ドッグ・ソルジャー
Dog Soldiers 2002年 イギリス
スタッフ/キャスト
製作: デヴィッド・E・アレン
クリストファー・フィッグ
トム・リーヴ
製作総指揮: ヴィク・ベイトマン
ハーモン・カスロー
ロメイン・シュローダー
監督: ニール・マーシャル
脚本: ニール・マーシャル
撮影: サム・マッカーディ
特殊メイク: ボブ・キーン
編集: ニール・マーシャル
音楽: マーク・トーマス
 
出演: ショーン・パートウィー
ケヴィン・マクキッド
エマ・クレズビー
リーアム・カニンガム
トーマス・ロックヤー
ダーレン・モーフィット
104分
ストーリー
 スコットランドの人里離れた山中で演習に参加しているイギリス軍の一部隊。彼らはいわゆる落ちこぼれ部隊で、今回の任務はエリート部隊の標的になって狩られること。まあ、あんまりやる気の出る任務じゃないし、どうせ訓練なんだからと御気楽なムードでやっていたが、状況は突如として一変する。彼らを狩るはずだったエリート部隊が、何者かによって惨殺されていたのだ! 一人生き残っていたエリート部隊の隊長は取り乱し、「一匹だけのはずだったんだ! みんな殺される!!」と訳の分からないことを口にする。山中に響き渡る不気味な遠吠え・・・、気付けば今日は満月だ。伝説に登場する不死身の怪物たちが兵士たちへの襲撃を開始した!
レビュー
 本国イギリスでスマッシュヒットを記録したアクション・ホラー。「ドッグ・ソルジャー」と言うと、“戦争の犬たち”という感じに、“犬のように統率のとれた”、または“犬のようにしつこく喰らいつく”兵隊さんたちのことを想像されるでしょうけど、この映画には文字通り本物の「ドッグ・ソルジャー」が登場します。俊敏で怪力で、鉄砲で撃たれても直ぐに傷が治ってしまう不死身の人狼軍団! 意味がかけてあるんですね。「戦争の犬たち」VS「本物のドッグ・ソルジャー」という胸躍る対決を見せてくれる痛快娯楽作です。

 監督は、本作が長編デビューとなるニール・マーシャルという人。無名の新人だったので、ポスターには「『ヘルレイザー』のプロデューサーが贈る」とあるだけで、監督の紹介はありませんが、なかなか堅実な演出を見せてくれてます。「なかなか堅実」なんて、ちょっと貶してるように聞こえるかも知れませんが、最近はミュージッククリップもどきのチャラチャラした演出しか出来ない人ばかりなので、こういう堅実さは貴重です。
 なんでもかんでもCGに頼るのではなく、アナログ技術を活用しているのも監督のコダワリだそうです。やっぱ迫力が違いますよね。人狼の造形がショッカーの怪人みたいだと言ってバカにしてる人もいますが(←ショッカーの怪人をバカにするな!)、なかなかどうして良く出来てると思います。体つきがいかにも人っぽいって言われてますが、「人狼」って人と狼の中間なんだから、人っぽくたってイイじゃないの。

 脚本も監督のマーシャル自身が書いているのですが、こちらも硬派な仕上がりで好印象。余計な要素は排して、「軍隊が山中で人狼に遭遇!」というワンプロットで押し切ります。ロマンスもメロドラマも無し。一応ヒロインらしきキャラクターも登場するのですが、その扱いは散々なもの・・・、徹底した男のドラマです。
 戦争映画のパロディーとしての側面があるんですよね。真面目で優秀だが非情になり切れない兵士、面倒見が良く頼り甲斐のある上官、臆病な兵士に、オチャラケてるけどガッツのある兵士・・・、こうした戦争映画の定番の面々が、これまた戦争映画の定番である、男の友情とか戦友同士の絆を深めていく様が結構丹念に描かれてます。正直言ってホラー映画としてはそんなに成立していないと思うのですが、熱い男たちのドラマとしては見応えがありますね。あくまでもバトルアクションとして楽しむのが吉でしょう。

 いや、もちろん、そこはかとなく漂う怪奇風味も、いいアクセントになっているんですよ。闇に覆われた深い森は、伝説の怪物の存在に信憑性を与えています。逃げ込んだ先の一軒家が実は・・・というのも、いかにも怪談風で楽しいです。舞台が森の中に限定されているのは低予算故なのですが、その点もマイナスには感じさせません。低予算ホラーの定番である篭城戦がしっかりと描かれている点もポイントが高いですね。やっぱり燃えるなー、こういうの♪ 主人公たちがみんな訓練された軍人なので、不測の事態に陥っても迅速に対応していたのが気持ち良かったです。

 シリアスな雰囲気を壊さない程度に入れられているユーモアも気が利いていました。狼男の襲撃の傍らで、そこに居合わせた犬のせいで、隊長が地味〜に危機に陥っていたり・・・。負傷した隊長のお腹から飛び出している腸を、ワンちゃんがソーセージと間違えて引っ張ってしまうの(笑)。あのワンちゃん、いい味出していましたね。何気に活躍してますし、あのワンちゃんも立派な「ドッグ・ソルジャー」です♪
 「軍隊が狼男に遭遇!」のスクープ記事よりも、○○○○の記事の方が大きく一面を飾っているというラストのオチも、いかにもイギリス風でニンマリさせられました。

 手堅くまとめてしまったせいで、ちょっと地味になってる印象は否めないのですが、安く作れるからとか、手早く金を儲けられるからという理由ではなく、きちんと愛着を持ってホラー映画を撮っているところには好感を持てますね。この監督、新作の企画もみんなホラーです。次回作となった『ディセント』も、日本では評価が割れたものの、海外では概ね好評だったようですし、期待の新人の一人でしょう。11月末にはその『ディセント』もDVD発売となるので、是非見てみたいと思います。まだ本作を見ていない人は、『ディセント』の発売までに予習しておくように!
映画の印象
/
降水確率10%
勝手に総評
1 5 10
私が愛している度
私が評価している度
一般人気度
マニア人気度
オススメ度
ソフト
 DVDは2003年12月に発売されました。発売:東芝エンタテインメント、販売:ジェネオン エンタテインメントです。映像が少々暗いのが気になりますね。影の部分はほとんど潰れてます。海外盤もこんななのかなあ? 特殊メイクの安っぽさを目立たせないためでもあるかと思われますが・・・
 特典は
・メイキング映像(19分)
・未公開シーン集
・NG集
・オリジナル劇場予告編
・日本版劇場予告編/ビデオ予告編

となります。

(2006/10/4)

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マーシャル監督の次回作
ディセント


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