政策内容のフォロー・検証(2) 2008/01/14〜05/11/28

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構成的政策体系への変換

 

 1.構成的視座構造

   “営存都市”へのアプローチ

 2.地方自治体政策体系の内容

 3.新たな分類表の例

1.構成的視座構造
  上記の羅列的視座構造の問題点を克服していくためには、構成的視座構造により基本施策をみていく必要がある。何故なら、課題はそのアイテムに止まるわけではなく、他の施策とも絡みあうし、政策全体にとって問題になることもあり得る。それには常に体系全体をダイナミックにみることを可能にする視点を設定しなければならない。改革を進めていくためには、この視座構造が不可欠である。 当然、性格は体系化されている。 政策体系図
 
 そこで筆者が考える基本政策の分け方を提示してみる。これはビジョンから導き出すものであり、そのビジョンを“営存都市”としする。
 営存都市

 “営存都市”の営存とは統計学者として著名な北川敏男氏の造語である。北川氏は『営存』を実存と経営との接面で捉えた概念とし、存続しかつ活動を営み続ける、と述べている。
 今で言えば「サスティナブル」という言葉を誰でも思い浮かべる。しかし、おそらく、「持続」というだけでは言い表せない、曰く言い難い人間的要素を含む感覚を表現しようとの試みである。それが“営み”の持つ語感である。即ち、続けることだけではなく、日々の“人間的な営み”を豊かにする、そのような意味合いも考え、その基盤となるサービスを構築することが自治体のミッションである。

 自治体の政策体系の中核には『営存都市』のビジョンに沿って『ライフサイクル』に係わる諸政策をおくことである。その回りに生活環境、更にそれを囲んでインフラ、産業、文化等が配置される。ライフサイクルと自治体政策の基本的構造は変わらないが、最近の動向は、0歳児からの保育、シニア世代の地域参加への誘い、老人の予防介護の提唱なども加わり、自治体政策が我々の生活全般にわたって益々侵入してきていることが判る。  

2.地方自治体 包括的政策体系の内容 政策体系図 

 “営存都市”に即した政策体系の考え方を少し詳しく説明する。重要な処は、基本 体系と基本政策を決め、後の具体策はすべてその中に収めることである。7基本体系のなかで、「T.基本計画」が土台であり、他の基本体系の項目はすべてその上に載っている。

 1)構想、2)財政、3)予算が三本柱である。特に、財政・予算が構想の具体的表現になることを良く分析する必要がある。議会・市民にとって一番の弱点とする処であ り、心して理解に励む必要がある。4)行政、5)議会、6)住民自治、7)自治組織、8)人権はそれぞれ活動する主体を表現している。7)自治組織はNPO等と考えられるが法人、企業 も原則的に含んでいるはずであるし、8)人権には外国人への対応を考えてもよい。

 「U.ライフサイクル」が具体的な政策として中核であり、その回りを「V.生活環境」が取り巻いている。 その回りに更に「社会基盤」としての「W.地域デザイン」、「X.インフラ」、「Y.産業」、「Z.文化・スポーツ」が取り囲んでいる。

 「U.ライフサイクル」は1)保育・幼児、2)児童/子ども、3)初中等教育、4)高等教育、5)仕事/失業、6)中高年、7)介護で“一生”を表現している。 8)障害、9)福祉はその中で特に政策強化が必要な部分を示している。

 他には特に説明の必要はなさそうに思える。一つだけコメントとして「W.地域デザイン」に触れておきたい。都市計画はあるものの、全体との繋がりを保ちながら地域の整備等を行うことが都市においては重要である。これに相当するアイテムをひねり出したものである。“デザイン”することは、まちつくりの基本と考える。しかし、川崎市の表現は「活力にあふれ躍動する」という表現で、“デザイン”というコンセプト が存在しない。

 また、「社会基盤」ー「生活環境」ー「ライフサイクル」間には、その政策において繋がりがあることは勿論である。「社会基盤」としてのゴミ焼却炉を削減しようとすれば、「生活環境」としてのゴミ回収方式を見直す必要がある。更に市民ひとりひとりのゴミ削減も求められ、「ライフサイクル」におけるライフスタイルの変更も必須になる。但し、これが政策として成立することなのか?判らない。しかし、ここまでくると、生活そのものまで立ち入られる可能性を含んでいることは充分認識しておくべきことである。昨今の「レジ袋問題」はこのことを象徴するのではなかろうか。

基本政策  T 基本計画  「政策全体の土台となる」 

1)構想 2)財政 3)予算 4)行政 5)議会 6)住民自治 7)自治組織 8)人権

基本政策  U ライフサイクル 「各世代に対する中核の政策となる」

1)保育・幼児 2)児童/子ども 3)初中等教育 4)高等教育 5)仕事/失業

6)中高年 7)介護 8)障害 9)福祉

基本政策  V 生活環境  「直接、日常的生活に係わる」

1)安心/安全  2)市民サービス 3)保健/医療  4)消防/救急  5)地域交通

基本政策  W 地域デザイン  「生活環境を取り巻く基盤として」

1)都市計画 2)住/街中環境  3)駅拠点整備  4)港湾整備  5)自然保護 6)景観

基本政策  X インフラ  「生活環境を取り巻く基盤として」

1)動力 2)道路/交通 3)防災  4)環境  5)廃棄物

基本政策  Y 産業  「生活環境を取り巻く基盤として」

1)事業支援 2)連携/提携 3)誘致/環境整備  4)中小企業振興  5)商業 6)農業

基本政策  Z 文化・スポーツ   「生活環境を取り巻く基盤として」

1)広報  2)支援/振興 3)場の運営/提供 4)参加/交流

3.新たな分類表の例 225の主な施策を含めた一覧表

以下は営存都市をイメージして新たに起こした7基本体系による「43基本施策」の例示である。

基本政策  V 生活環境

 1)安心/安全 2)市民サービス 3)保健/医療 4)消防/救急 5)地域交通

基本体系  基本政策   川崎市分類   主な施策―基本施策―基本政策ー基本 体系

生活環境 安心/安全 T 1 (1)   (1) 安全な地域社会の確立 
生活環境 安心/安全 T 1 (1)   (2) バリアフリー化の推進(再掲) 
生活環境 安心/安全 T 1 (3)    (3) 動物の愛護と管理の促進 
生活環境 安心/安全 T 1 (3)    (4) 葬祭場等の管理・運営 
生活環境 市民サービス T 1 (1)   (3) 消費生活の安全を守る 
生活環境 市民サービス T 1 (3)    (1) 食品衛生など安全な生活の確保 
生活環境 市民サービス V 1 (3)    (3) 消費生活の安定向上 
生活環境 市民サービス VII 2 (2)    (1) 区における市民活動支援体制の整備 
生活環境 市民サービス VII 2 (2)    (2) 区における市民利用施設のネットワーク化 
生活環境 市民サービス VII 2 (3)    (1) 利便性の高い快適な窓口サービスの提供 
生活環境 市民サービス VII 2 (3)    (2) 区役所と支所、出張所等の機能分担と効率化 
生活環境 市民サービス VII 2 (4)    (2) 区役所機能の強化
生活環境 市民サービス VII 3 (1)   (1) 市政情報の提供 
生活環境 市民サービス VII 3 (1)   (2) 電子市役所の充実 
生活環境 市民サービス VII 3 (1)   (3) e−区役所構想の推進 
生活環境 市民サービス VII 3 (1)   (4) ITを活用した参加と協働のしくみづくり 
生活環境 市民サービス VII 3 (1)   (5) 安全で効率的な情報化の確保 
生活環境 市民サービス VII 3 (2)    (1) 総合コンタクトセンターの設置・運営 
生活環境 保健/医療 T 1 (3)    (2) 結核・感染症の発生と拡大防止に向けた対策 
生活環境 保健/医療 II 3 (2)    (1) 国民健康保険制度の安定した運営 
生活環境 保健/医療 II 3 (2)    (2) 医療費等の支援の実施 
生活環境 保健/医療 II 3 (2)    (3) 公害健康被害者の救済及び健康の回復の促進 
生活環境 保健/医療 II 3 (2)    (4) 国民年金制度の実施 
生活環境 保健/医療 II 4 (1)   (1) 市民の生涯を通じた健康自己管理への支援 
生活環境 保健/医療 II 4 (2)    (1) 市民が主体の健康づくりへの支援 
生活環境 保健/医療 II 5 (1)   (1) 地域における医療機関の連携の推進 
生活環境 保健/医療 II 5 (1)   (2) 医療人材の養成の推進 
生活環境 保健/医療 II 5 (2)    (1) 医療の質及び患者サービスの向上 
生活環境 保健/医療 II 5 (2)    (2) 病院事業の効率的な運営
生活環境 消防/救急 T 1 (1)   (4) 火災予防に向けた取組 
生活環境 消防/救急 T 1 (2)    (1) 救急救命士の養成と高度な救急体制の整備 
生活環境 消防/救急 T 1 (2)    (2) 救急医療体制づくりの推進 
生活環境 消防/救急 T 2 (2)    (3) 消防署所等の適正配置と整備(再掲) 
生活環境 消防/救急 T 2 (3)    (1) 消防署所等の適正配置と整備 
生活環境 消防/救急 T 2 (3)    (2) 消防活動体制の整備など災害対応力の向上 
生活環境 地域交通 T 4 (3)    (1) 市バス事業の効率的な経営とサービスの向上 
生活環境 地域交通 T 4 (3)    (2) バス交通の利便性向上 

 


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