Ghost Stories (Sony BMG / 82876 73797 2) Canadian CD
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01. Ghost of you
02. All I Can do
03. Spoke in toungues
04. Mad about you
05. So cold
06. Waiting for the sun
07. You blame yourself
08. Grow up so fast
09. Wonderful
10. Asylum
11. Wendy house
All Songs are co-written by Chantal Kreviazuk and Raine Maida, except (4), (5) by Chantal Kreviazuk
Produced and Engineered by Rain Maida
Musicians
Chantal Kreviazuk : All Vocals , Piano, Bass on
(9)
Earl Harvin : Drums on (1), (2), (11)
Randy Cooke : Drums, Percussion on (1), (3), (4),
(5), (6), (7), (11)
Chris Chaney : Bass on (1), (2), (11)
Jason Lader : Bass on (3), (6), (8)
Raine Maida : Bass on (10)
Lenny Castro : Percussion on (1), (2), (11)
Trey Henry : Upright Bass on (1), (4), (5), (7)
The Section Quartet : Eric Gorfain, Daphne Chen,
Leah Katz, Richard Dodd
これまでの製作ペースより1年遅れた4年ぶりの4作目です。有り余る才能の持ち主ですが、それが、自身の手に余るというか
手に負えなくなって来ているのでないかというのが、第一印象。
ギターを全く使わず、キーボード、ベース、ドラムスを軸にストリングスが多用されるという珍しい構成になっています。
打ち込みのダンス音楽などでは、ギターを使わないということはありますが、ロック系で、ピアノの弾き語りでなく、ドラムのビート
を際立たせながらもギターを全く使わないアレンジは通常では考えられません。私がギター好きであるということもありますが、
その隙間を埋めるべく登場するストリングスの響きには、違和感を持ちます。まあ、不安感、不安定感を強調するという点では
効果的ですが。
デビュー以前に交通事故で生死の境をさまよったり、親しい人物の死に立ち会ったりした経験から、生に対するエナジーに
溢れる詩と曲を彼女は生み出してきました。しかし、出産という新しい生命に接するイベントを経験しているにもかかわらず、
どうしたことか、このアルバムでは、死や喪失のイメージが全般に漂っています。これまで、弱っている人の支えとなることは
あっても、自分が人に頼るという感じはありませんでしたが、どうも今回は弱気になっているように思えます。
「Wonderful」では、「私は、この世でひとりぼっち」と歌っています。「Ghost
of You」では「永遠に生きたくはない」と歌っている
と同時に、「Grow Up so Fast」で「どうしてそんなに早く成長しなければならないの?」、また「So
Old」で「私たちは、いつそんな
に年をとってしまったの?」、「You Blame Yourself」では、「どうして冬がそんなに長いのか判らない」などと老い先短い年寄りみ
たいなことを言っています。何か疲れ果ててしまっているようですけど、「Waiting
for the Sun」では「悲しい、悲しい世界だけど、
太陽が輝くのを死ぬ日まで待っている」と多少前向きな姿勢も見せてはいるのが救いです。
また、「Asylum」では、「Word on the Wire」という表現が見られますが、これはカナダ人シンガー・ソングライターの大先輩である
レナード・コーエンの代表曲「Bird
on a Wire」を意識した言い回しと思われます。歌詞からは「インターネット上の言葉にはもううん
ざり、白黒はっきりしているけど、なんて容易く消えてしまうものなの」と解釈できるので、この場合の「on
the Wire」は「インターネ
ット上の」という意味で使われていると思います。9.11以降に、特にネット上で蔓延するテロリスト・イコール悪、合衆国・イコール正
義という単純化された二元論で世界が語られてしまう風潮に辟易しているのか。
アメリカで暮らしてはいるものの、カナダ人として一歩下がったところから客観的に合衆国の立場を論評したりしたことが、極端に
愛国的となっているアメリカ人たちから叩かれでもしまったのか。この曲だけでなく、全体を通して、社会に対する絶望や疎外感
が強く感じられアルバムです。
Chantal Kreviazuk Discography