世代連鎖を断ち切るには                トップへ                       

     前兵庫県断酒連合会家族会顧問  精神保健福祉土  故藤田 修美先生  

  お知らせ 長い間有難うございました。本年10月31日をもって このホームページを終了させていただきます。尚、リニューアルして引き続きアップしますので宜しくお願いします。 引っ越し先https://www.dansyu.jp/   2017/8/15

1はじめに                          

人は誰からか存在意義を認められていないと、生きていけない。

だから、人は、人とのふれあいを求めるし、人の役に立ちたいと望む。

また、人から大切にされたいとも望むのである。

                                      さわやか福祉財団理事長 堀田 力  


 親子、夫帰間のコミュニケーションがうまくいってるかどうかが、家族がそれぞれ安心感・安定感幸福感をもてるかどうかに、関係があります。多くの対人技術は、子ども時代に身につけますので、子供をとりまく親や大人の言が大きく影響します。中には、ある種の対人技術が学習されない子供もいます。

 それでも、思春期・青年期になって、同世代の仲間とのつき合いが増えると、仲間から技術を学ぶチャンスが数多くあります。
対人技術は学習し、繰り返し実行するという訓練をしてはじめて身につくのです。習得するチャンスがなかった人はそれを学び、訓練すればいいという事になります。

 今回は感情の表現という視点から、『親から子に伝わる、生きづらさ』について考えてみたいと思います。

1自分の感情と向きあう能カの必要牲

 何らかの体験や教育の影響で感情から目をそむけたり、軽く受け流すよう心がけることが習慣になってしまうと、自分自身の生の感情とのつきあいは浅くなります。
 特に、気持ちを伝えようとして、拒絶されたり、無視されたりすると、自分の感情を表現しないことが、自分を守ることだと考えるようになりがちです。
 家族が自由な感情表現を許さなかったり、思いやりや、楽しさの表現は強要するのに、イライラや怒りの表現は拒絶するといった感情の選別をされると、自分の感情自体を疎ましいものとして遠ざけたい気持ちになります。
 
  このような経験を繰り返してくると、

 自分の中に湧いてくる感情とのつきあい方は下手になります。

 このような傾向の人は、

 自分の考えを理路整然と話したり、平静を装うことは得意でも、

 自分の思いや気持ちを表現するのは、苦手ではないでしょうか・・・


1、三っの自己表現態度から見えるあなたの行動パターン

@非主張的な自已表現の態度

 自分の気持ちや考え、信念を表現しなかったり、しそこなったりすること。相手に譲ってあげているように見えながら、自信がなく、不安が高く、それを隠して卑屈な気持ちになっていることが多い。
  非主張的な言動をしたとき
 『どうせ言っても分かってもらえないに決まってる』といったあきらめの気持ち。
 『譲ってあげたんだ』といった恩着せがましい気持ち
 『人の気も知らないで』といった恨みがましい気持ちや傷ついた感じが残り惨め。
◆そもそも自己表現していないので、相手に分かってもらおうと期待することは欲張りなのです。『黙 って引いてあげたのに』とか『相手を立てたのに分かってくれない』といった甘えや、『鈍感な人だ  』『思いやりのない入だ』といった相手への軽蔑の気持ちをもったりします。
◆我慢や恨みが積み重なると、欲求不満や怒りがたまり、人とつき合うのがおっくうになったり、
 頭痛 、 肩こり、神経性の胃痛などの心身症やうつ状態になります。

  また、弱い相手に対しては不当に八つ当たりしたりします。
◆一方非主張的な対応をされた相手も『譲ってくれた』と思っているのに、後で恨まれたり、軽蔑され たのではたまったものではありません。また優先されてばかりいると、相手に対して優越感や憐れみ の 気持ちをもったり、逆に、従わせてしまったという罪悪感や苛立ちを感じるかもしれません。

 (全般的に非主張的な人)
  
 一見して恥ずかしがりで、ほとんどの状況や人に対してオズオズと引っ込み思案の態度をとり、人の嫌がりそうな事や、人の邪魔になりそうな事、葛藤が起こりそうなことは決してやらず、親や権威者が言った通りの言動を取ります。
 自分が傷つけられたり、権利が侵されたりして、多くの人が抗議するような場合でも黙っています。だから人に無視されたり、利用されたりしやすいのです。 又、一般的に当然だと思われるような事にも、いちいち許可を得ようとします。
自己否定的で、自尊心が低く、いつも不安で、緊張の高い生活を送っています。
 ストレスの多い生活は堅い表情や、いつも同じ生気のない笑顔をつくり、息づかいが浅く、早くなります。神経性の頭痛や腹痛を起こしやすく、ひどい肩凝や下痢に悩まされる。またうつ的になって、気分が落ち込んで、食事がすすまなくなったり、眠れなくなったりすることもあります。


A攻撃的な自己表現態度

 自分の意見や考え、気持ちをはっきりと言う事で、自已主張してはいるのですが、相手の言い分や気持ちを無視、または軽視して、結果的に、相手に自分を押し付ける言動をいいます。相手の犠牲の上に立った自己表現・自己主張。
 攻撃的とは、たんに暴カ的に相手を責めたり、大声で怒鳴ったりするだけではなく、相手の気持ちや欲求を無視して、自分勝手な行動をとったり、巧妙に自分の欲求を押し付けたり、相手を操作して自分の思い通りに動かそうとします。
不当な非難、侮辱、皮肉、八つ当たりなども含まれます。
 
  攻撃的な言動をしたとき
    一見、表情豊かで、ハキハキものを言っているように見えますが、その場の主導権を握り、相手より優位に立とうとする態度や、『勝ち負け』で物事を決めようとする姿勢が見え隠れしていて、自分に不正直ともいえる。

◆堂々としているように見えるわりにどこか防衛的で、必要以上に威張っていたり、強がっていたりす  る。

◆自分の意向は通っても、その強引さのために後味の悪いことが多く、それが自分の本意でなかったこ とに気づき、後侮することになる。

◆攻撃的な対応をされた相手は、自分の意に反して服従させられた気持ちになり、軽く見られ、バカに された気持ちは残っても、大切にされた感じにはなりません。
 その結果、傷つき、恐れて敬遠するか、同時に怒りを感じて。復讐心を抱くかもしれません。

 (全般的に攻撃的な人)

多少強引でもすべてを支配できる強い人がたくましく、頼りになるという男牲のイメージがありましたが、それを信じて行動しているような人です。
 人に対して優位な状態でないと安心できないので、人の批判や反応をひどく気にし、きわめて敏感です。ちょっとした反応でも、排除の雰囲気を感じると、落ち着きを失い、イライラして、周囲の人を怒鳴り散らしたりします。
 その結果ますます嫌われていくので、孤立しやすく、いつも愛情飢餓に陥っています。そして、人をつなぎとめておくために、さらに命令的に相手を自分に引き寄せようとするのです。優しく、穏やかに、人から愛情を得る方法を知らないので、愛情を得るにも、同じ命令的なアプローチになって、人から敬遠されるといった悪循環に陥るのです。

 (全般的に非主張的)と全般的に攻撃的)を交互にやる人
 
 人間関係や杜会的場面で、常に周囲との関係で物事を進めようとするので、自分の気持ちに正直になれず、したがって自己表現が自己欺瞞的になっています。
それを見破られまいと、さらに周囲の状況に神経質になり、ますます不安を高めるという悪循環に陥ります
表現方法はまったく違って見えますが、対人恐怖の人や人から恐れられる暴君は、表面的な平静さや強がりの裏には、不安、緊張、孤独感などの隠された気持ちがあり、常に気張っていなければならず、心が落ち着く余裕はありません。
『こころの疲れ』や、自己嫌悪の気持ち、なげやりな気持ちなどにさいなまれることもあります。

 

 @やAのような人は他者との生活全般にわたって緊張を強いられるわけですから、そこから抜け出すための手だてやまず自分を好きになるための援助が必要です。


  不安や緊張、『こころの疲れ』などを安心して出せる人のもとで、ありのままの

 自分を見つめ、その自分が実は考えていたほど引っ込み思案にならなくてよいこ

 とや、強引にならなければ人が耳を貸してくれないわけでもないことを理解でき

 るように、じっくり助けてもらう必要があります。


Bアサーティブ(自分も相手も大切にする・思い込みに縛られずに素直な自己表現)
 自分の気持ち・考え・信念などが正直に、率直に、その場にふさわしい方法で表現し、相手も同じように発言することを奨励します。
その結果、お互いの意見が葛藤を起こすこともあるが、そのときは、すぐさま折れて相手に譲ったり、相手が同意してくれることを期待するのではなく、面倒がらずにお互いの意見を出し合って、譲ったり、譲られたりしながら、双方にとって納得のいく結論をだそうとする。

 『言いたいが、言えない』自分から、『言えるが、言わない』ことのできる自分に変わることです。
 自分の意志で言わない選択をしている時は、自信に満ちた態度をとることができる。
◆余裕と自信に満ちており、自分がすがすがしいだけではなく、相手にもさわやかな印象を与えます。
◆相手は大切にされたという気持ちをもつ。歩み寄りの精神があり、多少時間はかかっても、お互いを 大切にし合ったという気持ちが残る。

3つのタイプの自己表現の特徴一覧表

非主張的 攻撃的 アーサティブ
 引っ込み思案  強がり  正直
 卑屈  尊大  率直
 消極的  無頓着  積極的
 自己否定的  他者否定的  自他
 依存  操作的  自発的 
 他人本位  自分本位  自他調和
 相手任せ  相手に指示  自他協力
 承認を期待  優越を誇る  自己選択で決める
 服従的   支配的  歩み寄り
 黙る  一方的に主張する  柔軟に対応する
 弁解がましい  責任転嫁  自分の責任で行動
『私は0Kでない、 『私は0K 『私も0K
       あなたはOK     あなたはOKでない』      あなたもOK
                      アサーショントレーニング 平木典子著 日本技術研究所

 

    マイナス感情が起こるのは他者のせいだと思っていませんか

  人間の感情とは、なんらかの『事柄』に対して、個人が身につけた価値観・

  道徳観・考え方などから生じてくるものです。

よく『私を怒らせるな』『私を悲しませないで』などと表現する人がいますが、

『怒っ』たり『悲しん』だりしているのはそれを言葉にしている本人であり、

本人が『怒らされた』『悲しまされた』と感じている相手の行為は、個人の感情

を引き起こす刺激(きっかは)にすぎません。

他者に責任を負わせることはできません。

 
    あなたの感じている感情は『あなた自身のもの』であり、

      『あなた以外の誰かのもの』ではない。   

 

もしあなたが他者の感情の揺れに直面したときには、その場に居含わせた人間と

して、他者の『不機嫌』や『怒鳴り散らす』という行為を引き起こさす刺敬を与

えたかもしれませんが、感情は相手が起こしているものなのですから、相手の

『感情』に対してはあなたが責任を感じる必要はないし、また責任のとりようも

ありません。

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