Sings the Music of the Pianist Wladyslaw Szpilman (Hip- O / 440 066 534-2) US CD

01 . Fall in Love Again (Lyrics by Michael Ruff)
02. Turn Away
(Lyrics by John Leftwich)
03. I Wish You'd Ask to Dance with Me
(Lyrics by Arthur Schlosser)
04. Dancing with Antonio
(Lyrics by Larry John McNally)
05. Someday We Will Love Again
(Lyrics by David Batteau)
06. Without You
(Lyrics by Michael Ruff)
07. I'm Set You Free
(Lyrics by David Batteau)
08. True And Tender
(Lyrics by Wendy Lands & Jim Gillard)
09. Smoke And Mirrors
(Lyrics by Shira Myrow)
10. Prisoners of Evening
(Lyrics by David Batteau, John Leftwich)
11. My Memories of You
(Lyrics by David Batteau)
12. Hold Me a Moment
(Lyrics by John Leftwich)


Produced by John Leftwich
Engineered by
Mike Kapitan, John Leftwich at Leftway Studio, Studio City, California

Musicians
Mitchell Holder :
Electric & Acoustic Guitars
Jeff Pevar :
Electric & Acoustic Guitars, Lap Slide Guitar
Ricardo Silveira :
Acoustic Guitar
Hieior Pereira :
Acoustic & Electric Guitars
Larry Tradwell :
Electric Rhythm Guitar
Greg Leisz :
Lap Slide Guitar
John Leftwich :
Acoustic Bass, Cello, Synthesizers, Piano, Background Vocals
Renato Neto :
Piano
Kendall Kay :
Drums
Tony Humeke :
Drums, Electric Percussion


 映画「戦場のピアニスト」でナチス支配下のポーランドでの苦難が描かれたウワディスワ・
シュピルマンの作品に新たに歌詞をつけて歌ったアルバムです。
 アラニスの亜流としてしか扱われずパッとしなかった彼女とシュピルマンの組み合わせは
予想外でしたが、これ以上ないという好結果を生んでいます。
前のアルバムではアラニスと比較されるようなちょっと荒くれた部分もありましたが、
ここではより抑制されたもののとなりリッキー・リー・ジョーンズのアバズレ感と
ヴァレリー・カーターの色っぽさ、ジェニファー・ウォーンズの誠実さをミックスしたような
実にチャーミングな歌声を聴かせてくれます。
オリジナルがピアノ曲であるにもかかわらず、ピアノはほとんど使われず、アコースティック・
ギター中心のアレンジも斬新で、単なる懐古趣味音楽とはならずに、シュピルマンの音楽に
新たな息吹を与えています。
ジョニ・ミッチェッルなどで知られるラップ・スティール奏者グレッグ・リース
ダン・ヒックス&ホット・リックスのバイオリニスト、シド・ペイジ等が参加して
おり、プロデュースはリッキー・リーのバックもしているジャズ・ベーシトの
ジョン・レフトウィッチです。
どうせならもっと有名歌手を使ったほうがセールス的にも有利なのに、なんで無名の
ウェンディが選ばれたのかと言えば、それは、ウェンディが情念、それも「念」の
部分の表現に特別な才能があるからでしょう。表面的には優しく美しい、シュピルマン
のメロディの裏に隠された苦悩、悲哀といったものを引き出すには彼女が最適と
思われます。リッキー・リー、マリア・マルダー、ダン・ヒックス&ホット・リックス
を初めて聴いた時と同じショックを感ずるアルバムです。ノラ・ジョーンズにリッキー・リー
を見いだすことに納得できない人もこのアルバムを聴けば満足できるでしょう。
歌詞をAORファンにはお馴染みのマイケル・ラフラリー・ジョン・マクナリー
デイヴィッド・バトーが書いているのもファンには興味深いです。

 (1)はエイモス・ギャレットのギター・ソロがあればさらに言うことなしと思える
ジェフ&マリア・マルダー
の「
Lover Man」のような雰囲気の曲。(3)はシド・ペイジ
のバイオリンが活躍するダン・ヒックス&ホット・リックス調のウェスタン・スウィングで
ドリーミー。(5),(8)で
ジェニファー・ウォーンズのように声を裏返してみせるのがまたチャーミング。

Wendy Lands