special コシアカツバメのいた夏!


1.飛来

 2008年の7月のある日、フト ベランダを眺めると、異常に小石のようなものが散乱しているのを発見。「何じゃこりゃ?」と思いベランダに出てみると、ひさしと壁の間にツバメが巣を作っているのを発見!そうこうするうちに、複数のツバメが我が家に突進してきて、自分の姿に気づくと急上昇を繰り返すアクロバット飛行を開始した。

 元々動物好きなことに加え、子供の頃からツバメの巣がある家に憧れていたのだが、なにせ今の住居はマンション、糞害その他でご近所から苦情がくるやもしれんなぁ...と30分ほど悩んだ後、泣く泣く巣をモップで破壊。その光景を見たツバメ達は「○×△☆# (ノ゜ο゜)ノ ー!!!」と明らかに奇声を上げながら、今度はベランダ横の水平飛行を繰り返した。その日は、自己嫌悪にさいなまれながら、気分悪く寝る。

 翌日、しかし、彼らは根性のあるツバメ達で、破壊工作にめげることなく、同じ場所で巣の再建を始めた。「もういいや、文句がきたら大喧嘩してやろう。」と腹を決め、巣の再建を半分喜びながら黙認。会社で家にツバメの巣がある先輩に話を聞くと、糞害は雛だけで、それも巣の周りだけだからそんなに心配しなくてもよいとのことで、とりあえず一安心。

 それにしても...ピストン飛行を繰り返す彼らを見ていると、どうも普通と違う。ツバメって、腹 白くなかったっけか?このツバメ達は妙に褐色がかっている。特に主翼と尾翼の間の胴体がなんか赤っぽいぞ??? 情報収集に関してインターネットはホントに便利、Google使ってツバメで検索すると、たちどころに答えが判明した。彼らはコシアカツバメという種類のツバメらしい。特徴は、普通のツバメより、ちょっと大型で、腰の部分が赤く(だからコシアカ)、斑点があり、飛行方式は滑空する傾向が強く、トックリ型の巣を作る夏鳥らしい。そういや、普通のツバメって5月頃飛んできて繁殖してたもんなぁ。それにしても、巣はどうみても籠形なんだけど...。

 

 

1. 7/20ぐらい
 

2. 8/17
 

3. 8/31
巣の変遷 : 1.は建設中の巣、トックリ型の巣を作ると言う割りにはごく普通の籠形の巣、外周が黒っぽいのは施工したての湿った部分、2.は雛が孵化して1週間ぐらい経った頃、出口が広いせいか雛の墜落が相次いだ(後述)、3.は雛の見かけが成鳥と同じぐらいになった頃、親鳥は増改築を始め、なんとなくトックリ型になったんだけど...そんなんだったら最初っからちゃんと作れよ!

 何はともあれ、我が家の居候夫婦を昔飼ってた犬とアジエンスのお姉さんに因んで、「ツバル」と「チュン・ツィー」と命名、どっちがどっちか見分けつかんけど...それによく考えたら、「ツバル」って温暖化で水没しそうな島の名前ぢゃねーか!


2.レスキュー

 会社絡みの勉強会でお世話になってる女性から、「ツバメ?あれよく巣から落ちるんですよ...」と気になる発言を聞き、グライダー仲間のブログでもよく落下する旨を目にした。我が家のツバメの巣は75cmの脚立の上に立っててを伸ばしても、まだ4,50cm高いところにある。落っこちたら...戻せるのだろーか?

 情報に違わずウチのツバメ達もよく落下し、1羽は火ばさみを改造した治具で戻そうとしたが、巣穴の角度が悪くて戻せず そうこうしているうちに衰弱で、2羽は自分が帰省中の落下だったため発見が遅れ助けられなかった。帰省から戻った日の夕方、「ギイギイ」と鳴き声がするので、巣を見上げてみると1羽の雛が巣から乗り出すような態勢で鳴き続けていた。「オイオイ、また落ちるんじゃないのか?」と思ってたら、案の定、夜になってその最後の1羽が落下した!幸運なことに、最初の雛の落下経験を踏まえて、巣の下に糞受けの為に設置したプラスチックバットにシュレッダーで裁断した紙をクッションとして敷き詰めた 通称:ツバメキャッチャー に落下したため無傷ではあるようだった。

 さて、どうしたものか。

 先述の友人のブログ情報から、雛を直に触って人間の臭いをつけるのは良くないらしいので、実験用のディスポ手袋を付けた上で、とりあえず雛をシュレッダー紙を詰めたアイスの空き箱に移し、自分はMR2を駆って閉店前のDIYショップに駆け込んだ。店内を物色した結果、安い窓ふきモップを発見!角度を変えられる板状の取り付け部があり、これに雛が落ちないよう囲みを付ければ何とかなりそうだ。と、言うわけで、窓ふきモップと囲み用のボール紙、それと雛が衰弱しないよう小鳥用の巣を購入して家に戻ると、早速巣へ戻す治具、通称:ツバメトランスファー の工作を開始し難なく完成! 夜中に戻すと、寝ている親鳥を脅かし、その後巣に戻ってこなくなる危険性を考え、夜明けを待ってレスキュー・オペレーションを開始することにした。大体、夜中に薄暗いベランダで脚立乗ってなんかやってたら、近所から怪しいオジさんに見られて不愉快だ。

これがツバメキャッチャー
 

こちらがツバメトランスファーと同インジェクター!
     

返す直前のギイ(雛)、ツバメって意外と足がしっかりしてる。
 

無事巣に戻り、掃除中の自分を覗き込むギイ。

 気になっていたのか、日の出と共に起床。早速、ギイと名付けた雛をトランスファーに乗せてみる、この際手袋着用は言うまでもない。初めは少し暴れたが、すぐにおとなしく鎮座した。しかし...これだと鎮座したまま巣に移らないんじゃないか? それなら、なんかで押し出せばよい。そう思って手近にあったミニビリヤードのキューに針金を使ってフックを取り付けた 通称:ツバメインジェクター を急遽作成した。

 戻す前にまずギイの写真を撮り、失敗して落下した時のことを考え巣の下に大きめのクッションを置き、トランスファーに乗せておとなしくなったところで、もう片方の手でインジェクターをつかみ、慎重に脚立の最上段に登る、5階から落っこちたら...痛いだろーなぁ(笑)。始めにトランスファーを巣に寄せて少し角度を付けてみるが、案の定動こうとしない。そこでインジェクターを囲みの後方に入れ、ゆっくり前に押し出してみたるとやっぱり抵抗して動こうとしない、囲み部は状態が見えるように透明のプラ板で作るんだったな。上記操作を何回か繰り返したところ、何となくギイの一部を巣に押し出せたようなので、ゆっくりトランスファーを引いてみると、巣とトランスファーの間にギイの胴体が見えた。そこでインジェクターを引き抜き、これで下から胴体を持ち上げてやると...移った!レスキュー・オペレーションは大成功!!!


3.生態

人見知り? : 自分が一度巣を破壊したせいかもしれないが、コシアカツバメは人がいると巣の近くまで接近するものの、絶対巣に入ろうとしない。Wikipedia等の記述に寄れば、コシアカは本来は岩場などに巣を作っていたのが近年人工物に進出してきたようで、普通のツバメ程人慣れしていないのかもしれない???

威嚇→親善飛行? : ベランダに出て巣のに近づくと、親鳥たちはけたたましい鳴き声を上げてマンションの横でピストン飛行を繰り返したが、ギイを戻してやった後は、何となく鳴き方がおとなしくなった様に思えるのは...単なる思いこみ?

アウトプリンティング? : ギイをレスキューした後、夏休みが数日続いたので、自分がベランダにでるとギイは顔を出して、自分の動きを見つめていた。嬉しいことは嬉しいが、もしやインプリンティングされて、自分を親と思いこんでるのではないかと心配になった、が、休みが終わり昼間留守がちになると、すっかり忘れ去られたのか殆ど巣の奥に籠もり姿さえまともに見れなくなった。あまり人に慣れすぎるのもどうかと思ったので、安心はしたものの、ちょっと寂しい(笑)。

引きこもり : 上記内容にも関係するが、普通のツバメのように巣の縁に雛が鈴なりになって餌を貰う光景は全く見られなかった。これは巣の構造も大きく関係していると思う。

夜泣き : 雛は夜中、「ギイギイ」と蛙か虫の幼虫のような鳴き声で鳴き続けることが多い。単に今年が暑すぎただけなのかもしれないが。とにかく、姿は見えなくても、夜中この声が聞こえると、「ああ、今日も無事だ」と一安心。

集団飛来 : 親鳥が巣にはいると、他のコシアカ達が次々と巣の周囲に飛来し、時にはドッグファイトが展開されることがある(You-tube参照)。他のカップルによる巣の争奪戦なのだろうか?

 こうして、3〜4週間、いつの間にかギイは無事巣立ったようでとりあえずは一安心。コシアカツバメの群生は、9月の下旬現在(9/23)、まだ我が家の近郊に生息しているようで(注:成鳥は川縁のアシなどに巣を作り集団で生活するらしい)、以前より警戒心のない鳴き声を発しつつ我が家のベランダ横で親善飛行を繰り返している。先日、集団飛来した際、一羽の小振りなコシアカが自分の近くを何度も往復したが、あれがギイだったと思いたい。来年もまた来いよー!(でも、集団で巣を作られたらどうしよう...)


MOVIE

  

 リモコン撮影なども試みたのですが、デジタル一眼はレンズがでかいせいか、どうもツバメ達は警戒して寄りつきません。やむなくビデオでつけっぱなし撮影をしたのがこの動画、MPEG化した後、You-Tubeにあげてみました。後付ですが、右がツバル、左がチュン・ツイー、ツバルの方が色が濃くアグレッシブ、でも以外とツバルの方が♀かも??? 普通のツバメがどうなのかよく知らないですが、結構いい声で鳴きます。因みに左の動画では、最後にちょっとだけギイの頭が映り、しばらく「ギイギイ」と鳴き続けています。


Photos 1 : くつろぎの一時

この大判2コマは35mm換算630mm相当で撮ったコシアカツバメです。後部胴体が茶色っぽく、胸から腹部にかけて点々があるのに注目。


Photos 2 : Their flights

 言うまでもないことですが、ツバメは、早い!(スーパークルーズ)、高機動性!(ハイ・マニューバビリティ)、的が小さい!(ある意味ステレス?)、とF-22みたいな鳥で、何回か300mm付オートフォーカス・デジタル一眼で撮影を試みましたが、全然追随できず飛行中の写真を撮るのは諦めていたのですが...。 HPに載せる写真は、多少画素が粗くてもごまかせるので、発想を変え、低望遠で画像サイズの大きい写真を撮り、それをトリミングすることにしました。以下の写真は、NikonD70に80mmの望遠を付け、ピントは10mで固定し、1/1000でとにかく数打つことで撮った写真です。ん〜まあまあかな。ツバメ達も口径のでかいレンズの割りには、割と近く飛んでくれたしネ。因みに、ビデオ画像もあるのですが、これは結構ご近所が映ってるので、プライバシーの関係もあり公開は止めておきます。

HEAD ON!の図、割と気に入ってる1コマ
 

当たり前だが...ちゃんと風切り羽もある。
     

高速飛行中、なんかB2みてぇ
 

一番ツバメっぽい飛び方かな。

 

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