映画の感想(寸評)@
| ディセント2 (2009年イギリス) |
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| ジョン・ハリス監督 |
| 『ディセント』(2005年英)と言えば、ホラー映画ファンの支持を集めてスマッシュヒットを飛ばした“地底探検(モンスター・)パニック・ムービー”。この『ディセント2』は、B級映画によくあるパチもんじゃなくて、その『ディセント』の正式な続編(『ディセントX』とか『ディセントZ』は、典型的な便乗邦題作品)。だけど監督が、将来を嘱望されるニール・マーシャル(←『ドゥームズデイ』でコケたけど・・・)から初監督の新人に変わったことで、規模が縮小されてしまったらしく、セットや映像が安っぽくなってます。う〜む、典型的な“ダメ続編”かも知れないなあと、不安いっぱいで見始めたのですが、これが意外と楽しめた! 前作の生還者であるヒロインを案内役に救出隊が惨劇の舞台へ向かうという筋立てを見れば分かる通り、臆面もなく『エイリアン2』を踏襲。完全にバトルアクションの方に舵を切っているんですが、既にネタバレしている以上、真面目にホラー映画として盛り上げようとしても難しいわけで、こういう割り切り方もアリだと思います。 「前作のラストで洞窟に閉じ込められていたはずの主人公がなぜか地上に逃げ出してた」って文句を言ってる人もいたけど、あのラストの映像は、主人公の心象風景でしょ。本当は地上に逃げ出せてたと見るのが妥当なんだから、これでいいのだ(*『ディセント』のレビューを参照)。 血糊もグロ描写も増量で、なんだかんだと見せ場は多いし、「たぶん出てくるんだろうなあ」って思って見ていると、案の定、前作のメインキャラクターが登場して、主人公との因縁が再燃したりとか、続編としての旨味もきちんと押さえてある。真面目に見てたら怒っちゃうかも知れないけど、マンガとして見たら、これはこれで楽しめるんじゃない? 前作のことを凄い傑作だと思っている人たちは、この映画を許せないみたいだけど、そもそもあの映画からして“真面目なホラー映画”として見るには無理があったでしょ。目が見えない分だけ他の感覚は発達してるはずなのに、主人公の頭の上に手を乗せてても気付かない地底人。ハラハラドキドキのニアミスを演出したい気持は分かるけど、ここまでやったらシラケるだけ・・・。このシーンの演出が『プレデター』モロパクリだったのにもシラケた。 後半のストーリー展開や演出は、ほとんどマンガのノリ。『ドゥームズデイ』を見ても分かるけど、結局のところ、マーシャル監督は、強い女性が活躍するバトルアクションを撮りたいんだよね。そういう意味では、この映画は、『ディセント』の正統的な続編として認めてもいいんじゃない? と、擁護のコメントはここまで。後は苦言を呈しておきますが・・・、予算の減少に伴う映像の劣化はともかく、演出の劣化はいただけない。丁寧に撮ろうとしているのかも知れないけど、何かを画面に登場させる時に、いちいちカメラをあらかじめ振っておくのは止めてもらいたい。サプライズ演出が台無し。余白の映し方が不自然なものだから、いちいち先が予想できちゃう。これくらいバカ正直な撮り方というのは稀に見るなあ。 人やモンスターが高所から落ちていく時に、ほとんど毎回、真上から撮った、手足をバタつかせながら闇に消えていく映像を入れるのも止めてほしかった。コメディー映画や日本の前時代的なサスペンスドラマにしか出てこないような、安っぽくてバカくさい映像。 やっぱり、なんやかんや言って、前作のマーシャル監督には、基本的なセンスの良さがあったよね。後半の悪ノリが過ぎるとは言え、シリアスに見せるところはシリアスに見せれてたし、撮り方の工夫で、低予算も意識させなかった。この映画も別にそんなに酷い出来というわけじゃないんだけど、予算なり、B級なりの映像とストーリーしか見せてくれないんだよね。ヒマな時に何気なく見たとしたら損をした気にはならないと思うけど、二度、三度と繰り返して見たくなるような映画ではないなあ。(評価★★←大甘です)(2010年8月6日) |
| 雨の午後の降霊祭 (1964年イギリス) |
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| ブライアン・フォーブス監督 キム・スタンレー、リチャード・アッテンボロー出演 |
| 不勉強なので知らなかったけど、カルト的な支持を集めている作品なんだそう。黒沢清監督の『降霊 KOUREI』(1999年日)の元ネタにもなっているので、マニアの間では結構有名なのでは? タイトルがカッコいいですよね、原題も邦題も。邦題は原題『Seance
on a Wet Afternoon』のほぼ直訳。 う〜む、もちろん期待しているからこそDVDを買ったんだけど、見るのに結構勇気(?)がいる。だって40年以上前に作られたホラー、サスペンス系の作品ですよ。こういうのって、公開当時は衝撃的であっても、今見るとそうでもないというのが結構ある。退屈だったらやだなあと、心配しながら見始めたのですが、最初の数カットで、そんな心配消し飛んじゃった! モノクロ映像ならでは美意識が冴える。表現主義の名残を感じさせる、いささか強調された演出が、無理なくリアリズムの中に融け込んでいて、見る者を映画の世界へいざなう。古い映画だからと敬遠していたんだけど、古い映画だからこその魅力が光ってます。オープニングクレジットが終わる頃には、私はすっかり「雨の午後」が湛える重たい空気の中に引き込まれていました。 趣味で霊媒をやっている中年女性が、気弱な夫を巻き込んで、ある計画を実行に移す。名士の娘を誘拐した後で、霊能力で娘を見付けたフリをして、自分の能力を世間に認めさせようというのだ。上手く行けば、誰一人として傷つかないはずの計画だったのだが・・・ ストーリーラインだけ聞いたら、ちょっとバカっぽく思えるかも知れないけど、シリアスなムードで押し切るサスペンスフルな作品です。少女誘拐や身代金受け渡しの場面の緊張感には手に汗握る。クライム・サスペンスとしても見応え充分。『降霊 KOUREI』と話が結構違うのも良かったです。新鮮な気持ちで見れました。 最後の降霊会の場面には、背筋はゾクッ! 人間は怖い! そして哀しい・・・。最後にはきちんと救いが用意されているんだけど、雨の午後の気だるさが後を引く、なんともやるせない映画でした。(★★★)(2010年9月10日) |