資産運用にあたっての最重点確認項目。最重点項目は、価格変動リスクではありません。
不動産の場合、所有不動産を売却しようとしても、即刻売れない場合が殆どだと思います。時価相当の例えば、1/3ならそれほど時間がかからずに売却可能でしょうが、この場合も山野とか原野の場合はそもそも時価そのものが相当幅があるものと思います。
日本の公開株式の場合、証券取引所営業中ならば原則市場価格で即刻売却できます。ところが、時価総額が少ない株式で売却株式数が市場取引数対比相当数に及ぶ場合、@売却困難な場合、或いはA売却できたとしても価格が大幅に低減してしまう場合もでてきます。このため、機関投資家は、時価総額基準で投資対象を限定する場合が多くあります。
海外証券取引所上場株式への場合、その国の当局が為替取引を中止してしまえば、その代金の国外持ち出しが不可能となります。先進国の場合、蓋然性は低いと思いますが、新興国の場合、可能性はあります。
投資信託或いはファンドの場合、換金性につき、目論見書に記載があります。
@その投資信託の設定地によりその設定地の休業日は通常取引はできません。日本の金融機関で購入した場合、日本の休業日には取引できないことは通常理解されていると思います。その他その投資信託の投資対象の取引地が休業日である場合も取引はできません。
Aその投資信託固有の規定として、月1回の特定日のみ解約を認める場合、四半期に1回のみ解約を認める場合、当初6ヶ月間の解約を認めない場合など、いろいろ規定があります。これらは、投資し信託の運用を安定させるため任意の解約を制限し資金の流失を防止しようとするものです。さらには、目論見書にその旨が規定される場合、事情により、解約禁止を途中で設定する場合もあります。
債券の場合、取引は通常、投資家と金融機関との相対取引となります。個人投資家が買った債券はその金融機関での保護預かりとなるのが通常です。この場合、その金融機関の資産とは分別管理されていますから、資産管理上は問題ありませんが、売却取引事態もその金融機関とすることが予定されることになります。相対取引の場合、その売値と買値の差額が金融機関の収益となりますので、その差額の程度が流動性の問題となります。売値と買値が1円の相違なのか、50銭の相違なのかという問題です。通常買ったその日に売ることはないでしょうし、償還まで保有すれば関係なくなりますから、この部分を余り気にしなくてもいいかもしれませんが、意識としてはもっておくべき事柄だと思います。さらに相対取引固有の問題として、他の金融機関のほうが買値が高い場合にそれを選択できないこととなります。他の金融機関へ保護預かりを移してその金融機関へ売却することも可能ですが、これには手間と時間がかかります。外貨建債券の場合、海外証券取引所上場株式と同様為替取引上の制約要因が発生する可能性があります。
ここで申し上げたいことは、資産運用は、運用である限り、最終的に最も流動性の高い現金へ戻して初めて資産運用は完結することを「認識」していただきたいということです。ただし、現金自体は収益を生みません。元本が完全に保証されている銀行の決済性預金も収益は生みません。その他の銀行預金は、一金融機関につき元本1,000万円及びその金利に関するかぎり預金保険の対象で保護されます。
尤も、現金自体がその価値を減じることもあります。インフレの場合、物の価値が上がり、現金の価値が下がります。国の歳入が歳出を上回りその穴埋めのために国債を発行します。中央銀行がそれを市中から吸収し続けると、その対価としての通貨供給量が増え、お金の価値が下がることにつながります。インフレです。
この場合の対処としては、現物資産(不動産、金、商品など)或いは海外株式などへの資産分散しかないと思います。
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