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Compilations&Others  Column


                    

Blonde On Blonde

Blonde On Blonde

【Released:1966.5.16】

60年代ロック・アルバムの最高傑作と評価されるディラン7枚目のアルバム。前作でディラン流ロックを見事に展開し勢いに乗った本アルバムは、ディランにとってもロック・ミュージックの世界にとっても初のダブル・アルバムであり、内容も充実。本作では初めてレコーディングの場所が、ニューヨークからカントリーのメッカであるナッシュビルへと移動。そのためか、前作で感じられたような硬質のロックン・ロールはやや息を潜めている。収録された14曲はいずれもディラン独特の癖のある曲ばかりだが、よくよく聴いてみれば意外とポップな曲が多いのもこのアルバムの特徴であり、ディラン・ファンならずとも一度は聴いてほしいアルバムである。 なお、このアルバム発表直後の1966年7月29日、ディランはニューヨーク郊外のウッドストックでモーターサイクルを運転中に転倒事故を起こし瀕死の重傷を負い、長い隠遁生活を余儀なくされることになる。

1.Rainy Day Woman#12&35

マーチ風のドラムで始まる陽気なファースト・ナンバー。この曲を評して「ニューオーリンズの娼館で繰り広げられる乱痴気パーティ」という人もいたが、たしかに尋常じゃない雰囲気は伝わっている。そもそも"everybody must get stoned"という詩のフレーズから、しばしばこの曲とドラッグとの関連について取りざたされているが、演奏自体もディランのこの時点までの作品では最高にクレイジーな感じがする。

2.Pledging My Time

この曲ではディランが最高のハーモニカを吹いている。バックの演奏がかなりバタ臭くこなしているが、全体的にはかなりかっこいいブルース曲に仕上がっている。 

3.Visions Of Johanna

ディランのギターとハーモニカのイントロで始まるこの曲は、典型的なディラン流フォーク・ロックといえる。妙に穏やかなディランのボーカル、そしてこのアルバムの中でも最高と思われるディランの声質、それを支えるバックの演奏(とくに押さえの効いた絡まるようなオルガン)がこの曲全体の絶妙なバランスを醸し出している。

4.One Of Us Must Know (Sooner or Later)

このアルバムでは唯一のニューヨーク録音。そしてバックを務めるのはザ・ホークス(のちのザ・バンド)である。曲自体のできばえも見事だし、演奏はもちろん申し分ない。

5.I Want You

軽快なナンバー。アレンジのうまさが目立っている。下手なのか上手いのかよくわからないディラン独特のボーカルは誰にも真似のできないものであろう。

6.Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again

これまた軽快なフォーク・ロック。詩の中に登場する人物の多彩さも際立っている。この曲でもオルガンがいい味を出している。ディランの粘りつくようなボーカルも申し分ない。

7.Leopard-Skin pill-Box Hat

かなりバタ臭い感じのブルース曲。やや字余りなボーカルだが、曲自体はよくできている。なお、この曲では一部でディランがリード・ギターを弾いているが、「とりあえず」といった感じ。

8.Just Like A Woman

曲自体の美しさ、ディランのボーカル、バック演奏、アレンジいずれをとってもこのアルバムでは最高の出来といえる。とくにディランの言葉の発音が耳に心地よい。詩の内容は同性愛者のことをいっているのかどうか分からない。ちなみに解釈はまったく違うものの日本では岡林信康がこの曲に対するアンサー・ソング(?)を書いている(タイトルは「まるで男のように」)。

9.Most Likely You Go Your Way And I'll Go Mine

妙に安っぽい演奏がこの曲のこのアルバムでの地位を落としているような気もするが、結構これがベストのアレンジなのかもしれない。ディランのボーカルも「我が道を行く」感じで、なんとなく気がない感じがするのだが・・・。

10.Temporary Like Achilles

曲も演奏もそつなくまとまっているといった感じ。とはいっても、ディランのボーカルとハーモニカはかなりいい感じである。

11.Absolutely Sweet Marie

これはディラン流のポップ・ソングなのだろうか?軽快なリズムに乗ってディランがかなり気持ちよさそうに歌っている。とにかく、ボーカルが上手いとだけ書いておこう。

12.4th Time Around

ふっと登場する曲なのだが、妙に印象に残る曲。シンプルながら、非常に美しいメロディーはやはりディランならではといった感じ。とにかくメロディアスなセンスが光っている。

13.Obviously 5 Believers

場末のクラブで聴かれるようなちょっと粋なブルースといった感じの曲。この曲でも、ディランの意外と上手いボーカルを聴くことができる。

14.Sad Eyed Lady Of The Lowlands

アルバム最後を飾るのは11分以上におよぶ大作。アナログ盤では、1面全部が費やされていたが、当時としては恐らく前代未聞だったのではないか?ディラン自身の記憶にはややあいまいなところがあるが、のちのアルバム《Desire》に収録されている<Sara>という曲の中で、ディランはこの曲を当時の妻であったサラのためにニューヨークのチェルシー・ホテルで書いたことを告白している。

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