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Compilations&Others  Column


#5 2001年3月9日 福岡サンパレス(顛末)

3月4日の東京国際フォーラムが終わり、今回の日本公演でのディランは14日の武道館が最後になるはずだった。しかし、どうしても待ちきれなかった。仕事もそっちのけで年甲斐もなくディランの追っかけをやるとは自分でも思ってもみなかったが、どうしても武道館の前に聴いておかなければという気持ちが高ぶって、とうとう会社を休んで9日、10日とディランを追っかけて僕もツアーに出た。

急にツアーが決定したため、良い席を確保することは絶望的だった。公演2日前の7日水曜日、とうとう有給休暇を取り付けて、昼休みに銀座山野楽器のチケットぴあに行った。しかし公演日が間近に迫っており、すでに取り扱われていなかった。ヤフーのオークション・サイトには福岡の最前列の席が売りに出されていたが、個人的には危険な賭けのような気がして、それなら現地に乗り込んで、いっそ当日ダフ屋から手に入れようとも思った。結局、現実的な対応としてローソンでチケットを買った。この際、場所なんてどうでも良かった。

9日、前日の飲み会を軽く収めて、11時35分羽田発のJALで福岡に飛び立った。東京と違って気分は遠足の前の日みたいで眠れなかった。会場である福岡サンパレスは仕事で来たことがあるので土地勘はある。時間もあるので、大宰府まで足を伸ばし散策、気分転換を図る。17時45分、ホテルにチェックインしてスタンバイ。18時20分、タクシーで会場に向かう。

会場に到着したのは18時40分ころ。ホール入り口から長蛇の列。開演前からかなりの熱気を感じた。九州はこの日1日だけの公演とあって、たぶんあちこちから訪れているのだろう。入り口では、たぶんアメリカ人と思しき女性が「ただでチケットをください」と日本語で書かかれたカードを頭上に掲げていた。

19時、ほぼ定刻どおりにステージは始まった。座席は悲しいことに3階席。かなり空席があったが、かえって落ち着いて聴くことが出来た。今回のオープニングは僕にとって初めてのハレルヤ。そして2曲目も初めてのタンブリン・マン。これは興奮ものだ。4曲目もたぶん初めて。そして極めつけは8、10だった。8はまさか聴けるとは思わなかった。好きな曲だ。かなりスローなテンポで歌われたが、感動的な演奏だった。そして10もうれしい。どうしてもザ・バンドとの激しいロックン・ロール・バージョンが印象的だが、オリジナルに近いテンポとフレーズで歌われた。12も今回初めてだったが、3年前の東京国際フォーラムを彷彿とさせる盛り上がりようで、1階席の人達がうらやましい。たぶんこの時だったと記憶しているが、1人ステージに駆け上がったものの、あっという間に屈強な黒人のボディガードに取り押さえられ客席に戻された。アンコールでは17でディランのすばらしいハーモニカが聴けた。

この日のステージは2日の横浜に匹敵するすばらしい演奏だった。特にディランの軽やかな身のこなしは状態の良さを物語っていた。そして何よりも客席の雰囲気は東京近辺の会場と比べものにならないくらいいい感じだったのが印象的であった。終始、ミスター・ジョーンズを歌ってくれと誰かが叫んでいたがとうとう聴くことはできなかった。アンコールが終わり、ディランが腰を手に当て例の不動のポーズを決めたあと、最後に花束がステージに投げ込まれ、ディランがそれを拾い上げた。

(2001年3月9日、福岡サンパレスのセット・リスト)

1.Hallelujah I'm Ready To Go
2.Mr. Tambourine Man
3.Desolation Row
4.To Be Alone With You
5.Just Like A Woman
6.Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again
7.Masters Of War
8.Ring Them Bells
9.Don't Think Twice It's All Right
10.Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
11.Drifter's Escape
12.Rainy Day Women No. 12 & 35
(アンコール)
13.Love Sick
14.Like A Rolling Stone
15.If Dogs Run Free
16.All Along The Watchtower
17.It Ain't Me,Babe
18.Highway 61 Revisited
19.Blowin' In The Wind

【執筆:2001年3月11日】