ライブハウスの楽しみ方


 私は、ミュージシャンの魅力がもっともわかる場所、そしてミュージシャンの実力がもっともわかる場所は、CDでもテレビの音楽番組でもなく、ミュージシャンがファンに対して、同じ空間で、直接的にその音楽を伝える場所、そう、ライブという場所だと思っています。そして、そんなライブの中でも、さらに、ミュージシャンやファンとの一体感がもっとも感じられ、その音楽の魅力がダイレクトに伝わってくる場所はライブハウスなのではないでしょうか。最近、すでにある程度売れたにも関わらず、ホールでライブを行わず、ライブハウスでのみライブをするミュージシャンや、もうライブハウスレベルは卒業したにも関わらず、シークレットやファンクラブ限定でライブハウスでライブをするミュージシャンが増えて来ています。さらに、最近では、全国のZeppや東京の赤坂BLITZのように、大規模なライブハウスも増えて来ており、必ずしもライブハウスが、まだ売れていない一部のミュージシャンだけの場所ではなくなってきています。

  しかし、その一方、おそらく普段ライブにあまり足を運ばない方にとって、ライブハウスというのはある種、どこか近寄りがたい未知の場所と感じている方も多いのではないでしょうか。実際、ライブに行きなれていない方にとって、ライブハウスという場所は馴染みにくく入りにくい場所であったりします。また、ホールライブと違って、ライブハウスでは、ライブハウス独自のルールやマナーというのも存在し、そういったルールやマナーのため、初心者がますます近寄りがたくなり、また、そういった初心者がライブハウスのルールやマナーを無視し、他のファンから顰蹙をかってしまう、というケースも少なくありません。そこで、今回は、そんなライブハウスの基本的なマナー、ルールを紹介してみることにしました。これを読んで、是非とも気軽にライブハウスに足を運んで、その独特な空間でのライブを楽しんでみてください。

1) ライブハウスに行く前に・・・。

  まずはライブハウスでの服装はどうすればいいでしょうか。はっきりいってしまうと服装は自由です。一般的な常識さえ守っていれば、背広で行っても特別浮くことはありません。しかし、オールスタンディングライブで、前の方で暴れたい、というのであれば、TシャツにGパンというスタイルが一番いいでしょう。夏場はそのスタイルで家から行くもよし、ライブハウスについてから着替えるのもよし。ただし、おもいっきり暴れたいのなら、着替えや、また汗をふくためのタオルも必要です。

  また、パンク系ヘヴィーロック系のライブで暴れたい、というのなら、なるべく身にはなにもつけない状態が望ましいです。眼鏡はやめといた方がいいでしょうし、また、コンタクトも使い捨てが無難かと・・・。経験がないのでわからないのですが、ピアスやイヤリングもはずしておいた方がいいでしょう。腕時計も危険かも。もっとも、よっぽど激しいライブでない限り、そこまでする必要は少ないでしょうが・・・。

  さて、暴れないにしろ、オールスタンディングのライブなら身軽で見るのが一番。やはり荷物はロッカーに預けてほくのが無難でしょう。最近できたような大きいライブハウスの場合、通常、ライブハウスの中と外にコインロッカーが設置されているのが普通です。そこに荷物を預けておきましょう。たいてい料金は300円。両替に応じてもらえますが、やはり100円玉を3枚用意しておいた方がいいでしょう。また、ライブの種類においては、特にパンク、ヘヴィーロック系のライブの場合、早く行かないとコインロッカーが埋まってしまう場合があります。注意しましょう。

  東京の場合、Zepp Tokyo、赤坂BLITZの場合、十二分にロッカーが設置してあるのでまず埋まることはありません。リキッドルーム、ON AIR EAST、CLUB QUATTRO、LOFTの場合、ロッカーはあるのですが、ギリギリだと埋まる可能性があります。注意が必要です。

  ライブハウスのロッカーが埋まっている場合、また、ライブハウスのロッカーは小さ目なのがほとんどなので、荷物が入らない場合、駅のロッカーをつかうことをお勧めします。さらにライブハウスのロッカーは終わった後、荷物を引出すファンで混雑するので(特にZepp Tokyo!)そういうのがいやだ、という方も駅のコインロッカーを利用しましょう。

  また、それ以下の小さいライブハウスの場合、ロッカーがない、またあっても少ししかないケースがほとんどです。そういった場合、ライブハウスによっては、ある決まった場所に荷物をまとめておいたりする場合もあります。そういった場所に荷物を置くのもいいのですが、できるだけ駅のコインロッカーを利用するのが無難でしょう。

2) 入場にあたって・・・

  ライブハウスへの入場は、オールスタンディングの場合、また、椅子席がある場合でも自由席の場合、席が決まっていないので、開場時間になると並んで順番に入ることになります。その場合、入場順は、チケットに記載してある整理券の順番に入ることになります。普通、開場時間、またはその10分後から整理券番号を呼ばれます。最初は10番程度づつ呼ばれ、あとになるほどその区切りは大雑把になっていきます。また、場所によっては整理券番号順にならばされることもあります。そのため、整理券番号の大きいチケットを持っている場合、入る時間が大幅に遅れる場合(特にZeppや赤坂BLITZなどの大きいライブハウスの場合)もあります。もちろん、おとなしくまっていてもいいのですが、手許のチケットの整理券番号が大きい場合、それを見越して遅めにライブハウスに来てもいいでしょうね。

  ちなみに、当たり前ですが、入場の際、まだ来ていないから、といって待っていてはくれません。当然、いくら整理券番号1番のチケットを持っていたとしても、開演時間ギリギリに来れば、一番前ではみれません。ご注意を。

  あと、ライブによっては(特に大きなライブハウスでのライブでは)整理券番号にAとかBとかふっている場合があります。その場合、通常、A券、B券の順に入場することになります。また、ライブによっては、A券の前になにもアルファベットのふっていない整理券番号のチケットがあったり、また、ファンクラブチケットや、ぴあでのチケット、ローソンのチケットといった具合に、チケットの種類で入場順をわけるケースもあります。そのため、整理券番号1番でも必ずしも1番に入れるとは限らないので注意してください。ただし、まあ、ファンクラブでとったチケットで、1番だったら、まず間違いなく1番だろうけど(笑)。

  ライブハウスに入る際、もちろんチケットを見せるのですが、それと同時にドリンク代を請求される場合があります。このドリンク代、ライブハウスやライブによって取られる場合、取られない場合、チケットに含まれる場合いろいろあります。ちなみに東京の場合、大きなライブハウスだと赤坂BLITZ、Zepp Tokyo、ON AIR EASTは取られない場合が多く、たまにドリンク代が必要だったり、チケットに含まれていたり。CLUB QUATTROの場合、大抵チケット代にドリンクが含まれていますが、ドリンクの量は少な目。(でも、以前一度だけ取られたことが・・・その時のドリンクが普段のドリンクと同じだった(怒))リキッドルーム、LOFTやON AIR WEST、またそれより小さなライブハウスの場合はまずたいていドリンク代を請求されます。値段は大体500円が主流です。普通、チケットに「ドリンク別」と書いてある場合はドリンク代を請求され、「ドリンク込み」と書いてある場合はドリンク代は必要ありません。しかし、極まれになにも書いてなくてもドリンク代が請求される場合もあるので、一応、必要なお金の他に500円、用意しておきましょう。

  通常、ドリンク代を払うと、ドリンクチケットが渡されます。中に入ってドリンクカウンターでドリンクと交換しましょう。アルコール類からソフトドリンクまで様々な種類が揃っています。開演前に飲むもよし、ライブを見ながら飲むもよし、終わってから、乾いた喉を潤すもよし。ただし、場所によっては、ライブがはじまるとドリンクの交換が終わってしまうところや、終わった後だと用意できるドリンクの種類が限られるライブハウスもあるので、要注意です。

3) 開演を待つ間に・・・

  中に入ったら、どの場所を陣取るかは注意が必要です。安易に前に行けばいい、というものでもなく、自分が一体どういう風にライブを楽しみたいのかによって、どの場所でライブを楽しむのか決めましょう。

  思いっきり暴れたい方は躊躇なく前へ。ただし、パンク、ヘヴィーロック系のライブの場合、モッシュやダイブが発生する場合があるので注意が必要です。モッシュやダイブはライブハウス初心者にとって、大変危険なのであとであらためて説明しますが、もし体力に自信のない場合はおとなしく後ろで見ていましょう。不用意に、ミュージシャンを間近で見たいだけの理由で、何も知らずに前にいくのは、特にロック系のライブの場合非常に危険です。

  また、後ろの方でじっくりと見ているのもいいでしょう。前の方で暴れるのとはまた違った魅力が見えて来て、これが意外といいもんだったりするんですよ(笑)。でも、後ろの方はびっくりするほどおとなしいので、もうちょっと暴れたいのに、という方は前の方へ。ただし、あまり前に行きすぎると、前述の通り、モッシュやダイブが発生している可能性もあるのでご注意を。

  以上、ある程度陣取る場所を決めたらお手洗いに行くもよし、なにか飲み物で喉を潤すもよし(大抵のライブハウスではドリンクが売っています。ただし、ちと高めだけど)ライブハウス内をうろつくのもよし(そんなうろつけるほど広くないけど(笑))、グッズが売っているのなら、それを買うもよし。ちなみに、パンク、ヘヴィーロック系のライブの場合、はじまると一気に人が前の方へ押し寄せるので、よほど前の方へいきたいと思わない限り、大抵、ある程度自分の好きな位置をキープすることができます。

4) モッシュとダイブについて

  さて、オールスタンディング形式のライブでのみ見られる特殊な「のり方」として、モッシュとダイブという行為が発生する場合がありますモッシュとは、いわゆる「おしくらまんじゅう」のこと。前の方でお互い曲にのって、身体をぶつけあう行為のことをモッシュといいます。一方、ダイブとはその名の通り、そのモッシュにしている人の上に「ダイブ」すること。柵をつかったり、人の肩をつかってよじのぼったりして人の群に「ダイブ」します。

  これら、モッシュやダイブについてはライブハウス初体験で体験すると、普通のホールライブとのあまりのギャップにびっくりしてしまい、驚かれる方、また、その行為について迷惑だ、と怒る方も少なくありません。確かにモッシュやダイブについては危険な行為であり、その存在については賛否わかれるところなのですが、実際問題としてライブにおいて発生している以上、ライブハウス初心者はモッシュやダイブが発生することをあたまに入れた上で、モッシュやダイブが嫌だ、というのなら、おとなしく後ろの方で見ていましょう。それと、身体の具合がよくないからも必ず後ろの方で見るようにしてください。モッシュやダイブは前述の通り、本来、大変危険な行為です。過去、ライブにおいて、モッシュによって死者が出た例すらあります。きちんと自分の体調を考えて、モッシュの波に入るか考えてください。

  また、モッシュに参加したとしても、あまりの激しさに体調が悪くなったら我慢せずにおとなしく後ろに下がりましょう。倒れたとしても周りで助けてくれますが、非常に迷惑な上、演奏が途中で中止される場合すらあります。どうしても下がれない、という場合は係員に助けを求めるなどして、決して周りに迷惑をかけないようにしましょう。

  さらにダイブをする方が周りにいる場合はちゃんと手伝ってあげましょう。もちろん、そういう行為を見てやり方を覚えたら自分で飛んでみるのも一興です。その場合はきちんとダイエットした上で(笑)、蹴られても痛くない靴を履くまたは靴を脱いでダイブしましょう。ちなみに私はまだダイブ未経験です(^^;;多分歳が歳なだけに、もうやらないでしょう・・・。

  ちなみにこのモッシュとダイブ、もちろん激しいパンクやヘヴィーロックのライブでしか発生しません。さらに、危険な行為のため、特にダイブについては小さなライブハウスなどでは禁止しているところも多いです。ただし、最近はモッシュやダイブをして盛り上がることが一種の「はやり」になってしまっていて、さほど激しくないようなライブでもモッシュやダイブが発生する場合があります。(esrevnocやDOG HAIR DRESSERSで発生した時はびっくりしました(^^;;)初心者の方は重々注意してください。

5) ライブの最中は・・・

  さて、ついにお楽しみのライブがはじまりました。はじまったら、もう我を忘れてのりまくってください。周りを気にする必要はありません(笑)。基本的にオールスタンディングのライブでは足を踏まれたり、ぶつかられたりしても怒ってはいけません。気にしないことです。ただし、自分が他の人にぶつかってしまった場合、足を踏んでしまった場合はできる限りあやまるように努力しましょう。もっとも、モッシュしていてぶつかった場合はあやまる必要はありませんが。

  さらにモッシュやダイブが発生しているようなライブの場合、前の方にいると上から水がかけられる場合があります。もちろん、前の方で暴れていて熱くなっているので、嫌というよりも気持ちいいと感じるでしょう。そうでない場合も怒ってはいけません。もしあなたが手に水のはいったペットボトルを持っていたら気分によってばら撒くのもいいでしょう。ただし、小さいライブハウスではやってはいけませんし、また決してステージに向かって水をばら撒いてはいけません。水が機材にかかるとショートして感電する場合すらあります。

  あとはライブの最中、あまり人に迷惑をかけなければ、最初前にいて、途中から後ろへ行こうと、途中から前に行こうと、トイレに行こうと帰ろうと自由です。基本的にライブを自由に見れる、というのがオールスタンディングライブの大きな魅力のひとつだと思っているので、自由にライブを楽しみましょう。もちろん、自由とはいっても、他人に迷惑をかけない範囲で、ということですが。

6) ライブの後は・・・

  楽しかったライブが終われば後は帰るだけです。ドリンクをまだ飲んでいない方はドリンクを飲むのもいいでしょう。コインロッカーから荷物を出して、汗びっしょりの場合は着替えて、家路につくのもよし、友人と余韻に浸りながらどこかでお食事するのもよし、そのまま夜遊びに繰り出すのもよし。でも、あまりライブハウスの前にたむろするのは迷惑になる場合が多いのでやめましょう。もっとも、途中で注意されますが・・・。

 

  さて、ライブハウスのマナー、ルールは以上の通りです。もっとも、明文化されたものはないため、「これは違うだろう」とか「これもあるよ」という意見があれば是非とも書き込みかメールで。一見長く見えますが、実際、何回かライブハウスに足を運べば、自然に身につくルールばかりなので、別に全く怖がる必要はありません。何回か足を運べば、きっとライブの魅力にはまって、かよいだすようになりますよ(笑)。まだライブハウスという場所に行ったことない方、是非とも一度、足を運んでみましょう。


初回掲載日 00.11.05
最終更新日 02.03.05

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