タンゴについて

 「タンゴとは出会いの芸術である。」
 この言葉とともにタンゴにおける私のスタイルは展開され、心を開くことで誰もがタンゴに近づけるということを私は伝えたい。

 今日のタンゴにおいてテクニックや見た目の姿形ばかりがもてはやされる中で、カップルにこそできるダンスについて私が考えるのは、何よりも我々がパートナーのエネルギーを感じなくてはならないということであり、抱擁(abrazo)し合うことがコミュニケーションや喜びの源となることである。

 その根拠は、暗い場所で生まれ規制や周囲の冷たい視線の中にあったタンゴが、他者との親愛や理解を探し求める場であり、多くが見知らぬ人とのものであると同時に、非常に親密な結びつきであったというこのダンスの歴史にある。

 人はタンゴを踊るとき、パートナーとのコミュニケーションのために個々の感覚のすべてを放棄し、カップル、すなわち二人の人間としてあるのではなく組み合わさり共有し合う身体、それが一体となった感覚として音楽に乗って動いている状態に到達しなくてはならない。
 
 そして様々な型や動きのコンビネーションがそこから生まれ、さらにそれを見ている人々をもダンスの参加者に変え、踊っているような気持ちにさせるとき、そこにタンゴがあったと言えるのである。
                                                   
Ernesto

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