三浦聖さん 聖画を語る(小樽福音キリスト教会員)

「描くことを通して神様の栄光を現したい」
 愛用の聖書を開く。静かに祈る。「創作のイメージが深まるように」。聖書を題材にする「聖画」を描く前に、聖書を読むことと祈ることは、自らに課している神様との約束だ。「描くことを通して、神様の栄光を現したいと願っているのです」。

 小樽生まれ。5歳のときに、そりで遊んでいるときに過って川に落下。その後遺症で耳が不自由になった。さらに「いかに生きるべきか」という人生の根本的な悩みを抱え、仏教や哲学に関心を深めたときもあった。「真剣に生きる目的を求めて、たくさんの本を読みましたが、解決しませんでした」。好きな絵を描くときだけが悩みを忘れるときだった。

 転機は20歳のときに訪れた。クリスチャンの姉の部屋で見たキリスト像に心を奪われた。威厳とやさしさを兼ね備えた風貌。「心が吸いつけられるように感じた。この人は普通の人ではないと直感しました」。 姉がくれた聖書を読むようになった。その後、キリスト教の集会で、「すべて疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタイによる福音書1128節)「あなたがたがわたしを選んだのではありません。わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。それはあなたがたが行って実を結び、そのあなたがたの実が残るためであり、またあなたがたがわたしの名によって求めるものは何でも、父があなたがたにお与えになるためです」(ヨハネによる福音書1516節)という聖書のことばに出会い、23歳でクリスチャンになった。「イエスさまが人生の荷を負ってくださることと、生きる目的は神様の栄光を現すことを知り、心が本当に軽くなりました」。
テキスト ボックス: 祈りつつ筆をとり、聖画の制作を進める三浦さん


三浦さんの作品「ラザロの復活」右下に聖書では登場しな い子供が描かれている。

      


 東京で神学校に7年間通った後、子供のころから好きだった絵を描くことを通して神様を伝えようと、美術専門学校や画家の下で2年間、絵画の基本を学んだ。33歳のときに、小樽に戻り、画家として出発。小樽運河などの風景画や静物画を描いてきたが、徐々に制作の重心を聖画に移している。キリスト教文化が根付いていない日本では聖画は人気がない。しかし、運河よりも描きたいものがあるという思いをとどめることができないからだ。「絵で神様のすばらしさを伝えるという信仰の初心に帰ろうと思います」。

 死んだラザロをイエス・キリストがよみがえらせた「ラザロの復活」をテーマに聖画を描いたとき、奇跡に驚嘆する人の間に、聖書には出てこない子供を書き加えた。「イエス様をまっすぐに見つめる幼子の姿を描くことで、奇跡よりも大切なことがあることを伝えたかったのです」。

 聖書の一場面を絵に置き換えるだけではない、メッセージ性のある聖画。信仰と制作が一体となった世界がここにある。


三浦さんの信仰の
きっかけとなった
キリスト像
(ホフマン作)
テキスト ボックス: 画歴1950年小樽生まれ 聖契神学校卒。東洋美術学校に学ぶ。森康夫に師事。二科展 道展入選 市展NHK賞
好きな御言葉 「また、あなたがたの手足を不義の器として罪にささげてはいけません。むしろ、死者の中から生かされた者としてあなたがた自身とその手足を義の器として神にささげなさい。
(ローマ書6章13節)

三浦聖兄作成の切り絵(2004年)

三浦聖兄作成の切り絵(2005年)

三浦聖兄作成の切り絵(2006年)

三浦聖兄作成の切り絵(2007年)

三浦聖兄作成の切り絵(2008年)

三浦聖兄作成の切り絵(2009年)