| 禿山の一夜 | |
| Une nuit sur le mont chauve | 1933年 フランス |
(ジェネオン エンタテインメント) |
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| 世界各国のアニメーション作家たちから熱烈に支持されている伝説的なアニメーション映画。ムソルグスキー作曲の同名曲に乗せて描かれる、“この世の者ならざる者たち”によるサバトの饗宴です。 版画家、挿絵作家だったアレクサンドル・アレクセイエフの初のアニメーション作品で、「ピンスクリーン技法」という革新的な手法を用いて制作されています。 「ピンスクリーン技法」とは、数十万本にも及ぶ針(ピン)をびっしりと敷き詰めた面に凹凸を作り、そこに生じた陰影によって画像を描画する手法です。絵でもなく、人形アニメーションでもない・・・、版画家のアレクセイエフだからこそ考案できた手法だと思います。作業に非常に手間がかかるため、後には弟子でもあったジャック・ドゥルーアンぐらいしか実践していませんが、普通のアニメーション作家が興味本位に手掛けても、たぶん大したものは作り出せないでしょう。「ピンスクリーン技法」とは、そのくらい特殊なものなのです。有形無形の凹凸の中に潜む怪物たちを探し出し、影が描くイメージを見て取れる人だけが用いることのできる手法です。 鳥のような顔をした異形の怪物、影に追われる子供、飛び散る光の粒子、もげた首を持って会釈する男・・・。悪魔たちが見守る中、骸骨のように痩せた馬が、起き上がり、そして倒れ伏せる・・・ 「禿山の一夜」と言えば、ディズニーの『ファンタジア』が思い起こされますが、あちらに比べるとアレクセイエフの『禿山の一夜』は、ずっと混沌としていていて不可解です。でも、魑魅魍魎の世界とは、元来、不可解で、不可思議なものでしょう。そういった意味では、アレクセイエフの作品は完璧です。いや、ディズニー版「禿山の一夜」も大好きなのですが、アレクセイエフの『禿山の一夜』の方が、人知の及ばない世界、その得体の知れなさを、よく表現していると思います。 常に変容していく形象。まさにシュールレアリストたちの言うところの「自動筆記」を映像で実践したかのよう・・・。なんらかの対象がなんらかの現象を起こしているというのではなく、対象と現象がごちゃ混ぜになってしまったかのような奇妙な感覚。そして闇・・・。ディズニー版は光に溢れていますが、こちらは闇に包まれていますよね。ピンスクリーン技法の特徴である陰影による描画が、魑魅魍魎たちが巣くう“影の世界”の威容を際立たせています。 手法と主題の幸福な出会い・・・、『禿山の一夜』は、芸術家の創造性が遺憾なく発揮された作品です。処女作で、実験的な性格の強い作品ということもあり、技術的に未熟な点も見られますが、そんなことはさしたる問題ではありません。悪夢的で幻惑的なこの異様な世界を、是非堪能して下さいね。
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| DVDは・・・2003年中からアナウンスされていたのになかなか発売されなくてヤキモキしていたのですが、2006年7月にやっと・・・ジェネオン
エンタテインメントより発売されました。どうやら2004年にフランスでデジタル修復されたマスターを使用しているらしいので、そんな関係から発売が遅れていたのかも知れませんね。アレクセイエフが制作した全映画を収録している他、以下の通り特典も充実! 素晴らしい商品です。是非一家に一枚! ・・・ちなみにアレクセイエフは興行的には恵まれていなかったそうで、そんな関係でCMの仕事が多いのです。哀しい・・・ 収録作品 ・『禿山の一夜』(1933年)/8分 ・『道すがら』(1944年)/2分 ・『鼻』(1963年)/11分 ・『展覧会の絵』(1972年)/10分 ・『三つの主題』(1980年)/7分 映像特典 ・コマーシャル作品20篇/29分 ・習作『振り子』(1951年)/2分 ・習作『イリュージョナリー・ソリッドの研究』(1960年)/10分 ・ドキュメンタリー「ドクトル・ジバゴのための挿絵」(1960年)/8分 ・ドキュメンタリー「ピンスクリーン」(1973年)/39分 ・ドキュメンタリー「『三つの主題』メイキング」(1980年)/1分 |
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| アレクセイエフのもう一つの代表作 鼻 |
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