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Compilations&Others  Column


                    

Bob Dylan

Bob Dylan

【Released:1962.3.19】

記念すべきディランのデビュー・アルバムは、1961年11月20日と22日のたった2日間で録音された。いろいろな資料に よると、録音に要した経費は当時なんとたったの402ドルだったという。レコード・ジャケットに写る若きディランは当時若干20歳であった。このアルバムには全部で13曲が収録されているが、ディランの自作曲は2曲目の”Talkin'New York”と12曲目の”Song To Woody”の2曲だけ。この時点ではまだソングライターとしてのディランの真価は発揮されていないが、純粋なパフォーマーとしてのディランの片鱗が窺われる曲は多い。

1.You're No Good

ありきたりなギター・ストロークで始まるブルース曲。20歳にしてはあまりにもバタ臭い声。わずか1分半足らずの曲だが、間奏で吹かれるディランのハーモニカは最高である。ちなみにディランは、このアルバムの録音前にハリー・べラフォンテやキャロリン・へスターのバックでハーモニカ・プレイヤーとして演奏している。ディランはハーモニカの名手なのである。

2.Talkin'New York

ディラン自作の典型的なトーキング・ブルース。荒れた西部の街を出て、ニューヨークへ初めてたどり着いたディランの感想文である。この曲の中でディランは「肺も破れんばかりに1日1ドルでハーモニカを吹いた」ことを告白している。ディランにとって初めてのニューヨークは決して居心地のいいところではなかったのかもしれない。 

3.In My Time Of Dyin'

20歳の若さで死をテーマにした重い曲。ここではディランのなんともいえないスライド・ギターを聴くことができる。一説によれば、リップ・スティックのキャップを使って弾いたらしい。

4.Man Of Constant Sorrow

この曲を初めて聴いたとき思ったのは、ディランの肺活量のすごさである。間奏で吹かれるハーモニカで、ディランは息継ぎをせずにどこまで続けられるかをためしているようだ。

5.Fixin' To Die

ディランのボーカルとギター・プレイが見事にマッチングした曲。

6.Pretty Peggie-O

この曲は、サイモン&ガーファンクルものちにカバーしているが、ディランのカバーとはまったく解釈が違っている。ディランは妙な軽快さでこの曲を仕上げている。

7.Highway 51

ディランの力強いギター・プレイが聴かれる曲。また、ブルース・シンガーとしても並々ならぬ才能を発揮している曲といえる。最後のフレーズは、なかばヤケになって吠えまくっている。

8.Gospel Plow

この曲でもディランのすばらしいハーモニカが聴かれる。うなるようなボーカル(最後のほうのフレーズでは声が裏返ってしまうところもあるが)も最高だ。

9.Baby,Let Me Follow You Down

イントロでギターを弾きながらこの曲の解説をするディラン。何とも暗いボーカルが印象的。後年もディランはこの曲をよく歌った。1965〜66年にかけてのザ・ホークス(のちのザ・バンド)とのツアー、そして有名なのは1976年のラスト・ワルツでのパフォーマンスである。

10.House Of The Risin' Sun

のちにアニマルズのカバーで有名になった曲でもある。曲のテーマそのものが決して明るいものでないこともあるが、このアルバムの中では誠実なボーカルが印象的。ハーモニカが入っていないかわりに、ボーカルに力が入っており、物語を感動的に盛り上げている。

11.Freight Train Blues

軽快なブルース曲。

12.Song To Woody

ディランに大きな影響を与えたウディ・ガスリーに捧げた曲。誠実なボーカルが印象的。1992年にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた「ボブ・フェス」では、なにやら気恥ずかしそうに歌っていた。

13.See That My Grave Is Kept Clean

本アルバム最後の曲。決して最後を飾るという表現は当てはまらない暗い曲である。


The Freewheelin' Bob Dylan