った時から1年。新築住宅は引渡から10年(除斥期間)

判決、和解調書、調停調書、支払督促・仲裁判断などで確定した権利

10年

 

不法行為あるいは債務不履行による損害賠償のかたちは多種多様で、取引社会、日常生活の場でいつ当事者になって直面するかわかりません。上記の要件が成立すれば損害賠償を請求でき、逆に請求されてしまいます。賠償金の請求とか支払いは経験したことがない人、企業は大変好運です。

 

 

損害賠償額の算定

@損害の種類
  「財産的損害」と「精神的損害」に分けることができます。

 「財産的損害」
  積極的損害 … 所有物の滅失・毀損、治療費の支出など現実に生じた損害(既存財産の減少)
  消極的損害 … ケガをせずに働いていれば得たであろう収入を失ったことによる損害(得べかりし利益の喪失)
             (逸失利益ともいう)

 「精神的損害」の賠償は慰謝料といわれるもので、損害賠償額の算定という点では、抽象的な基準、一般的な考え方
 を示すようになってしまっています。歯切れの悪さを否定できません。
  ・慰謝料の性質
     精神的苦痛、苦しみの価格ということになりますが、私的な制裁と捉える立場もあります。
    今日では、一応損害の填補として金銭に評価し、被害者の単なる主観的感情や苦痛をはなれて、客観化、類型化
    されてきています。

A損害賠償額の具体的算定例

 (基本公式1)
   賠償額の範囲=通常損害+特別損害−債権者・被害者が受けた利益−債権者・被害者の過失割合に基づく損害

 (基本公式2)
   死者の逸失利益=(基礎収入−本人の生活費)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数または
                                  新ホフマン係数(原則としてライプニッツ係数)

 (基本公式3)
   後遺障害による逸失利益=基礎収入×労働能力喪失割合×喪失期間に対応するライプニッツ係数または
                                        新ホフマン係数(原則としてライプニッツ係数)

例)交通事故で死亡した場合の損害賠償額

 [被害者]37歳の男子会社員(3児の父)が交通事故で死亡。基礎収入(死亡の際は事故直前の年収)700万円。

 @積極損害(葬儀費用) …130万円 (130万円〜170万円※具体的に立証必要なし)
 A消極損害(逸失利益)
   ・本人生活費控除率 … 年収の35% (一家の支柱 30%〜40%)
   ・稼動可能年数 … 67歳までの30年間 (原則として67歳まで)
   ・中間利息控除 … 年ごとライプニッツ方式
     700万円×(1−0.35)×15.3724(30年のライプニッツ係数)=6,994万4,420円
   [事故がなかった場合に得たであろう退職金]
   ・事故時支給退職金 … 270万円
   ・定年時(55歳)まで勤務した場合に得たであろう退職一時金 … 2,000万円
   ・中間利息控除後の現価
     2,000万円×0.41552(55歳−37歳のライプニッツ18年の係数)=831万400円
   ・差引逸失退職金 … 831万400円−270万円 =561万400円
 B慰謝料 2,700万円
   
(日弁連交通事故相談センター基準)
     ・死者が一家の支柱の場合 2,600万円〜3,000万円
     ・一家の支柱に準ずる場合 2,300万円〜2,600万円
     ・上記以外の場合      2,000万円〜2,400万円

  合計 130万円+6,994万4,420円+561万400円+2,700万円=10,385万4,820円

  (注1)被害者に過失があれば、過失相殺される。
  (注2)自賠責保険を受け取っていれば、その額は控除される(損益相殺)
 

 

損害賠償の発生するケース

日常の身の回り紛争

他人に殴られてけがをしたり、いやがらせをされたような場合は、民法709条に規定する不法行為にあたり、加害者に対して治療費や慰謝料などの損害賠償を請求できる。
道を歩いていて塀が崩れてけがをしたり、放してある犬に噛まれたような場合も、塀の所有者や犬の占有者に対して賠償請求できる。

買い物・販売・契約

買った品物が欠陥商品だったり、品物を修理に出したのに完全に直らないようなまま戻ってきたような場合は、民法415条の債務不履行にあたり、業者に対して契約の解除や損害賠償を請求できる
請負業者は代金の支払いを受けることで注文者に対し債務が成立し、その履行を完全に行わなかったような場合には業者に賠償義務が生じる
訪問販売・電話勧誘販売等による契約に関しては、商品等によっては8日間以内なら契約が解除できる制度がある。クーリングオフ期間については

金銭貸借と遅延損害金

お金を貸したが期限に返してくれない、といった場合には、貸主は借主に対し弁済の催促をするとともに、遅延損害金を請求できる。
遅延損害金は貸金業者などの場合は約定で定めているが、友人間の貸借などの場合は定めがないことが多く、この場合は私人間の貸借では年5分、商人間の貸借では年6分となる。
なお、契約で遅延損害金を定める場合は、貸出し利息の1.46倍というものが多くなっている。また、遅延損害金を無制限に高利率とすることは禁止されている(利息制限法、出資法)

土地建物の売買・建築請負

土地建物の取引等で取引物件が広告内容や契約条件と違っていたような場合は、売主に対し、契約の解除や債務不履行による損害賠償を請求できる。
住宅の購入後、工事の不備などで地盤が沈下するなど、建物に損害が生じた場合には、分譲業者や工事業者に対し、建て替え費用や修理費用などの損害賠償を請求できる。
不動産業者が関係する取引には、業者の責任を規定した宅地建物取引業法が適用される。建物等建築請負工事に伴う紛争の処理機関として、建設業法に基づく建設工事紛争審査会がある。

土地家屋等の賃貸借

地代、家賃の遅延あるいは不払いがある場合、地主、家主は遅延あるいは不払いの賃料に遅延損害金(民事年5分、商事年6分)を請求できる。滞納あるいは不払いが長期に及べば、契約を解除できる。
借家の場合は、借主が建物を破損したときには損害賠償を請求できる。ニの他、借地借家契約では損害賠償について約定を定めるのが一般的である。
実務では、地代家賃の滞納があれば、一定の期間を定めて催促し、なお不払いの場合には契約を解除することが多い。建物破損の場合には、程度によって解除もできる

生活環境の侵害

隣近所の騒音や振動、建物建築などによる日照権の侵害などの被害に対し、それらの差止めや慰謝料などの損害賠償を請求できる。ただし、相談機関などを利用して解決する方が好ましいことも多い。
慰謝料の額は事例によってまちまちだが、被害者の置かれている生活環境(例えば病人など)が慰謝料額の判定に重要である。
環境侵害では、被害が受忍限度(通常がまんすべきと思われる程度)を超えているかが問題となる。
飛行場等の騒音など、公の営造物による披害に対しては国家賠償の問題となる。

公害

工場や事業所などの騒音や振動、悪臭などの被害に対しては、被害の程度に応じて、差止めや慰謝料などの損害賠償を請求できる。
大気汚染や水質汚濁などの大規模な披害に対しても、その被害をもたらした工場群や企業群を共同体として賠償請求できる。公害紛争処理制度もある。
高速道路、空港、ごみ焼却場、発電所など、公の営造物による被害については、これらを運営管理する国や公共団体に賠償責任がある。
公害の裁判例では、因果関係の立証が難しく、訴訟が長期化することが多い。

婚約破棄・同棲破棄

結納を交わすなどして婚約したのに、一方が正当な理由なくこれを破棄した場合、相手方に対して慰謝料という精神的損害の賠償義務が生じる。また、結納の準備のための家具等の購入費、式場のキャンセル代なども損害として賠償義務が生じる。
同棲破棄の場合、婚姻を前提としない男女関係とされ、これが一方的に破棄されても慰謝料などの損害賠償を請求することはできない。(ケースバイケース)
婚約破棄の慰謝料の額はケースにより違うが、50万円程度が平均額で、式場代や家具の購入等により損害額が高くなる場合もある。

離婚・内縁破棄

夫婦の一方に不貞行為(浮気など)があったために離婚する場合には、離婚原因を作った側へ他方の配偶者は慰謝料を請求できる。また、これとは別に財産分与(夫婦で築いた財産を分けることで、賠償ではない)も請求できる。
内縁破棄の場合も内縁関係を準婚姻関係とみて、不当に破棄した場合には慰謝料・財産分与の請求を離婚と同様に認めている。
慰謝料・財産分与の額はケースによって違い、平均では離婚で約380万円程度、内縁破棄の場合は約200万円程度となっている。

名誉毀損

近隣所で、身に覚えのないうわさを流されたり、マスコミに自分を中傷するような記事を書かれたというように、自分の人格に対する社会一般の評価を低下させられた場合には、名誉権を侵害されたといえ、慰謝料等の損害賠償や謝罪広告の掲載等を請求することができる(民法723条)。
名誉権侵害行為は、その性質上金銭に見積もることが困難であり、また被害者が金銭賠償を得ても毀損された名誉は原状に復するものではない。そこで通常、新聞紙上などで謝罪広告を掲載するといった方法がとられることが多い。

プライバシー権侵害

住居内を覗き見されたり、中での会話を立ち聞きされたとき、あるいは手紙を読まれたり、私生活や個人情報を公開された場合には、プライバシー権を侵害されたといえ、慰謝料等の損害賠償を請求できる(民法710条)。
プライバシー権は、人の内面の名誉感情(プライド)を保護するものとされる点で人の社会的評価を保護する名誉権と区別されている。したがって侵害行為の成立は、社会的評価を低下させられたことは必要としない。また、謝罪広告の掲載等の処分も原則として認められていない。

交通事故

交通事故の損害には人損(死亡事故、傷害事故)と物損(車の破損など)とがある。この場合、被害者は加害者に対して損害賠価の請求ができる。
損害賠償の内容としては、人損の場合、@積極損害(被害者が事故のために直接支払う治療費、葬儀費など)、A消極損害(被害者が直接支払っていない逸失利益など)に分かれ、算定方法は定型化の方向にある。
賠償額は最終的に裁判所の決断だが、一応の目安である支払い基準として、日弁連交通事故相談センター基準がある。

子供の事故

ベビーホテルや保育園などで子供が事故にあったり、子供がいたずらして第三者に損害を与えたような場合は、子供を監督する義務があるものに賠償義務が生じる。
公園など、子供が遊ぶと考えられる施設などの不備や河川、堤防、用水路などの管理が不徹底で事故にあったときは、それら公の営造物を管理する国や公共団体などに対し、国家賠償を請求できる。
子供は注意力、判断力に乏しいため、事故に遭う際も過失があることが多く、賠償額は過失相殺で過失割合により減額される。

学校事故

教師の過失や学校設備の不備などで、授業中や課外活動中などに事故に遭いけがをした場合には、加害者と共に学校に対しても損害賠償が請求できる。
生徒間事故などにおいて加害生徒に賠償能力がないときは、賠償義務者は親権者となる場合もある。
国公立学校での場合は、先生個人の責任は問えず(もっとも、刑事責任を問える場合がある)、学校設置者である国や公共団体が賠償義務を負う。
学校事故では学校体育中の事故が多い。争点は学校側の安全配慮義務、被害生徒の過失割合などが問題となることが多い。

医療事故

誤診、手術ミスなどの医療ミスによって病状が悪化したり死亡したような場合は、医師や病院に対し慰謝料や治療費、逸失利益などの損害賠償を請求できる。
医療ミスには誤診の他に、過剰投薬、検査行為の過誤、院内感染等様々なものがあり、適切な処置を講じなかったという不作為も含まれる。
医療過誤などの損害賠償においては、医師の過失と被害者の結果との間の因果関係、医療水準などが問題となるが、専門的知識のない被害者側にとって立証は非常に困難である。

薬害

医薬品の副作用などによる損害については、製造者である製薬会社に賠償義務が生じる。また、その薬を許可した厚生労働省(国)に対しても、国家賠償責任を追及できる。
薬害についても、被害と医薬品との間に因果関係があることが要件であり、専門分野なため立証が難しく訴訟は長期化する傾向がある。
薬害は一般的に被害者の数が多く、過去の裁判例には、サリドマイド訴訟、スモン訴訟、クロロキン訴訟、予防接種禍集団訴訟などがあり、現在も係争中のものもある。

スポーツ・レジャー事故

スキー場やゴルフ場、スキューバーダイビング教室などの施設や管理の不備、インストラクター等の過失で事故にあったような場合は、業者に対し、損害賠償を請求できる。
業者は利用者が安全にプレーできるよう注意を尽くす義務があり、これに違反して事故が生じたときは、債務不履行として賠償義務が生じる。
 スポーツ事故では被害者にも過失のあることが多く、賠償額は過失相殺で披害者の過失割合によって減額されることが多い。過失割合と業者の安全配慮義務がしばしば問題となる。

知的財産権侵害

知的財産権には、エ業所有権といわれる特許権、実用新案権、意匠権、商標権(商号・サービスマークも含む)と小説・音楽・絵画などの作品に対する著作権があり、特許法、著作権法等の関連法によりそれぞれ精神的創作物を保護している。
これらの権利の侵害に対しては、製造、販売等の侵害行為の差止請求や損害賠償を請求でき、著作権の侵害については刑事罰が課されることもある。
賠償額は、例えば特許権侵害の場合は侵害者が侵害行為で受けた利益の額を損害額と推定するとしている(特許法102条l項)。

労働災害

職務上において災害にあった場合は、被害者の過失を問わず、労災保険から災害補償が給付される。
使用者には労働者の安全を確保するための義務(安全配慮義務)があり、業種や作業によって細かく定められているもの(労働安全衛生法等)もあるが、これに違反していたような場合は、使用者に対して損害賠償を請求できる。
損害賠償の額は、労災保険の給付があったときはその分減額される。
過労死の労災認定は、申請者の1割程度が認められているのが現状である。

不当労働行為

特段の理由もなく不当に解雇されたような場合は解雇撤回とともに、休業中の賃金や慰謝料などの損害賠償を請求できる。また、組合に入っていることを理由に賃金や昇格などの差別を受けたような場合も、その回復とともに、賠償請求できる。
使用者と被用者の関係については、労働基準法や労働組合法等に細かく規定されており、例えば解雇等についても、正当な解雇事由、解雇予告の期日、解雇予告手当の支給などが定められている。使用者が諸規定に違反して不当労働行為に及んだ場合、使用者は損害賠償義務を負う。

セクシュアルハラスメント

職場において異性から性的暴行や性的いやがらせを受けた場合は、不法行為にあたり、加害者に慰謝料を請求できる。
どこまでの行為が不法行為となるかは明確な基準はなく、披害者が不快と思っただけで行為が成立すると考えるのは行き過ぎで、客観的に誰もが不快と感じるのが基準である(厚労省が具体的に示した指針がある)。事例について個別的に、事実を検証しながら慎重に判断されるべきものである。
慰謝料額は事例により様々だが、過去の裁判例では1千万円を認めたものもある。

企業犯罪

企業犯罪といわれるものには、独禁法違反、証券取引法違反などがあり、市民生活との係わりがあるものは悪質商法(金のぺ−パー商法、催眠商法等)だが、会社ぐるみで大規模に行われていた例も多くある。対抗方法としては、クーリングオフによる契約解除、公序良俗違反や錯誤を理由とする契約の無効主張や詐欺、強迫による契約の取消し、消費者契約法による契約の取消しの方法などがある。
損害賠償の請求方法は、債務不履行に基づく場合と不法行為による場合が考えられるが、債務不履行の方が立証しやすい。

製造物責任

電器、自動車などの製品の欠陥により、消費者が生命、身体、財産に損害を受けた場合、製造者を相手に損害賠償を請求できる。
例えば、電器製品の欠陥でやけどをした場合にはその製品が不良品だったための損失とやけどの治療費、慰謝料等も請求できる。
しかし、民法の不法行為による責任追及となるため、製造者の過失の立証がかなり難しいという問題がある。そこで、消費者保護の立場から、製造者の無過失責任を制度化した製造物責任法(P L法)がある。

犯罪被害と救済

放火や殺人、暴行など犯罪事件の加害者は刑事責任を負うとともに、被害者やその家族に対して、民事上の賠償責任を負う。しかし、加害者への賠償請求に関しては、支払い能力がないことが多く、なかなか難しいのが現状である。
殺人・傷害等の凶悪犯罪に遭い死亡、障害、一定の傷害を受けた場合は、被害者や遺族に対し犯罪被害者給付制度により、また、警察官に協力し不慮の災害に遭い、死亡、重大障害を負った者には「警察官の職務に援助協力した者の災害給付に関する法律」によりそれぞれ給付がある。

犯罪被害

被告人(加害者)と被害者との間に損害賠償の請求など民事上の争いについて合意が成立した場合、刑事事件が係属している裁判所に対し双方共同で和解の申立てができる。それが公判調書に記載されると裁判上の和解と同−の効果が認められ(債務名義)、改めて民事訴訟を起こさなくても強制執行ができる(犯罪披害者保護法4条)。
確定前の公判訴訟記録は原則として閲覧できないが、被害者が加害者に対し損害賠償請求等をするために必要など正当な理由がある場合には、閲覧・謄写することができる(同法3条)。

えん罪と刑事補償

えん罪などで不当に起訴され拘禁された人に対しては、刑事補償法により補償が認められている。
逮捕拘禁されたが、嫌疑不十分で起訴されずに釈放された場合は、法務省訓令「被疑者補償規定」により補償される。また、少年事件でも補償がある。
補償金額は1日あたり1000円以上1万2500円以下の範囲内で決定される。
逮捕そのものは合法であっても、その後の取り調べや拘留が違法で、身体的あるいは精神的損害を受けたような場合は、国家賠償として慰謝料などの損害賠償を請求できる。

行政責任と国家賠償

警察官による不当逮捕や登記官の過失など、公務員の職務上の故意過失によって受けた損害については、公務員個人の責任を問うことはできない。しかし、使用者である国や地方公共団体に対して国家賠償を請求できる(国家賠償法1条1項)。
薬害や公害、事故などで、国(各所管省庁)が本来の行政権限を行使して指導監督していれば防げたといえるような場合には、その不作為に対しても国の過失として国家賠償を請求できる。
国などが相手の裁判では、資力の面からも個人にとっては困難といえる。

公の営造物と国家賠償

河川や海岸の堤防決壊による水害、空港騒音・振動、高速道路の排ガス公害など、公共の営造物の不備などで損害を受けた場合は、国や公共団体に対して国家賠償を請求できる(国家賠償法2条1項)。
公共の営造物とは、道路、国立公園、県立公園、港湾、水路、公立学校、鉄道など、国や県、市町村その他公共団体が管理するもので、多岐にわたる。
国家賠償では、公共性と受忍限度、国側の過失の立証などが問題となる。
過去の裁判例も長期化するものが多く個人にとっては非常に難しいといえる。

↑本ページのTOPへ

TOP] [取扱業務一覧] [行政書士とは] [業務依頼の流れ] [報酬額] [お問い合わせ]

 


 当サイトの著作権は行政書士 大竹隆弘事務所が保有しております。当サイトの内容の全部または一部を許可なく転載しますと法律で罰せられます。

<免責事項>
当サイトの内容につきましては十分な注意をいたしておりますが、万一損害が発生した場合でも当方では責任を負いかねますので、各自責任でのご活用をお願い申しあげます。
大阪府行政書士会会員・・・ 大阪府行政書士会三島支部所属・・・行政書士 大竹事務所・・・大阪府高槻市