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Compilations&Others  Column


                    

The Times They Are A-Changin'

The Times They Are A-Changin'

【Released:1964.1.13】

ディラン3枚目のアルバムは、そのジャケットからして前作に見られるような軽さがなく、モノトーンの苦渋に満ちたディランのポートレイトが印象的である。アルバム・タイトルの力強いデザインに象徴されるように、内容的にも前作で示した社会的な題材をより研ぎ澄まされた視点で捕らえた作品が目立っている。

1.The Times They Are A-Changin'

シンプルなフラット・ピッキング・ギターで始まるこの曲は、初期ディランの代表曲の一つである。アメリカのクリントン元大統領が、大統領選挙の演説で"Times they are A-Changin'"という言葉を連発したことは記憶に新しいところである。時代を超えてアピールする普遍性がこの曲にはあるといえる。1978年にディランが初来日公演を行った際には、ラストのアンコールで必ずこの曲が演奏された。ちなみに当時私は中学2年であったが、3月3日の武道館公演で初めて生のディランを聴いた。

2.Ballad Of Hollis Brown

ほとんどワン・コードで歌われるブルース曲。たしか1985年7月にフィラデルフィアで開催された”ライブ・エイド”コンサートでローリング・ストーンズのキース・リチャードとロン・ウッドをバックに従えてこの曲を演奏した記憶がある。

3.With God On Our Side

愚かな歴史を振り返り検証するディラン。かなり皮肉な詩の内容である。神は善人にも悪人にも分けへだてなく常に味方をしてきたが、「もし神が本当に味方なら、次の争いはストップしてくれるだろうと」とディランは結んでいる。

4.One Too Many Mornings

恋人との別れをディランはかなり切なく歌っている。この曲は後年のコンサートでもたびたび演奏されているが、私はどちらかというと、このオリジナルの演奏より1966年にザ・ホークスをバックに従えて行われたワールド・ツアーでの演奏と1975〜76年にかけて行われたローリング・サンダー・レビュー・ツアーでの演奏が印象に残っている。

5.North Country Blues

鉱夫と結婚した女性の哀しい物語。夫の働く鉱山はやがて閉鎖され、ある朝気づくと夫は自分と3人の子を残しどこかへ消え去ってしまっていた。ディランのしわがれ声が物語をさらに切なくする曲。

6.Only A Pawn In Their Game

人種問題を題材にした曲。吐き捨てるように繰り返されるメロディーが印象的。

7.Boots Of Spanish Leather

4曲目と同じく、恋人との別れを対話形式の物語で歌った曲。メロディーそのものは、"Girl from the North Country"をアレンジしたもの。

8.When The Ship Comes In

シンプルだがなかなか力強いフラット・ピッキング・ギターが印象的。詩の内容はかなり難解。

9.The Lonesome Death Of Hattie Carroll

この曲も6曲目と同じく人種問題を取り扱ったもので、実際に起こった事件を題材にしたらしい。日本では吉田拓郎がカバーしているが、テーマはまったく違って初恋の歌になっている。ちなみにタイトルは「準ちゃんが吉田拓郎に与えた多大なる影響」というものである。

10.Restless Farewell

決別の歌。何に対して決別するのか?常にとどまることなく転がりつづけるディラン自身をテーマにした自叙伝なのか。あとから振り返れば、次作"Another side of Bob Dylan"の予告編であったとも解釈できるが、いかがだろうか。

The Freewheelin' Bob Dylan Another side Of Bob Dylan