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商法上の相違点

前頁まで解説した事項は民法上の規定です。商法上で異なる点等をいくつか下記に示します。(これが全てではありません)
企業対企業の場合は、商法が優先されることは先に述べた通りです。
 
 契約の成立時期
 

契約の成立には契約書の作成が必要だという立証可能な商慣習が存在するか、または、商談の過程において「契約書作成の時を以って契約成立の時とする」という合意がある場合を除いて、原則として口頭で申込み・承諾がなされた時が契約成立の時期になります。
法律では、意思表示が発せられると直ちに了知できる地位にあるものを対話者といい、そうでないものを隔地者という区別をしますが、これは土地の隔たりとは関係なく、単に発信と受信とが同時に行われるか否かを問題にしているものです。商取引では、電話を含め対話によって商談を進めることも非常に多いわけですが、もしその対話の中で申し込みと承諾による意思表示の合致(合意)があれば直ちに契約は成立し、また被申込者が直ちに承諾を与えなければ、その申し込みは失効することになっています。(商507条)
隔地者間において、承諾の期間を定めない契約の申込みについて、その申込みを受けた者が「相当の期間内」に承諾の通知を発しないときは、申込みはその効力を失います。ここで「相当の期間内」とは場合によって異なりますが、原則的には、被申込者の考慮期間と通信期間とを意味するとされています。もっとも相当期間経過後に発した承諾は、初めの申込者においてこれを新たな申込みとみなすことができ、これに承諾を与えれば契約を成立できます。

 継続的取引における留意点
 

商人が平常取引をする者から、その営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく諾否の通知を発することを要し、もしこれを怠った場合は、申込みを承諾したものとみなされます。(商509条)

平常取引をする者…

かなり継続的な取引関係を結んでいるものを指し、商人間に以前1,2回の売買取引があっても、これをもって直ちに平常取引をする者と断定することはできないというのが判例です。

商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において、申込みと同時に商品を受け取った場合は、申込みを拒絶した場合であっても、申込者の費用を以ってその商品を保管する必要があるとされています。ただし、その商品の価額が、その保管費用を償うのに足りないときはその限りではありません。
これらの商法の規定は、ともに民法の一般理論に対する特則であり、商取引の敏活と信用とを重視することに基づくものです。
売買契約の申込み・承諾の内容は、品名、単価、数量の3つの事項につき合意がなされることを要します。ただし、平常取引を行っている相手方の場合には、単価については、特に意思表示を行わなくとも、黙示の意思表示により合意がなされたものとみなされます。

 瑕疵担保責任
 

民法の規定では、売買の目的物に隠れた瑕疵があれば、買主がそれを知った時から1年間請求することができることになっていますが、商人間の場合においては、商人たる買主の職業的専門知識の豊富さと、商取引の迅速な決済の必要性から、買主に「目的物検査および通知義務」を課しています。
すなわち、買主が売買の目的物を受け取ったときは遅滞なく検査をし、もしこれに瑕疵または数量不足を発見したときは、直ちに売主に対して通知を発しなければ、売主がその瑕疵または数量不足を知っていた場合を除き、担保責任に基づく請求をすることができないと定めています。
「直ちに」とは、概ね7日以内というのが通説です。しかし、専門的知識を有する商人の通常の注意をもってしても発見できないような場合は、例外的に買主が目的物を受け取った後、6ヶ月以内に通知すればよいことになっています。

 法定利率
 

売掛債権の支払が滞ったとき、遅延損害金はいくらまで取れるかということについては、明文の規定はありません。
ただし、民法によれば「金銭を目的とする債務の不履行については、その損害賠償額は法定利率によりこれを定める。但し約定利率が法定利率を超えるときは約定利率による」ものとされています。
法定利率は、民事については年5分,商事については年6分と決められていますが、約定利率については、民法・商法とも明文の規定はありません。
ただ、売掛債権が焦げつき、貸金債権に切り換えれば、「利息制限法」の適用を受けることになります。

 保証人
  一般に、保証には単純保証と連帯保証とがあり、後者のほうが前者よりも強力な保証です。
商取引では、ただ単に保証人という肩書きで保証をとっても、商法解釈上、連帯保証をとったことになります。
「債務が主債務者の商行為によって生じたとき及び保証が商行為となるときは、連帯保証とする」(商511-2)

単純保証と連帯保証の違い

@

「催告の抗弁権」があるか否か
もし債権者が保証人に支払いを求めてきても「主債務者に請求してくれ」といって一応請求を断る権利

A

「検索の抗弁権」があるか否か
主債務者に催告したが、やはり保証人支払って欲しいと言われたとき「主債務者の財産に対して強制執行してみてくれ」ということができる権利

B

「分別の利益」があるか否か
保証人が数人いると、各保証人は債務額を保証人の数で均等割りした額だけの責任を負えばよい

 

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大阪府行政書士会会員・・・ 大阪府行政書士会三島支部所属・・・行政書士 大竹事務所・・・大阪府高槻市