2006年08月の山
 木曽駒ヶ岳〜三ノ沢岳〜将棋頭山  トムラウシ山縦走  峰の松目  赤沢岳〜針ノ木岳〜蓮華岳
 編笠山


 8月30日 編笠山2523.7m(長野県) CL

 昨年、仲間たちで計画していた「ネパール・エベレスト街道行き」が私個人の事情で流れてしまい、みんな、ごめんね〜と、今年こそのネパール行きに賭ける私たちです。
 その11月のネパール行きも計画が着々と進み、エンジンを温める段階になってきました。
 そこで、今回はネパールのトレッキングに向けてのトレーニング山行を試みます。わざわざトレーニングなどしなくともいつも行ってるんじゃないのっ〜と大向こうから声が掛かりそうですが、ま、いいじゃない(^^)

 

編笠山登山口の観音平。

 小海町から八ヶ岳高原ラインに入り、通いなれた道路をひた走ります。
 清里を過ぎ、天女山入り口を過ぎると程なく、観音平への道が右に分かれます。
 白樺や唐松の美しい林の道の奥が登山口の観音平です。編笠までは約3時間半の道のりです。
 天気予報は曇りですが、上に行くまでには晴れてほしいな〜、林の中の静かな道を行きます。

うっそうとしたシラビソの森を登っていきます

 道は最初は小鳥の囀る、穏やかな登りですが途中からは勾配が増し、大きな岩のゴロゴロとした沢沿いを行きます。
 静かなシラビソの林の中にはあまり鳥の囀りもありません。早朝の部の囀りが終わったところやね〜
 ウィークディですがいくつかのパーティーが登っていきます。雲海展望台まで来ると林に覆われていた空が突然開けました。休憩。
 再び、道は急登となり、ゆっくり歩いていくと押手川の分岐地点にでました。直接編笠山に登りあげるルートと青年小屋経由のルートとがここで分岐しています。

到着の編笠山々頂はポツポツと雨粒が


 急勾配の登山道から振り返ると、雲の中に光っている町並みが望めます。小渕沢の町かもね。
 途中からポツポツと雨粒が落ちてきたり止んだりの天気になってきました。
 これじゃあ山頂の展望は期待できないね〜!(´`)
 最後の急勾配をクリアすると編笠状の山頂に躍り出ました。おつかれさま〜!と、ネパールの前途を祝って祝杯をあげたいところですが、ぽつぽつと、無情の雨粒が‥
 

北斜面を青年小屋を目指します

 仕方なく、北側に下りたところに建つ青年小屋に降りてランチにすることにします。
 ハイマツの中の急勾配を降りると、北斜面全体がゴロゴロと大きな岩に覆われたルートとなります。
 岩の間に足を挟まれないように!と言っているうちにKさんの足が‥

目前の青年小屋

 まもなく着いた青年小屋の休憩室を借りてランチ。
 Hさんのザックから出てきたBEERでカンパ〜イ!エベレスト街道に思いを馳せながらランチをお腹いっぱいにほおばるメンバーです。
 
 帰路は青年小屋から巻き道を経て押手川に戻りました。この頃から陽射しが戻り、ネパールに向って拓ける、明るい下山路となりました。
 

コースタイム
 観音平8:40〜雲海展望台9:25〜押手川10:05〜編笠山11:40〜青年小屋12:20-13:30〜観音平15:30



 8月26〜27日 赤沢岳2677.8m〜針の木岳2820.6m〜蓮華岳2798.6m(長野、富山県)

                      岩小屋沢岳〜鳴沢岳〜赤沢岳〜スバリ岳〜針の木岳〜蓮華岳

  
 北アルプスの白馬岳から鹿島槍ヶ岳にまっすぐに続く山脈は爺ヶ岳で大きくカーブを見せます。そのカーブの先、針ノ木岳へと続く稜線は種池の辺りから、ぐっと登山者の数も減少して静かな山歩きとなります。
 富山県、長野県の県境を跨ぐこの北アルプスの稜線を4名のメンバーで辿ってみます。

 柏原新道の登山口はすでに満車状態なので、扇沢駐車場に車を止めます。
 爺ヶ岳や鹿島槍への登山口でもある柏原新道は、いくつものパーティーが稜線を目指し、登って行きます。
 柏原新道の上にはコバルトブルーの空が広がり、さまざまな花に励まされながら、新道を行くと目指す種池山荘の屋根が稜線に見えてきました。2時間半ほどの登りで種池に着きます。
 「種池」と言う命名はもちろん小屋の脇にある池の名前から採ったものに違いないのですが、小ぢんまりと小さいので池はどこにあるの?と、目の前の池に気づかない人もいます。「これや、これや〜!」



原新道を行くとやがて種池山荘の屋根が
垣間見えてきました

 
登山道には夏の終りの花たちが‥
コウモリソウ



途中の沢の雪渓が今年の雪の
多さを物語ります



愛らしいシロバナニガナ


鏡のような小さな種池



種池山荘に到着、
向こう側は爺ヶ岳です



 種池山荘でランチ。ここで、登山者は鹿島槍方面を目指す人と、私たちのように針ノ木岳方面を目指すものとに袂を分ちます。小屋前にたむろする大勢の登山者のうちのほとんどは思ったとおり、爺ヶ岳と鹿島槍を目指してやってきた登山者のようです。

 ランチを済ませ、稜線上を今日の宿泊地、新越山荘を目指し、出発します。
 おそらくこの稜線にも今月上旬まで雪があったのではないでしょうか。雪の後の高山植物たちが「精一杯」という風情で咲き乱れます。
 2532mの無名峰を越えると本日のメイン、岩小屋沢岳です。地味なピークですが大きな尾根が北西に向って延び、地形図で見ると十字峡に達しています。
 稜線上のハイマツの中から、雷鳥の親子が出たり入ったりしてメンバーの目を楽しませてくれます。
 ここから直下の新越山荘に降りるとここが今日の宿泊地です。山荘は前の週までは布団一枚に二人という状況だったとか。今日は布団一枚にゆったりとひとりで休みます。


レイジンソウの姿もちらりほらり‥


今日のメインピーク、
岩小屋沢岳2630.3m



小ぢんまりとした新越山荘
一階建てのように見えても二階!


小屋前の夜明け、針の木雪渓を望んで


 さて、新越山荘の一夜が明け、100円也のお湯をゲットしてテルモスに満たし、出発します。
 今日は、無名峰も入れて針ノ木岳まで5つのピークを踏み、さらに蓮華岳まで足を伸ばしてから針ノ木雪渓を下る予定。がんばらな〜〜
 小屋のすぐ脇から始まるお花畑を楽しみ楽しみ、最初のピークを目指します。縦走路は今まさに夏の終わりを華麗に飾る、ウサギギクやトリカブト、キンポウゲなどの饗宴の真最中です。
 やがて小岩峰の鳴沢岳が近づくと対岸のはるか向こうに、7月に訪れたばかりの五色ヶ原が見えてきました。
 「わ〜お、五色ヶ原みたい!と思ったら五色ヶ原やったんやね〜!」

 鳴沢岳を越えるとすぐに、下を通るアルペンラインの雑音が立ち上って来る鞍部に差し掛かり、赤っぽい瓦礫のルートを登り詰めると端正な三角錐の赤沢岳です。
 眼下に見えている青々とした黒部湖は、歩くごとに姿を変えながらも、姿を消すことはありません。対岸の剱岳は上部をガスに包まれ、顔を現してはくれませんが荒々しい山肌が目前に屏風のように広がりを見せます。

 

眼下に黒部湖を望む縦走路のバックには剱岳が


振り返れば遥かな鳴沢岳からの縦走路が‥


目指す先に現れた赤沢岳、奥に岩峰のスバリ
あ〜しんど〜!


赤沢岳はその名の通り赤みを帯びた瓦礫の峰です

眼下に光る黒部湖、遊覧船も見えていました



岩場のミヤマウスユキソウ


 二つのピークを越え、鋭峰のスバリ岳まで来る頃はエネルギー切れで青息吐息、急な登りにハアハアと吐く息も荒くなります。このあたりにはコマクサがたくさん!との情報通り、そこここに咲くコマクサに青息吐息を慰められます。
 たどり着いたスバリ岳の展望は素晴らしいものでした。振り返れば赤沢岳に連なるピークが並び、行き先には堂々とした針ノ木岳が聳えます。針ノ木の左奥に大きく聳える蓮華に、気持ちはうっすらと自虐の色を帯びてきます。
 針ノ木岳でくつろいでいる登山者は大沢小屋経由で、雪渓を詰めてきた人たちが殆んどです。

 針ノ木岳を越えると、さらなる蓮華岳への登りが待つ針ノ木峠です。針ノ木小屋でランチを軽く済ませ、残れる体力に火を点すように蓮華岳への登りに取り付きます。
 蓮華のピークはそこに見えているようでも、手前の高みに上り詰めると、思いがけず、広々としたマウンドが広がっていました。そしてその先にようやく現れた真の蓮華岳山頂です。
 山頂にあるのは「蓮華」という名にふさわしい、石に囲われた祠でした。



スバリ岳より針ノ木岳
まだまだ先は長〜い!



静かな針ノ木岳山頂


針ノ木峠に建つ針ノ木山荘
蓮華岳への登山路がここから始まります



疲れ果てて辿りついた
蓮華岳山頂の祠

 蓮華岳をピストンして下りると次は休む間もなく針の木雪渓の下りです。
 アイゼンをつけず下りを開始しますが、この雪渓は白馬の雪渓に比べ斜度もあり、クレパスがあったり、大きな岩がゴロゴロして気を抜くことができません。雪渓に慣れていないメンバーが何回も転んでしりもちをつきます。
 な、なめたらあかん!硬いシュカブラ状の雪の上を慎重に歩みます。

 雪渓の下部に達するとようやく斜度も緩み、ホッとします。すると、雪渓の取り付きのあたり、篭川左岸に移る地点に「霧ヶ峰散策」といった風情のツアーの人たちの集団がたむろしていました。どうやら雪渓を見るツアーのようです。この山道をこの軽装でやってきたのやろか。危険集団やね〜!やがて雨が降り出しそうだというのに雨具を持っている様子もありません。

    

針ノ木雪渓を注意深く下ります



ベンガラのトレースも消えかけています

 やがて予想どおり、雨が落ちてきました。「さっきのツアー客はどうしたのかしらん?」
 扇沢まで、まだ1時間半ほどの道のりが残っています。大沢小屋でしばし休憩を取り、出発の頃には雨脚はいっそう強まって、足元を覚束なくさせます。
 大沢小屋には『山を想えば人恋し、人を想えば山恋し』という、北アルプス開拓の先駆者、百瀬慎太郎の立派な看板がたてられています。う〜ん、これって山を彷徨する人間には「言い得て妙なる」言葉やね〜!

 降ったり止んだりの雨に追いかけられながら扇沢に着くと、晩夏の陽射しがうっすらと復活して、山旅の終わりを教えてくれたのでした。お疲れさま。

コースタイム
 26日 扇沢6:35〜ケルン8:00〜種池山荘10:50-11:30〜岩小屋沢岳13:40〜新越山荘14:30
 27日 新越山荘5:30〜鳴沢岳6:05〜赤沢岳6:55〜スバリ岳8:55〜針ノ木岳9:50〜針ノ木峠10:45〜11:20
     蓮華岳12:10〜針ノ木峠13:00〜扇沢16:30




 8月11日〜16日 トムラウシ山縦走2141m(北海道) 
                  黒岳〜北海岳〜白雲岳〜忠別岳〜五色岳〜化雲岳〜トムラウシ山
 
 残暑お見舞い!暴力的な暑さが身に堪える毎日です。
 さあ、今週はいよいよトムラウシ、北海道のど真ん中に乗り込みました。
 トムラウシ山は、大雪山と十勝連峰に挟まれるようにして、奥深く横たわっています。いつか、こんな奥まった地を訪れることもあるだろうか、と思っていたトムラウシに仲間たちと共に来ることができて感慨もひとしおです。
 11日午前に、新潟港から車ごとフェリーに乗り、12日未明に小樽港に降り立ったメンバー8人ですがこの奥深い北の大地はどんな表情で私たちを迎えてくれるのでしょうか。

 小樽から車を飛ばし、出発地点の層雲峡に着いたメンバーは肩にずしりと重いザックを背負いなおして最初のピーク、黒岳を目指します。今回は避難小屋に2泊なのでザックはそれぞれ12〜3`程度です。
 すでに陽は高く昇り、黒岳までの登りで汗だくとなってしまいます。
 ほ、ほんとにここって北海道なの〜〜??
 約2時間で黒岳到着。遮るもののない山頂からは、これから行く山々の連なりが見えています。

 

層雲峡のロープウェイ乗場から。
黒岳への稜線です


最初のピーク、黒岳山頂です。
すでに全員汗だく!



黒岳からはるかに望む白雲岳方面



群れ咲くウスユキトウヒレン?

 黒岳から降りると、すぐに黒岳石室の小屋です。
 ここで一本立ててから北海岳に向います。北海沢の流れを横切り、なだらかに昇っていくと、心配していた雷が鳴り出しました。「うわ〜ん、こわ〜〜!」
 リーダーもビビる、何もない裸地の斜面でしたが、降りだした雨もたいしたことにはならず小康状態となります。
 雷の怖さに我を忘れて逃げ降りてきた北海岳の山頂は、標識だけがそそり立つ、雷さまが大好きそうなピークです。
 やがて雷雲が去った台地に虹がかかり、メンバーの感嘆の声があがります。
 目の前に白雲岳が大きく迫ってきましたが行けども行けどもなかなか近づきません。それもそのはず、北海岳からの白雲岳は山麓を大きく巻き込んで、やがてUターンするように登りあげていきます。
 白雲岳への分岐で避難小屋に直行するメンバーと別れ、4人で山頂を目指します。岩のゴロゴロした斜面を登りあげると、小鉢平の向こう側に雲に半分隠れた旭岳が姿を現しました。
 目前に見えていながら、山頂まで2時間を要した、白雲岳です。

 やがて板垣新道の分岐地点に建つ、白雲岳避難小屋に到着。小屋前の清冽な流れを口にしようとすると、先に到着したメンバーから、飲んだらあかんよ〜!と声がかかります。
 恐ろしい(という)エキノコックスを心配してのことでした。

 さて、一息つくまもなく、食事作りに取り掛かります。今回はアルファー米をおいしく食べるためにキーマカレーを作って持って来ました。

 あきこのつれづれレシピ(キーマカレー)
  @合い挽肉を炒め、細かく刻んだしょうがとたまねぎを加えてさらに炒めます。
  A水を加えず、カレールーで濃い目に味付け、チャツネ、ローレルなどの香辛料も加えます。
   (ここまでは家で作ってくると燃料と時間の節約!)
  Bフライパンに油をしかず、赤と青のピーマンとナスのみじん切りを炒めて、挽肉と混ぜ合わせます。
  Cあらかじめ作っておいたアルファー米にのせて、「いただきま〜す!

 う〜ん!なかなか!しまった、写真を撮るのを忘れてしまいました。みんな、お腹を空かせていたのです。

 小屋は心配していた混雑はなく、賑やかな夕食が済むと、ゆったりとシュラフを広げて休みます。ラッキ〜〜!

  

黒岳直下に建つ石室の小屋、向こう側は
小屋よりも立派なオガクズを使ったトイレ



湿地に群れ咲くエゾコザクラ
三日間、私たちの目を楽しませてくれます


北海岳〜白雲岳間にお花畑が続きます



雨も上がった白雲岳山頂


小さなイワヒゲ


やがて見えてきた今日の宿泊地、
白雲岳避難小屋



チシマクモマグサは遠慮勝ちに
すこしづつ点在します




エゾコザクラは濃いピンクの色が特徴です

 翌朝、輝くような朝陽の中に、明日目指すトムラウシを望みながら出発します。
 今日の行程は忠別岳から五色岳、化雲岳を越えてヒサゴ沼避難小屋までの縦走です。
 なんだか怖そうなエキノコックスを怖れ、豊富に湧く飲み水は煮沸して冷ましてからザックに収めます。さあ、飲み水ができたら出発だよ〜!雲上の散歩のような、今日の色彩に満ちたコースを出発します。

 穏やかにどこまでも続く高根ヶ原のお花畑を楽しみながら忠別岳を目指します。
 広大な面積を示す原に、チングルマと、その咲き終わった穂が海のように広がっています。稜線漫歩とはいえ、忠別岳までは4時間、その先の五色岳までは1時間40分、そして化雲岳までが1時間40分、宿泊地のヒサゴ沼までが1時間あまりと、地図上のコースタイムを計ると、ゆっくりペースの私たちの行動時間で10時間近くを要します。「がんばらなあかん!」
 昨夜の白雲岳避難小屋はラッキーにも、ゆったりと使えたけれど、果たしてヒサゴ沼避難小屋は入れるだろうかと小屋に近づくにつれ、不安も増します。
 途中からは昨日と同じく雷も鳴り出しました。夕立の雨にたたられてしずくを垂らしながら小屋に到着したメンバーですが、今日も小屋は空いていました。2階のフロアーに8名分のスペースを確保して濡れたものを乾かします。

 一段落すると、リーダーとサブリーダーが近くの水場に水を汲みに出かけたので、その間を利用して着替えをします。シュラフを頭からかぶり、壁の方を向いてすばやく着替えをします。
 横になってシュラフに潜り込んで着替える方法もありますが、立っていた方が着替えやすいようです。これをすばやくこなせると、いっぱしの縦走ハイカーの仲間入りやね〜(^^)(^^)


 

白雲岳避難小屋の朝
遠く、トムラウシの双耳峰が望めます



振り返れば稜線に
今しがた出てきた避難小屋が‥

トムラウシの雄姿を眺めながら忠別岳を目指します



忠別岳を経て五色岳までやってきました

 昨夜は、雨にたたられた登山者が次々と避難小屋に到着、結局、2階のフロアーもほぼ埋まりました。
 今日はいよいよ主役のトムラウシに向かいます。

 朝陽に輝くヒサゴ沼の脇から雪渓を登りあげます。雪渓の脇には雪解けの水が音を立てて流れており、土地の山慣れた男女のパーティーが屈託なさそうにこの水を口にするので、私もエコノキックスを解禁とします。う〜ん、甘露!
 雪渓の登りが終わるとごろごろと大きな岩が続くルート上をペンキの跡を頼りに行くようになります。
 このあたりはナキウサギがたくさん生息する地域です。さっきからあちこちでキュッキュッと朝の挨拶が聞こえますがなかなか姿を見ることはできません。あっ、いたっ!しかし、臆病なナキウサギクンはすぐに岩に隠れてしまいます。

 道迷いしそうな、だだっ広い日本庭園と、ロックガーデンを通り過ぎるといよいよ、今回の核心、トムラウシへの登りが始まります。
 3日間、雷に会いながらもしぶとく「ラッキーな晴天」を守り抜いてきたメンバーですが、この日も晴天のまま、トムラウシへの急登を登りあげます。
 わ〜お、到着。みんなおつかれさん!
 Kリーダーに笑みがこぼれます。それもそのはず、Kリーダーはこのトムラウシで百名山を完登したのでした。おめでと〜〜!用意してきたワインで乾杯します。
 


鏡のような湖面の朝のヒサゴ沼


ヒサゴ沼避難小屋
比較的ゆったりと泊れたのは幸運でした



ヒサゴ沼をはるかに見下ろす雪渓


鮮やかなエゾツツジの花


トムラウシ山直下まで来ました
さあ、もう少し!



やったね〜トムラウシ山頂です

おめでとう〜!
リーダーの百名山完登を祝います




エゾウサギギク
アルプスのものより大ぶりです

 トムラウシ山頂からの下りは、前トム平を過ぎたあたりから花たちは姿を消し、笹原の殺風景な長い下りが始まります。こちらからの登山口は、短縮コースが作られたため、2時間近くも林道歩きが早くなりました。
 しかし、重荷に喘ぎながら3日間を歩いてきたメンバーはその疲れを隠しようもなく、とぼとぼと行軍が続きます。

 その果てにたどり着いたトムラウシ温泉に身を沈めると、ようやく北の山地の3日間が実感できたのでした。
 おつかれさまでした!
 明日は一日骨休めです。

コースタイム
 12日 小樽港4:50〜層雲峡8:40〜黒岳10:55-11:25〜黒岳石室11:45〜北海岳14:00-
     白雲岳避難小屋16:00
 13日 白雲岳避難小屋6:00〜忠別岳10:15-11:00〜五色岳12:45〜化雲岳14:30〜ヒサゴ沼避難小屋15:40
 14日 ヒサゴ沼避難小屋5:50〜トムラウシ山9:45-10:40〜前トム平13:50〜カムイ天上分岐15:30〜
     短縮登山口16:50〜東大雪荘17:15
 


 8月5〜6 木曽駒ヶ岳2958m、宝剣岳2831m、三ノ沢岳2846.5m、将棋頭山2730m(長野県)
 
 5日
 広大な北アルプス、懐の深い南アルプス、に比べると比較的小ぢんまりと纏まっているので、アプローチが楽な中央アルプスです。
 盟主、木曽駒ヶ岳から細長く伸びる山脈は西側に伊那谷を、東側には木曾谷を従えて、南北にうねっています。昭和42年に開通したロープウェイのおかげで、2612mの千畳敷カールまで一気に登り上げます。
 ハイシーズン真っ只中なので混雑は想定内のことですが、しらび平は大賑わい。
 前回、秋の紅葉シーズンに訪れた時の半日待ち(!)なんてことにならなくてよかった〜(‥); ちなみに今日は2時間待ちです。
 ヨーロピアンムードの木曽駒ロープウェイは一回に60人の観光客を乗せて950mを短時間で千畳敷カールまで運び上げます。
 この週末はまたとない絶好の山日和です。今回は宝剣岳の南から西にのびる尾根を辿って三の沢岳に登り、何回か訪れている木曽駒を通過点として頂上山荘に一泊、翌日は南に聳える将棋頭山を踏んで、しらび平に戻ります。
 全員、この二つのマイナーな山頂を踏むのは、はじめてのメンバー7人です。

 

 観光客でいっぱいの、しらび平ロープウェイ駅から一気に千畳敷カールまで運ばれると、青い空に宝剣岳が聳えています。

 ん?んん?デジカメのスィッチを入れるとなんと、「カードがありません」と表示されてしまいました(´`)
 そ、そうだ、先日カードを出したんだっけっ!
 最近、こんな失敗が多いのは、言われなくとも分かっています!そう、歳を重ねたせいですね〜
 仕方なく、ケイタイに切り替えます。

見上げれば天に突く宝剣岳


眼下の千畳敷カール



 登りあげるほどに今、後にしてきた千畳敷ロープウェイの喧騒がカールの中に遠くなります。
 たくさんの観光客がぞろぞろと千畳敷の遊歩道を散歩するのが豆粒のように見えています。
 
 先週の北アルプスにはまだ雪渓がたくさん残されていましたがここにはどの沢筋にも雪渓が見えません。
 う〜ん、日当たり良好!こんがり焼けそ〜


 
  あたりはシナノキンバイとハクサンイチゲのお花畑です。
 極楽平まで登り上げ、目の前に浮かぶ、あまりにも立派な御嶽山に歓声をあげます。
 極楽平から稜線上を北に少し進んで三ノ沢岳への分岐点までくると南には人が豆粒のように取り付く宝剣岳が目の前です。
 すぐに行くよ〜!

 しばらく歩くと木曽駒ヶ岳の固有種のコマウスユキソウもあちこちに咲いています。可憐!
 ケイタイではその可憐さを捕らえることができません。
 

極楽平


三ノ沢岳への稜線

 いよいよ三ノ沢岳へと西の稜線に踏み込みます。

 すっかりハイマツに覆われた登山道の先に大きく三ノ沢岳が姿を見せていますがその距離はなかなか縮まりません。
 暑さに負け、荷物をこのへんにデポしよ〜とメンバーの一人が言い出し、全員がザックから半分ほどの荷を出してハイマツの陰にデポします。
 
 ランチだけを携帯して軽くなった足取りで三ノ沢岳を目指します。途中、ケルンを通り過ぎます。
 主脈縦走路から少し外れただけで千畳敷の喧騒がうそのような登山道です。
  


 三ノ沢岳からは南に空木岳、南駒ヶ岳のどっしりとした姿、そしてその奥には南アルプスの連なりが並び、東には御嶽山と乗鞍、さらに槍、穂高と続きます。

 振り返れば急峻なカールの上に駒ケ岳が載っていることを実感させる迫力のロケーションです。  

 静かな山頂でランチにします。

来ました!三ノ沢岳


山頂に豆粒のような人を乗せる宝剣

 

 主脈の分岐まで引き返すと、険しい岩場の宝剣岳が目の前です。

 以前にも訪れている宝剣岳ですが、なんだか怖かった記憶がありません。
 ふ〜む、健忘症やね〜!
 鎖場をいくつかクリアし、快晴の山頂に立ちます。


 今回の中央アルプスの主な峰には、手作りのカラフルな山頂表示板がありました。
 彫り跡も真新しいカラフルな木製プレートです。
 
 さあ、宝剣を後にして今夜の宿の頂上山荘に向かいます。下りも厳しい岩場が続くので緊張を解くことができません。 

宝剣岳山頂


二つの小屋の向こうに木曽駒




 宝剣山荘、天狗荘の建つコルで一休みし、駒ヶ岳に向かうと山頂近くを降りた地点に建つ小屋がみえてきました。やったね!今日の食事はなんだろ〜

 夜半、かなりの雨が降ったようでした。 
 

 6日
 夜半の雨も上がり、翌朝も快晴。
 今日は駒ヶ岳の山頂を踏み、馬の背を通って将棋頭山のピークを目指します。将棋頭山も縦走路からすこし外れているうえ、北からの胸突八丁を登ってくる登山者はあまり多くはないので、静かな山歩きが期待できます。

 もう、何年も以前に桂木場の登山口から胸突八丁コースを登って駒ケ岳山頂を目指したことがあった‥過激な登りに疲れてどうにもならない自分の体に不安感を抱きながら、やっと山小屋に到着すると倒れこんでしまった。その時の3人の山仲間のうち、ひとりはクラブを去っていき、ひとりはこの世にすでにない‥
 流れ去った年月を思いながらいっとき、夏の光の中で私は感傷的になった‥

 駒の山頂から二つのコブを越すと、行く手に「聖職の碑」の遭難碑と、それに続く将棋頭山らしき頂が見えてきました。


 
 
 このコース上にもそこここにコマウスユキソウが咲きます。
 カメラがないのでガマン、ガマン。
 その代わりを務めるケイタイもとうとうバッテリーがなくなってしまいました(´`)
 万事窮す!
 

駒ケ岳山頂にて


青空の将棋頭山



 縦走路を離れ、15分ほど登ると、明るく開けている将棋頭山です。
 こんな頂に寄る人は少ないだろうと思っていましたが、下山を始めると何人もの人が登り上げてきます。

 ここでもとび切りの展望をたのしんで、名残惜しい山頂を後にしたのでした。

 

コースタイム
 5日 シラビ平ロープウェイ駅8:40〜千畳敷8:50〜極楽平9:20〜三ノ沢岳9:45〜宝剣岳15:20〜頂上山荘16:25
 6日 頂上山荘6:00〜駒ケ岳6:15〜将棋頭8:25〜馬の背分岐11:15〜千畳敷12:35〜しらび平15:15