APT for RPM [APT-RPM] 導入の方法について(Fedora Core 1 編)
はじめに
「APT」とは、Advanced Package Toolの略で、Linuxのパッケージ管理〔プログラムの追加や削除〕を行ってくれる便利なツールです。WindowsのUpdateは、今使っているパソコンに必要なファイルをウェブサイトから自動的にダウンロードしてOSの更新をしてくれます。それに相当する働きを持ちます。もともとDebian Linuxのために開発されたツールでしたが、その後ブラジルのConectiva社によってRPMパッケージの管理も出来るように移植され、現在ではFedora Linuxでもパッケージ管理ツールとして利用できるようになっています。RPMを管理する機能を備えていることから、一般にapt for rpm あるいはAPT-RPMと呼ばれています。
APTを利用することのメリット
Red Hat社では、RPMパッケージを自動的にダウンロードし最新に更新してくれる「up2date」という無料のサービスを提供しています。しかし、サーバーの容量が十分でないため、混んでいるとアクセスすることができないという問題が生じます。さらには、「up2date」はパソコンにすでにインストール済みのRPMの更新を行うことだけが目的なので、このサービスでは新規にプログラムを追加するということは出来ません。
そこで、別のプログラム(RPM)を追加したり、あるいはインストール済みのものを削除する場合には、個別に作業する必要が生じます。この作業で、RPM管理上の最も厄介な問題とされている「依存関係の問題」に悩まされる場合が出てきます。あるプログラムが単独でインストールや削除を認められている場合には何ら問題はありませんが、依存関係にあって、あるプログラムが別のプログラムの追加を必要としていたり、これから削除しようとするプログラムが別のプログラムで必要とされている場合には、システムを保護するためのエラーメッセージが出て、作業は強制的に中断させられます。エラーメッセージに従がって他のプログラムを追加するなり削除するなりして、依存関係が正しくなるように解決しなくてはなりません。多数のプログラムが依存関係にあることも珍しくありません。
こうした依存問題を気にせず、自動的にプログラムの追加と削除を行ってくれる便利なツールが、このAPTと呼ばれるものです。
このAPTを利用すれば、up2date の開始に当たってRed Hatのサイトに情報を登録するという手間も要らなくなります。
1.APTのRPMパッケージの入手
Fedora Linux Projectのウェブサイト http://www.fedora.us/wiki/FedoraHOWTO からファイル名「apt-0.5.15cnc1-0.fdr.3.1.i386.rpm」(Fedora Core 1の場合)を任意の場所にダウンロードします。(ここでは、ルート・ディレクトリーにダウンロードしたものとして、以下説明します。)ダウンロードサイズは、789KBです。
【md5sum: apt-0.5.15cnc1-0.fdr.3.1.i386.rpm 676230e4338c674da906478e21bace5c 】
2.APTのRPMパッケージのインストール
まず、rootでログインします。ユーザーログインしている場合には、パスワードを入力してコンソールから[user@localhost user]$ su でルートログインします。ダウンロードしたファイルは、RPMでパッケージされていますので、インストールはコンソール画面から次のように入力します。入力が面倒な方は、次のコマンドを予めコピーしておき、それをコンソール画面に貼り付けたら楽でしょうし、入力間違いも防げます。
rpm -ivh apt-0.5.15cnc1-0.fdr.3.1.i386.rpm
入力したらリターンキーを押します。自動的にインストールが開始されると次の例のように表示され、数秒の内に完了します。
[user@localhost
xxxx]$ su
Password: xxxxxxxx
[root@localhost xxxx]# rpm -ivh
apt-0.5.15cnc1-0.fdr.3.1.i386.rpm
警告:
apt-0.5.15cnc1-0.fdr.3.1.i386.rpm: V3 DSA signature: NOKEY, key ID
8df56d0 5
Preparing... ###########################################
[100%]
1:apt ########################################### [100%]
3.APTリストの更新
APTのインストールが無事に済めば、最初に行う作業は最新のリストにアップデートする作業です。コンソール画面から、次のコマンドを入力します。
apt-get update
入力したらリターンキーを押します。回線の込み具合によっては時間がかかります。
[root@localhost xxxx]# apt-get update
You
don't seem to have one or more of the needed GPG keys in your RPM
database.
Importing them now...
Get:1 http://download.fedora.us
fedora/1/i386 release [2074B]
Get:2 http://macromedia.mplug.org
fedora/1 release [504B]
Fetched 2578B in 1s (1638B/s)
Get:1
http://download.fedora.us fedora/1/i386/os pkglist [1445kB]
Get:2
http://macromedia.mplug.org fedora/1/macromedia pkglist [907B]
Get:3
http://macromedia.mplug.org fedora/1/macromedia release [129B]
Get:4
http://macromedia.mplug.org fedora/1/macromedia srclist [691B]
Get:5
http://download.fedora.us fedora/1/i386/os release [124B]
Get:6
http://download.fedora.us fedora/1/i386/updates pkglist [14B]
Get:7
http://download.fedora.us fedora/1/i386/updates release [129B]
Get:8
http://download.fedora.us fedora/1/i386/stable pkglist [79.5kB]
Get:9
http://download.fedora.us fedora/1/i386/stable release [122B]
Get:10
http://download.fedora.us fedora/1/i386/os srclist [157kB]
Get:11
http://download.fedora.us fedora/1/i386/updates srclist [14B]
Get:12
http://download.fedora.us fedora/1/i386/stable srclist
[22.3kB]
Fetched 1705kB in 15s (109kB/s)
Reading Package
Lists... Done
Building Dependency Tree... Done
4.アップグレードの実行
インターネットの配布先から、最新のRPMパッケージをダウンロードし、インストールするためには、引き続いて次のように入力します。
apt-get upgrade
入力したらリターンキーを押します。公開されたばかりで、更新すべきパッケージがあまりないので、作業はすぐに完了します。
[root@localhost
xxxx]# apt-get upgrade
Reading Package Lists... Done
Building
Dependency Tree... Done
The following packages will be
upgraded
perl-DateManip
1 upgraded, 0 newly installed, 0
removed and 0 not upgraded.
Need to get 157kB of archives.
After
unpacking 82.8kB of additional disk space will be used.
Do you
want to continue? [Y/n] y
途中、上の例のように作業を続けるか取消すかを尋ねてくるので、ここでは「Y」を入力しリターンキーを押します。すると作業が再開され、次のような画面が表示されます。経過表示が100%になれば、作業終了です。
Get:1
http://download.fedora.us fedora/1/i386/stable perl-DateManip
0:5.42-0.fdr .2.a.1 [157kB]
Fetched 157kB in 2s
(59.6kB/s)
Checking GPG signatures...
Executing RPM
(-Uvh)...
Preparing... ###########################################
[100%]
1:perl-DateManip
########################################### [100%]
[root@localhost
xxxx]#
5.APTコマンドについて
以上の手順で、パッケージの管理はすでにAPTで行えるようになっていますので、今後はAPTリストの更新とアップグレードの実行を定期的に繰り返すだけです。APTで使用する代表的なコマンドを参考までに載せておきます。基本となるのは次のコマンドです。
#apt-get
update ・・・・・・・・・・・・・・最新のリストに更新する
#apt-get
upgrade ・・・・・・・・・・・・・更新されたリストに従って実行をする
#apt-get
dist-upgrade ・・・・・・・・・・OS(カーネル)自体の更新を実行する
#apt-get
install 〔パッケージ名〕・・・個別に指定してインストールする
#apt-get
remove 〔パッケージ名〕
・個別に指定して削除(アンインストール)する
#apt-get
clean ・・・・・・・・・・・・・・・一時保存されているキャッシュファイルを削除する
6.グラフィカル管理ツール:SYNAPTICの導入について
APTは、グラフィカル(GUIベースでという意味です。)な操作でも利用することができます。それには、SYNAPTICというグラフィカルなツールを使います。このツールを導入すれば、コンソールからコマンド入力する必要がありません。
入手は、先ほどと同じウェブページから行えます。ファイル名「synaptic-0.45-1.1.i386.rpm」をダウンロードし、インストールはrpm -ivh synaptic-0.45-1.1.i386.rpm とコンソールで入力すれば自動的にインストールが開始されます。ダウンロードサイズは、約472KBです。こちらにも、アップロードしておきました。もっとも、上の手順2でAPTのRPMパッケージをインストール済みなら、apt-get install synapticのコマンドを使う方が簡単で便利でしょう。
【md5sum: synaptic-0.45-1.1.i386.rpm 5f769e55235e3057379f1e0df8f86ff8 】
インストール完了後、SYNAPTICを操作するためには、デスクトップのスタートボタン(赤帽子のアイコン)>システム設定>他のアプリケーション>Synapticのメニューをクリックしてプログラムを起動させます。
Synapticについて、原文(英文)では次のとおり明記されています:Graphical frontend for APT package manager. Synaptic (previously known as raptor) is a graphical package management program for apt. It provides the same features as the apt-get command line utility with a GUI front-end Fedora Linux GPL Applications/System http://www.nongnu.org/synaptic/
7.プログラム管理の注意点
APTはパソコンにインストールされているRPMパッケージを管理しています。言い換えれば、RPM以外の個人で単独にインストールしたバイナリーパッケージには関与しません。たとえば、文書作成ソフトウェアの「OpenOffice.org」は、公式サイトではRPMパッケージの配布を行っていませんので、追加インストールした場合には、たえず更新情報には気をつけるようにして、適正に管理することが望まれます。
プログラムがRPMパッケージとtar形式のバイナリーの両方で提供されているような場合には、是非ともRPMパッケージを選択してインストールしておくことが、将来にわたるプログラムの管理を効率的に行うコツです。ブラウザーの「Mozilla」は、RPMでの配布も始まりました。
8.さらにAPTの操作方法を知るためには
パッケージ管理ユーティリティである APT の働きについて、さらに深く理解するには、Debian プロジェクトのために作成された「APT HOWTO」を利用することが出来ます。ご覧になってください。