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Compilations&Others  Column


                    

Another side of Bob Dylan

Another side of Bob Dylan

【Released:1964.8.8】

ディラン4枚目のこのアルバムは、1964年6月9日にたった1日のセッションで録音された。そのアルバム・タイトルが示すとおり、ディランのアナザー・サイドが意識された作品に仕上げられている。

1.All I Really Want To Do

私は英語にはまったく自信がないが、とくにこの曲はディラン一流の語呂遊びの典型ともいえそうな韻を踏んだ詩が特徴的である。ディランについてあれこれ解釈する人は私自身も含めて世界に数え切れないくらいいるが、この曲はそうしたすべての人に対するディランからのアンサー・ソングのような気がする。

2.Black Crow Blues

このアルバムでは唯一ピアノの弾き語りで歌われる曲。以後、ディランはピアノによる数々の名演奏を聞かせてくれるが、この曲での演奏もかなりユニークである。

3.Spanish Harlem Incident

この曲の舞台はニューヨークのスパニッシュ・ハーレム?ジプシー・ギャルとはいったい誰なのか?単なるラブ・ソングというには難解すぎるが、深く考えるのはよそう。

4.Chimes of Freedom

このアルバムの中では、かなり丁寧に演奏するディランが印象的である。ディランは、詩人としても評価が高いのは言うまでもないところだが、この曲は詩もさることながら曲の美しさに特徴がある。メロディー・メーカーとしてのディランに注目したい一曲。

5.I Shall Be Free No.10

久々のトーキング・ブルース。あれこれ考える余裕のない愉快な曲。だが、詩の内容はかなり辛辣。ディランは1964年時点で早くも一流のラップ・ミュージックを完成させた。

6.To Ramona

この曲も一流のメロディー・メーカとしてのディランの真価が発揮されている曲。ディランのボーカルも丁寧かつ誠実である。

7.Motorpsycho Nightmare

ほとんど起伏のないメロディーに乗せて歌われるこの曲は、かなりロックぽい。詩の内容もかなり寓話的で、のちのフォーク・ロック時代の前兆ともいえるスタイルの曲。

8.My Back Pages

この曲も、曲自体の美しさが特徴的である。最後のフレーズ"I was so much older then,I'm younger than that now."は意味深である。

9.I Don't Believe You

曲自体の出来はすごくよいのだが、演奏はあまりにもラフである。演奏途中でも誰かの笑い声がそのまま入っている。たった1日でアルバムを仕上げてしまうというレコーディング日程の悪条件を考慮しても、この曲の評価を台無しにしてしまっている。しかしながら、その失敗をディランはのちのライブ・パフォーマンス(とくに1966年頃のザ・ホークスとのワールド・ツアーでのパフォーマンス)で見事にカバーしている。

10.Ballad In Plain D

恋人スーズとの別れの歌。かなり嫉妬深いが丁寧に歌っている。ハーモニカもいい。

11.It Ain't Me,Babe

初期ディランの代表曲。これも別れの歌。あるいはプロテスト・シンガーというレッテルに対する反抗の歌か?いずれにしても、最後を飾るにふさわしい誠実で丁寧な演奏に安心する。

 The Times They Are A-Changin' Bringing It all Back Home