それはすべて、
 
いつか夢で見たことのある光景。

 私の創作のインスピレーションは、ずばり、です。
夜眠っている間に見た夢を忘れぬうちに日記に書き付ける、これが夢日記です。
何年か前に、とてもリアルな夢の体感に驚いてから、習慣となりました。どんな映画を見るより面白く、アイディアとイマジネーションにあふれています。そして夢の手触りのようなものを何とか現実に持ち帰れないか、他の人に見てもらうことはできないか、ということをテーマに写真を撮り始めました。

 私の見る夢はどちらかというと、あまり楽しいものではなく、不思議でコワク、ちょっと少女趣味な可愛さで出来ています。私自身が今きびしい生活状況にあるということと、コワイ夢のほうが印象に残るからということがいえるからかもしれません。美少女天使などは私が夢見て叶わなかった理想の象徴。フリークスな人形やコンプレックスなボディを持つのは、私の愛しい夢魔たち

 なぜ写真を表現手段に使うのか、写真は現実にあるものしか写せないのだから不適なのでは?
とお思いでしょう。眠っている間に見る夢は意外と生活感とリアリティがあり、人間関係なども現実に近いものがあります。私は夢の世界に家を持っていて、「ああ、ここには来たことがある。この人には会ったことがある!」と何度も思います。まるで2つの世界を行き来しているような感覚です。

 それとは逆に写真には「今できること」という制限があるからこそ、創作の面白みがあるように私は思います。そして、撮影場所やモデルやモチーフを選んでいく過程で忘れていた夢の感覚を積み上げていく、そのデジャヴュ感と完成までのスピードが私の性にあっているということ。モデル、モチーフから受ける新たなるイメージも大きな要素です。

 写真はシャッターの瞬間だけの虚空の世界、それは現実だけど、現実じゃないのです。いかに私の仕掛けたエフェクトに今の時間を引き込むか、それが私の腕の見せ所なのです。デジタル加工ということに興味を持ったこともあるのですが、手作りの皮膚感覚というのが、最も私に必要だということに気づきました。

もう少しアナログにこだわって写真を撮っていくつもりです。

石田 千帆 写真集
夢日記

長〜い潜伏期間を経て、活動開始!
梅雨明けとともに、やっと、更新いたしました。