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不倫慰謝料の相場



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このページでは、夫や妻の浮気相手の慰謝料の相場はどれくらいか、徹底解説していきます。


1.不倫慰謝料を金額ゾーンごとに考察する

1−1.慰謝料ゼロ(棄却)の事例の考察
1−2.少額事例(60万円以下)の考察
1−3.慰謝料100〜200万円の事例の考察
1−4.高額な慰謝料(300万円以上)事例の考察
1−5.配偶者の不貞行為の相手に対する慰謝料請求訴訟の傾向


2.金額ゾーン別の実際の判例

2−1.慰謝料ゼロ(棄却)の判例
2−2.慰謝料10〜60万円の判例
2−3.慰謝料100〜200万円の判例
2−4.慰謝料300〜500万円の判例



1.不倫慰謝料を金額ゾーンごとに考察する



1−1.慰謝料ゼロ(棄却)の事例の考察



 棄却された事例について考察してみますと、大まかに次のようなパターンに分けられます。

☆婚姻関係破綻後(特に別居後)の不倫関係

 判例では、婚姻関係破綻後の不倫は、法的責任がないとされています。ただし、証拠の有無で表向きそうなっただけで、真実とは異なるケースもけっこうあるのではないかと思います。
 ちなみに、不倫相手と同棲するために別居して、婚姻関係が破綻したと主張する人がいますが、これは都合のよすぎる解釈です。婚姻関係の破綻の原因が、その不貞行為自体にあるなら、当然、不倫相手に法的責任はあります。

☆慰謝料の請求方法に違法性がある場合
 暴力的な請求、嫌がらせ的行為、また、それまでまったく請求しなかったのに、夫の死後、夫の子の認知請求があったため、相続問題を牽制するために妻が夫の愛人を訴えたようなケースにおいて、信義誠実の原則に反し、権利の濫用(民法第1条の2,3)とされました。

☆性的関係が、夫の強姦、関係強要、セクハラで始まった場合
 妻は、夫の相手の女性を憎むものですが、夫の不法な行為でやむなく性的関係に至った場合は、夫の不貞相手の女性には法的責任はありません。

☆時効が成立している場合
 慰謝料請求の時効は、「損害と加害者」を知ってから3年(または行為のときから20年で請求できなくなります。)ですが、別居してから3年以上たつと、婚姻関係が破たんしてから3年以上たったとみなされ、時効によって慰謝料請求権が消滅する可能性があります。ただし、一方で、離婚した場合において、離婚時から時効の進行をカウントするとした裁判例があります。時効についての詳細はこちら

☆配偶者からすでに十分な慰謝料を受け取っている場合
 不倫は共同不法行為ですので、損害賠償債務は一種の連帯債務となります。(不真正連帯債務)このため配偶者から多額の慰謝料を受け取っている場合は、それですでに慰謝されたと判断される場合があります。慰謝料として300万円を相当としつつ、配偶者から500万円の慰謝料をもらっていることを理由に、すでに十分もらっているとして棄却された事例があります。


1−2.少額事例(60万円以下)の考察


 この範囲のデータの数は少ないのですが、だいたいが不倫相手の責任が副次的なもので、それ以前に夫婦の間に夫婦関係破綻の原因(暴力、別の不貞行為など)があったというケースです。
 よく知られた事例としては、上司部下の関係で上司である男のほうが主導的だったこと、不倫相手が職場を辞めていて社会的制裁を受けていること、夫婦関係が修復されたこと、などの事情が考慮され、慰謝料50万円とされた裁判例があります。


1−3.慰謝料100〜200万円の事例の考察



 前述の棄却事例、少額事例、後述の高額事例で出てくる事例の中間的な内容ですので、単一的な傾向はなく、複合的な要素から総合的に判断されるというほかありません。その要素としては、以下の要素があげられます。

☆どちらが積極的であったか、また、職場不倫であれば、職場での立場の優劣
☆夫婦関係を破綻させたか、別居や離婚にいたらしめたか
☆配偶者と不倫相手が同棲している
☆交際期間
☆夫婦関係の状況(破綻の原因が、ほかになかったか)



1−4.高額な慰謝料(300万円以上)事例の考察



 ここでは、慰謝料300万円、500万円といったケースについて、まとめてみます。


まず、高額事例のほとんどに共通する事項として、次のことが挙げられます。

☆配偶者と不倫相手が同棲を始めている
☆不倫が婚姻関係破綻の直接的な原因となっている、別居に至っている

これ以外に、次の要素が加わります。

☆不倫相手のほうが主導的、積極的
☆交際期間が長期にわたる(明確な基準はないが、少なくとも3年以上か)
☆その他、妻の不貞行為の相手が子の中学校時代の担任などといった特殊な事情

500万円の事例では、次のようなものがあります。

☆妻が不倫相手のもとにはしり、夫が幼少の子3人とともに残された。(2例)
☆被告が原告の妻と同棲したうえ、原告の勤務先に原告の名誉を毀損する手紙を送った。

 なお、500万円は特殊なケースといってよいでしょう。一般的には、300万円までで9割以上がおさまると考えてよいと思います。



1−5.配偶者の不貞行為の相手に対する慰謝料請求訴訟の傾向



(1)不倫相手の法的責任を認めた最高裁の判決


 不倫の相手に対する慰謝料については、認めるべきという意見と配偶者の貞操義務違反を問うのが筋で不倫相手の法的責任を認めるべきではないという意見があります。現在、裁判所の判断としては、不倫相手の慰謝料と認めることを原則としています。これについては、次の最高裁判所の昭和54年判決が基本となっています。

「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどついて肉体関係を持つに至らせたかどうか、両者の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである」(最判昭和54年・3・30民集33・2・303)

現行の裁判は、この判例を原則としてふまえています。


(2)不倫相手の法的責任を制限する最高裁の判決


 一方で、第三者である不倫相手の責任を制限する判例も出てきています。その代表例として、破綻後の不貞関係に法的責任はないとした次の判例があります。

「甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情がない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。けだし、丙が乙と肉体関係を持つことはが甲に対する不法行為となるのは、それが甲の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為ということができるからであって、甲と乙との婚姻関係が既に破綻していた場合には、原則として、甲にこのような権利又は法的保護に値する利益があるとは言えないからである。」

 この判例以後、婚姻関係の破綻が先か肉体関係が先かということが、大きな争点になることが多くなりました。

 ところで、前項の判例は、被侵害利益について「夫又は妻としての権利を侵害したこと」と捉えていたのに対し、この判例は、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害したこと」ととらえています。 後者の前提によれば、婚姻生活が破たんしていなければ、婚姻共同生活の平和を侵害されたとはいえないので不法行為にならないとの論理が導かれます。実際、最近の裁判例をみると、婚姻関係を破綻させたかどうかが、慰謝料の金額に影響を与えており、婚姻関係を破綻させる原因が不倫相手だけではなく、配偶者やそれ以前の夫婦間の問題にあった場合は、次項のように不倫相手の責任を軽減するような判断がなされています。


(3)その他の裁判例


・慰謝料請求のやり方が不当で行き過ぎがあった点について、権利濫用とした判決
・不貞の責任を肯定しながらも、既に配偶者から高額な慰謝料を受け取っていることを理由に精神的損害はすでにじゅうぶん填補されているとの理由で棄却した判決
・配偶者のほうが主導的で職場の立場も高いことなどから、慰謝料が低額に抑えられたもの
・夫婦破綻の原因は、それまでの夫婦間にもあり、不倫相手の責任は副次的だという理由で、慰謝料が抑えられたもの。


(4)総括


 以上をまとめると、

・不倫相手に対する慰謝料請求は認められる。
・その根拠は、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害したことにある。
・夫婦関係破綻後の不倫は、法的保護に値する利益がないため不法行為にならない。
・また、婚姻関係の破綻と不倫に因果関係がどれだけあるかによって、慰謝料の金額が上下する。(たとえば、それまでに暴力や別の不貞などの問題があった場合、そられも破綻の原因に含まれる可能性がある。)

――ということになりそうです。



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2.金額ゾーン別の判例



2−1.慰謝料ゼロ(棄却)の判例



@妻の不倫相手に対する請求



名古屋地判昭和54・3・26(判タ392・160)


概要:別居中の妻と、妻の不倫相手二人に提訴した。
請求額:不明
認定額:棄却 
減算事情:原告の暴力で妻が家を出て別居にいたった。破綻後の不倫。


A夫の不倫相手に対する請求


最判平成8・6・18(家月48・12・39)


概要:権利の濫用と判断された事例。被告は居酒屋を経営しており、店に来た原告から、当時、別な女性と浮気していた夫と離婚する予定だと聞かされていたところ、その後、原告の夫が被告をくどき、妻と離婚するからと言って結婚の約束をした。ところが、原告がこれを知り被告に慰謝料500万円を請求すると、原告の夫は手のひらを返し、原告の側につき被告に慰謝料を払うよう圧力をかけ、暴力をふるい罰金刑に処せられた。また、原告の被告に対する嫌がらせもあった。
請求額:不明
認定額:第1審 棄却、控訴審 慰謝料100万円 弁護士費用10万円、上告審 棄却
加算事情:妻がいると知って関係を持った。
減算事情:原告から事前に離婚すると聞いていたこと。また、原告の請求に、嫌がらせ行為や原告の夫の暴力による圧力があり、権利の濫用に当たると判断された。


最判平成8・3・26(判タ・908・284)


概要:婚姻関係破綻後の不倫について、第三者は責任がないとされた判例。性格の不一致から夫婦が別居後、夫が被告と出会い同棲を開始した。被告は原告から離婚することになると聞いていた。
請求額:不明
認定額:棄却 
減算事情:関係を持った当時、すでに婚姻関係は破綻していた。


横浜地判平成3・9・25(判時・1414・95)


概要:共同不法行為であることから配偶者の慰謝料で十分とされた判例。被告は原告の元夫と知り合い、原告夫婦は協議離婚。元夫は妻(原告)に慰謝料500万円、財産分与400万円を支払った。
請求額:300万円
認定額:棄却(慰謝料300万円が相当だが、すでに元夫の慰謝料500万円で損害は補填されている。)
加算事情:被告は相手に妻があることを知ったあとも不倫関係を継続した。
減算事情:原告はすでに、元夫から慰謝料500万円と財産分与400万円を受け取っている。


横浜地判平成元・8・30(判時・1347・78)


概要:男性からの関係強要により不倫関係が開始された。
請求額:慰謝料500万円 弁護士費用50万円
認定額:棄却
加算事情:被告は相手に妻があることを知っていた。
減算事情:原告の夫が被告を再三呼び出し、暴力・脅迫を加え関係を強要した。


東京高判昭和57・9・30(判時・1059・69)


概要:不倫関係終了から3年以上経っており、原告もそれを知っていたことから、時効であるとされた。また、原告の子の出産、認知請求が、肉体関係を持ったことと別個の不法行為とはならないとされた事例。
請求額:不明
認定額:棄却
加算事情:10年にわたり不倫関係を続け、原告の夫の子を出産し、認知請求した。
減算事情:時効により不貞行為の慰謝料請求権は消滅している。


大阪高判昭和53・9・29(判タ・372・87)


概要:夫の死後、被告が子の代理人として認知請求したあと、原告が慰謝料請求訴訟を提起した。相続権の主張をけん制するためであるとして権利の濫用と判断された。
請求額:不明
認定額:棄却
加算事情:20年以上の関係を続け、原告の夫の子を出産し、原告の死後、認知請求した。
減算事情:原告の夫の死後すでに2年が経過している。また、原告の夫は浮気の常習者であったが、それら女性に原告は慰謝料請求は一度もなかった。にもかかわらず、被告のみ提訴しているのは、相続問題の駆け引きに利用しているためであるとされた。


東京高判昭和52・8・25(判時・872・88)


概要:夫と妻との生活では円満ではなく、夫は家を出た。その後、同じ職場の女性と交際するようになり同棲をはじめた。
請求額:300万円
認定額:棄却
加算事情:妻がいることを知りながら、同棲した。
減算事情:交際開始時点で、事実上夫婦はすでに離婚状態にあった。夫が家を出たのは交際開始より前で、不倫が原因ではない。



2−2.慰謝料 10〜60万円の判例




@妻の不倫相手に対する請求



福岡高判昭和55・4・26(判タ423・103)


概要:夫がいる妻と不貞関係となり、婚姻関係を破綻させた。
請求額:不明
認定額:60万円
減算事情:妻は以前から原告のいたわりのなさに不満を抱いており、夫婦破綻の原因は、不貞だけではなかった。



A夫の不倫相手に対する請米


東京地判平成4・12・10(判タ870・232)


概要:上司と肉体関係になり8ケ月程度不倫交際をした。
請求額:500万円
認定額:50万円
加算事情:妻がいると知って関係を持った。
減算事情:夫婦関係は修復されたこと、上司のほうが積極的だったこと、職場を辞めて社会的制裁を受けていること。


東京地判昭和54・1・31(判タ・380・114)


概要:被告と原告の夫とが同棲後、夫婦は離婚した。夫の責任に比べ被告の責任は副次的なものとされた。
請求額:不明
認定額:60万円
加算事情:被告の責任は原告の夫に比べるとはるかに小さいが、破綻の原因にはなった。
減算事情:原告の夫のほうが積極的であったこと、また虚言を使って被告と関係を持ったこと 。


札幌地判昭和51・12・27(判タ364・243)


概要:妻がいる男と不貞関係となり、婚姻関係を破綻させた。
請求額:不明
認定額:10万円 (夫の離婚慰謝料を300万円としたうえで、共同不法行為である被告との不貞慰謝料を80万円とし、そのうち10万円だけ被告に連帯責任を認めた。)
加算事情:妻がいることを知って情交を結んだ。
減算事情:夫には以前にも不貞行為があり、夫婦破綻における被告の責任は副次的。



2−3.慰謝料100万円〜200万円の判例




@認定額100万円:妻の不倫相手に対する請求



東京地判平成10・7・31(判タ1044・153)


概要:被告男性が、スナックでアルバイトしていた原告の妻と知り合い、同棲を開始した。
請求額:慰謝料800万円 弁護士費用147万円
認定額:慰謝料100万円 弁護士費用10万円
加算事情:夫婦同然の生活を始め、家庭を崩壊させた。
減算事情:妻のほうが積極的だった。妻は夫に強い不満を持っていた。


名古屋地判平成4・12・16(判タ811・172)


概要:原告の妻の勤務する美容室の被告のオーナーが、立場を利用して関係を強要した。
請求額:300万円
認定額:100万円
(なお、妻は、関係強要に対して慰謝料500万円を請求し、300万円が認定された。)
加算事情:被告がオーナーの立場を利用して、原告の妻との関係を強要し、結婚後もその関係を続けた。
減算事情:原告妻が関係を強要されながらも、被告から金銭の提供を受け、美容室を退職しなかった。


東京高判昭和56・10・22(判時1026・92)


概要:3年半の不倫関係
請求額:500万円
認定額:100万円
加算事情:比較的長期間、不倫を継続した。
減算事情:夫婦の婚姻関係は破綻していない。


仙台地判昭和50・2・26(判時801・82)いわゆるダブル不倫の判例


概要:双方が既婚者のいわゆるダブル不倫。一方の夫が、妻の不倫相手の男を提訴
請求額:300万円
認定額:100万円
加算事情:離婚に至った。
備考:相手の妻も原告の妻を提訴 こちらは夫婦が破たんしなかったこともあり、請求額50万円に対し、慰謝料50万円が認定された。



A認定額100万円:夫の不倫相手に対する請求



名古屋地判平成3・8・9(判時1408・105)

概要:被告女性が原告妻の存在を知りながら、原告の夫と2年にわたり不倫関係を続けた。
請求額:1000万円
認定額:100万円
加算事情:被告は結婚していることを知っていながら、原告の夫と関係を結び、夫婦関係を危機においやった。
減算事情:原告は、離婚せず現在も夫と同居している。


東京高判昭和54年・1・24(判時923・85、判タ380・149)

概要:被告が原告の夫と不倫し、同棲に及んだ。
認定額:100万円
加算事情:被告は、原告の夫が既婚者であることを知りながら不倫を継続し、夫婦関係が破たんした。
減算事情:原告妻と夫との間に考えに齟齬があった。



B認定額150万円:妻の不倫相手に対する請求



東京地判平成10・5・29(判タ1004・260)


概要:夫と会話する時間が少ないことなどに不満をもった妻がスナックでアルバイトを始め、遅くとも平成9年8月ごろに被告男性と不貞関係になり、二人の子供をつれて出て行ったきり原告宅にもどらなかった。
請求額:1000万円
認定額:150万円 
加算事情:同居をはじめ、夫婦関係を破綻させた。
減算事情:原告の妻の責任も大きい。



C認定額150万円:夫の不倫相手に対する請求



横浜地判昭和61・12・25(判時637・159)


概要:被告女性が原告妻の存在を知りながら、原告の夫と同棲
請求額:1000万円
認定額:150万円
加算事情:被告は結婚していることを知っていながら、原告の夫と関係を結び、夫婦関係を危機においやった。
減算事情:原告の夫が主導的な立場で情交関係を持った。



D認定額200万円:妻の不倫相手に対する請求



東京高判昭和60・11・20(判時1174・73)


概要:原告夫が経営する会社の従業員である被告男性が、原告の妻と親しくなり、1ヶ月程度同棲した。その後、妻は被告男性と関係を解消したが、夫の元にも戻っていない。
請求額:700万円
認定額:200万円 
加算事情:夫婦関係は修復のめどがたっていない。
減算事情:原告の妻は雇用主の妻という立場にあり、経済的社会的に優越した関係にあったため、妻の貞操義務違反の責任が大きい。


東京高判昭和51・10・19(判タ350・308)


概要:1年以上、妻と不倫関係を続けた男と、自分の妻に対して、連帯して慰謝料300万円を請求した。
請求額:300万円(妻と男と連帯)
認定額:200万円(妻と男と連帯) 
加算事情:男は原告に妻がいることを承知で不倫関係になった。



E認定額200万円:夫の不倫相手に対する請求



東京高判平成10・12・21(判タ1023・242)


概要:時効の起算点が争われ第1審と控訴審で判決が分かれた。原告の夫が職場の女性(被告)と1971年ごろから交際。1979年4月同棲、1982年2月被告が出産。1997年5月に原告妻が女性を提訴。1998年3月に離婚判決(夫が提起)。
 第1審では、1997年5月の時点で、婚姻関係が破綻してからすでに3年以上が経過していることから慰謝料請求権は時効により消滅していると判断されたが、本控訴審では、時効の起算点は離婚時から3年であるとして、慰謝料200万円を認めた。
請求額:慰謝料2000万円 弁護士費用200万円
認定額:慰謝料200万円 弁護士費用20万円
加算事情:被告は夫の実家に入り込み、再婚相手として振る舞ったが、これに原告の妻は強い憎しみを抱いており、最後まで離婚を望んでいなかった。
減算事情:被告は時効により慰謝料請求権は消滅していると主張した。


東京地判昭和58・10・3(判時1118・188)


概要:被告女性が妻があることを知りながら、原告の夫と不倫関係になり、数年にわたる交際のすえ、女児を出産した。
請求額:1000万円
認定額:200万円 
加算事情:被告は原告の夫と数年にわたり不倫関係にあり、女児を出産した。
減算事情:被告は時効を主張したが、認められず。



2−4.慰謝料300〜500万円の判例



@認定額300万円:妻の不倫相手に対する請求




神戸地判昭和53・7・14(判時936・100)


概要:原告が単身赴任中、原告の妻が長男の中学校当時の担任教師と親密になり、原告と妻は離婚。妻は被告と同棲。
請求額:1000万円
認定額:300万円 
加算事情:妻の家出、入院で子供の世話に苦労した。妻は退院後、被告と同棲。
減算事情:妻は普段から夫婦間に会話が少ないことに不満を持っていた。



A認定額300万円:夫の不倫相手に対する請求




大阪地判平成11・3・31(判タ1035・187)


概要:公立学校の教師同士の関係。20年以上に及ぶ。妻は慰謝料請求と同時に夫との同棲に差止め請求。なお、差止め請求は棄却。
請求額:1000万円
認定額:300万円
加算事情:20年以上の不倫関係を継続した。別居にいたった。
減算事情:20年以上と考えると安いともいえるが、夫婦関係がすでに破綻していると考慮された?


東京地判昭和61・3・24(判タ615・64)


概要:被告は原告の夫と不倫関係になり、公然と交際した。
請求額:1000万円
認定額:300万円
加算事情:公然と交際し、夫婦関係を破綻させた。
減算事情:原告の夫が暴力をふるい、原告が実家に帰るようなことがあった。不倫以前に夫婦間にそうした問題があった。


最判昭和54・3・30(民集33・2・303)


概要:原告の夫が銀座のホステスであった被告と不倫関係に至り、子を出産し原告の夫は認知した。また、原告の夫は被告と同棲した。
請求額:500万円
認定額:第1審300万円、控訴審 原告の請求を棄却、上告審 差し戻し
加算事情:被告は原告の夫と不倫し、子を出産した。
減算事情:原告の夫は結婚5年くらいから浮気するようになった。関係は被告が積極的であったわけではない。



高知地判昭和50・11・14(判時810・82)


概要:被告は原告の夫と不倫関係になり同棲した。
請求額:500万円
認定額:300万円
加算事情:被告が原告の夫の関係を積極的に続けようとした。
減算事情:原告に夫婦関係を修復する努力があまりなかった。



B認定額500万円:妻の不倫相手に対する請求




浦和地判昭和60・12・25(判タ617・104)


概要:原告の妻と同棲し、妊娠させた。一時、原告が不倫中止を求め誓約書をとったが、被告はふたたび原告の妻と同棲をするようになり、原告の勤務先に不倫関係を記載したはがきを送るという嫌がらせを行った。
請求額:500万円
認定額:500万円
加算事情:再発しているうえに、勤務先に名誉を毀損する郵便を送付するという非常識きわまりない行為があった。


最判平成54・3・30(判タ383・51)


概要:原告の妻が、小・中学校の同級生であった被告とメキシコ赴任の送別会で親しくなり、妻は夫と3人の子を残してメキシコに渡り、男の元に走った。なお、子の慰謝料請求も行われたが、子の請求権は控訴審では認められたが、上告審では認められず。
請求額:1000万円(控訴審で700万円に減額)
認定額:500万円(第1審は300万円、控訴審で500万円認定、控訴審後、被告が上告するも棄却)
加算事情:同棲し、家庭を破壊した。
減算事情:離婚には至っていない。


大阪高判昭和53・8・8(判タ371・94)


概要:原告の妻が被告と不倫関係になり、幼少の3人の子を残して被告の元に走った。
請求額:不明
認定額:500万円 (3人の子に各100万円)
減算事情:家庭は破綻。幼少の3人の子とともに残された家族の精神的苦痛は大きい。もっとも、子の慰謝料については、翌年昭和54年の最高裁の判例で、特段の事情がない限り不法行為を構成するものではないとされた。



C認定額500万円:夫の不倫相手に対する請求



 夫の不倫相手に対する慰謝料で、500万円というデータはない。これは男性のほうが精神的苦痛が大きいということではなく、男女の収入の差や、女性より男性のほうが主導的な場合が多いことが影響しているものと思われる。





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