相続について (続き)



3.
遺産の協議分割

 
 遺産分割の協議には、共同相続人全員の参加と合意が必要です。
 
  1. 遺言のないときや遺言に遺産の分け方が指定されていないときは、共同相続人全員の話し合いによって分割することになります。これを協議分割といいますが、これには共同相続人全員の参加と合意が必要で、協議に参加しなかった人がひとりでもいたら無効となります。
     
  2. 協議分割の際に大切なことは、遺産の内容と相続人の状況をよく把握したうえで結論を出すことです。
     
  3. 全員が合意すれば、法定相続分に拘束されることなく、どのような分け方であっても有効となります。
     
  4. そして、この全員の合意にしたがって遺産分割協議書を作成します。なお、相続人の中に未成年者がいると、分割協議を行う前に家庭裁判所で特別代理人を選定しなければならない場合があります。
     

 《分割協議書の書式例》
 

 
遺産分割協議書

平成○年○月○日西宮太郎の死亡により、共同相続人西宮春江、東洋一郎、甲野百合子、乙山小百合は、被相続人の遺産をつぎのとおり分割することに合意する。
 
 


 

  1. 相続人 西宮春江 は、つぎの遺産を取得する。
     
    1. 東京都○○区○○町○丁目○○番地所在 家屋番号○○○番
       木造瓦葺き平家建て居宅1棟 床面積 ○○平方メートル
       
    2.  ○○信託銀行の被相続人名義の貸付信託(額面5,000万円)
       
       
  2. 相続人 西宮一郎 は、つぎの遺産を相続する。
     
    1. 東京都○○区○○町○丁目○○番地所在 宅地 ○○平方メートル
       
    2. 被相続人名義の下記株式
       ××株式会社の株式   5,000株
       △△株式会社の株式  15,000株
       □□株式会社の株式  10,000株
       
       
  3. 相続人 甲野百合子 は、つぎの遺産を取得する。
     
    1. △△信託銀行の被相続人名義の貸付信託(額面3,000万円)
       
       
  4. 相続人 乙山小百合 は、つぎの遺産を取得する。
     
    1. □□銀行の被相続人名義の定額預金(額面2,000万円)
       
    2. ○○証券の被相続人名義の債権貯蓄(額面1,000万円)
       
       
  5. 各相続人は、それぞれ現金200万円ずつを取得、その中から故人の葬儀および供養の費用を平等に支出することに合意する。
     
     
  6. 相続人西宮春江は、第1項ないし第5項に記載する以外の現金その他の遺産をすべて取得する。
     
     

 以上のとおり協議が成立したのでこれを証するため、この協議書4通を作成して署名押印し、各1通ずつ保有する。

  平 成 ○年 ○月 ○日

東京都○○区○○町○丁目○○番地   
相続人 亡西宮太郎 妻 西宮春江  印
 
東京都○○区○○町○丁目○○番地   
相続人   〃   長男 西宮一郎  印
 
大阪府○○市○○町○丁目○○番地   
相続人   〃   長女 甲野百合子  印
 
京都府京都市○○区○○町○○○○番地   
相続人   〃   次女 乙山小百合  印

 



4.
法定相続人と法定相続分
 
 だれがどういう順位で相続人になるかについては、民法で定められています。
 

  1. わが国の民法では遺産を相続する人(法定相続人)、相続する順位、相続の割合(法定相続分)を定めています。
     
  2. 配偶者はつねに相続人となります。
     
  3. 胎児はすでに生まれたものとみなされ、相続人となります。また、子が死亡している場合には孫が、孫も死亡しているときには曾孫が代襲相続人になります。兄弟姉妹が死亡している場合は、甥・姪まで代襲相続人になります。
     
  4. なお、相続人の順位、相続分はつぎの表のようになります。
     

《相続人の順位と法定相続分》

相続人の順位

相  続  分

第1順位 配偶者 1/2  
1/2 人数により1/2をそれぞれ均分する
第2順位 配偶者 2/3  
父・母 1/3 人数により1/3をそれぞれ均分する
第3順位 配偶者 3/4  
兄弟姉妹 1/4 人数により1/4をそれぞれ均分する

(注)非嫡出子の相続分は嫡出子の1/2となります。養子の相続分は実子と同じです。
 

  1. 寄与分
     
     共同相続人の中に、被相続人の事業を手伝ったり、経済的援助をしたり、療養看護の手を差しのべたりして被相続人の財産形成に功のあった人がいる場合、共同相続人の協議によって決められた割合を寄与分といいます。そして、相続財産から寄与分を差し引いた残りの額をもとにして相続分を算定し、それに寄与分を加算したものが寄与者の相続分となります。
     
     
  2. 遺留分
     
     一定の相続人の相続権を保障する事を目的として定められた制度で、兄弟姉妹以外の相続人が最低限受けることのできる相続割合をいいます。直系尊属だけが相続人であるときは遺産総額の3分の1、それ以外の場合は、2分の1が遺留分となります。 




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