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Compilations&Others  Column


#8 2001年来日公演(総括?)

2001年2月25日に大宮ソニックシティからスタートしたディランの来日公演は3月14日の日本武道館で幕を閉じた。きちんとこのツアーの総括をしようと思いつつ、早いものであれからもう4ヶ月近くが過ぎようとしている。総括にはならないが何か書かないと次のテーマに移れないので、無理やり「総括」をしておきたいと思う。今回、僕は都合7回のコンサートに行ったが、その都度のレポートは過去のコラムを読んでほしい。

今回はディランの来日がアナウンスされてから、インターネットの掲示板等を通じて、これが最後の来日になるのではないかといった噂が飛び交っていた。不思議なもので、僕もなぜか本当にこれで最後なのかといった気分で会場に足を運んだものだ。

ところが、不気味な雰囲気を払拭してくれるように、初日の大宮からディランは完璧なコンサートを続けてくれた。まだまだ十分いける。ディランの声も渋みが増してかなりいい。相変わらずギターにもこだわっているようだ。

前回の97年の来日公演は、東京国際フォーラムの3日間しか聴けなかったが、ディランはかなりハードなロックを聴かせてくれた。あのときから何故か若いファン(ディランのファンじゃないかもしれない)が多くなった気がする。アンコールの「ローリング・ストーン」では熱狂したファン数10名がステージに駆け上がるといった一幕もあった。

今回は前述のとおり、最後の来日かもしれないという思いもあって、僕はディランの音よりも、むしろディランの動きに注目していた。音は後でゆっくり聴き返すことは出来るが、生のディランはこれで最後かという緊迫感からそうなった。

ディランはほとんど無表情だったが、動きは活発で、特に足を奇妙にくねらせながらギターを弾く姿が印象的だった。ディランはこれまでになくギターを弾くことに熱中していた。ストラップを妙に短くしたのもそのせいだろう。

僕自身にとって、今回の7回のディランのステージはいずれも思い出に残る演奏だった。そのなかでも横浜のステージは、ディラン自身も乗っていたような気がしたし、客席もディランに真剣に聴き入っていた感じがした。僕にとってのベストであった。それだけにテープの録音に失敗したことがいっそう悔やまれる。

最終日の武道館は客もよく入っていたが、あちこちでやたらとカメラのフラッシュが光りだしたのには閉口した。ディランはせっかく気分良く演奏していたのに、ひょっとして途中でステージを降りてしまうんではないかと危惧した。コンサートではそれぞれの楽しみ方があっていいとは思うが、フラッシュは禁物だ。最後の最後で客のマナーの悪さが爆発したが、ぜひまた来てください。ミスター・ディラン!

【執筆:2001年7月8日】