正多面体クラブ

鏡の中のサッカーボール

三角錐の鏡の中にビー玉を1個入れてみると…ビー玉がいっぱい!全部で20個のビー玉が見えます。ビー玉は五角形の集まりで、正12面体に相当する立体になっています。 正三角形のプラスチックの板を入れてみると…正三角形が20個で、正20面体が映し出されます。 正三角形のスチレンペーパーの角を三角形に塗って入れてみると…ほら、サッカーボールに見えるでしょ!

用意するもの

作り方

ポリカーボネイト・ミラー板から二等辺三角形(底辺90mm,高さ72mm)を3枚、切り出します。 厚さ0.5mmのポリカーボネイト板はハサミで切ることができます。 この三角形は正三角形に近い形ですが、正三角形ではありません。 ですから貼り合わせるときの目印に、二等辺の頂点にマークを付けておきます。
※「ハサミで切ることができます」と書きましたが、真っ直ぐに切れていないと、キレイな像が映りませんので、カッターと定規で切る方がお薦めです。また、カッターで切る場合はポリカーボネイトミラーの裏面(青い面)からカットするのではなく、保護シートが貼ってある面からカットします。カットするといっても、一回カッターで切り込みを入れるだけです。切り離してはいけません(カッターを2,3回引かないと切り離せませんが)。切れ込みを入れておいて、後で折り曲げれば切り離せます。

二等辺の頂点に付けたマークが集まるように三角形を並べて、セロテープで貼り合わせます。 貼り合わせるとき、三角形の間に0.5mm程度の隙間を空けておきます。この隙間は三角錐に折り曲げるために必要です。
※または、ビニールテープでぴったりと隙間なく貼り合わせ、そのあと折り紙を折るように折り曲げれば、適度な隙間が空きます。

三角錐に貼り合せる前に、鏡の表面の保護シートをはがしておきます。

三角錐になるように折り曲げて、セロテープ(またはビニールテープ)で張り合わせます。 これで出来上がりです。三角錐の鏡の中に色々な物を入れてみて、どのように見えるか試して見ましょう。

おはなし…

このミラーは三角錐(さんかくすい)の形をしていますので「錐体鏡(すいたいきょう)」です。で、「万華鏡」の一種です。万華鏡の鏡って何枚あるか知ってますか?
こちらをどうぞ→ 万華鏡の仕組み(合わせ鏡)
万華鏡の鏡は(普通は)三枚です。で、三枚の長方形の鏡ですと、鏡に映る像が「無限」に繰り返されます。ところが鏡の形を「台形」や「三角形」にすると、鏡に映る像が「有限」になります。
「鏡の中のサッカーボール」の錐体鏡では、鏡の中に映る像は実体も含めてちょうど20個です。なので、正三角形のプラスチックの板(面)を入れると「正20面体」が映し出されるのです。 また、ビー玉(頂点)を入れると「正12面体」に相当する立体が映し出されます。
一つの錐体鏡で、中に入れるものを正三角形(面)とビー玉(頂点)で入れ替えると、鏡の中に映る像が「正20面体」と「正12面体」で入れ替わりました。
正12面体⇔正20面体で、面と頂点を入れ替えると互いに入れ替わる性質のことを「双対(そうつい)」と言います。

サッカーボールは「切頂20面体(せっちょうにじゅうめんたい)」という形です。正20面体の頂点を切り落とした形なので、正三角形の面の角を三角形に塗ったものを入れると、サッカーボールに見えるんです。

※万華鏡の一種に「テーパードミラーの万華鏡」と言うものがあります(「テーパード(tapered)」とは、先がしだいに細くなることです)。これは台形のミラーを使ったもので、覗くと球形の像が見えます。 で、この台形の短辺をさらに短くしテーパー(taper)をきつくしていくと、球体上の三角形の面の数はどんどん減ってきて… 台形の短辺ゼロ⇒三角形にして、さらにある特別な三角形にすると、球体上の正三角形の像が重なり合うことなくピタッと20枚になり、正20面体を映し出すようになったのが「鏡の中のサッカーボール」の錐体鏡なのです。
※「ある特別な三角形」と書きましたが、その三角形は上の「作り方」に書いた三角形です。正三角形ではありません。昔、苦労して計算して求めた値です(正20面体の中心と、正三角形の面の一つとを結んだ三角錐 です)。今もう一度計算しようとしても(10年も前に計算したので)再計算は困難かも(^^; そのときは正20面体の他に、正4面体,正8面体,正6面体,正12面体の錐体鏡も作りました。それらの錐体鏡の三角形のサイズは〜 記録が見つからない…