核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会
Medical workers conference in IBARAKI prevent a nuclear war and seeking peace

連絡先 300-0045土浦市文京町1-50富士火災ビル3階 茨城県保険医協会気付
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メール:MAIL

1945.8.6Hiroshima
1945.8.9Nagasaki

東日本大震災で被災された方々の
一刻も早い救済と復興を求めるとともに
被害を拡大させた福島原発事故に厳重に抗議します。

第一回原発問題学習会
「原子力の仕組み・原発開発の歴史から」
長坂元山形大学教授。

茨城の原発は安全か
会報21号より

「原発被ばくを問題を考える」
反核医師の会


基礎から学ぶ原発問題
第2回 「福島原発事故緊急報告」
第3回「原子力に代わる代替エネルギー」
ネット配信しています!!
   
 

戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会 会報 第26号      2012年10月20日 (1)

 
オバマ政権 5回目の新型核実験を実施
米国大使館に抗議文送付 茨城医療人の会



核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会は9月18日に公表された米国の未臨界核実験に抗議する文書を米国大使館に送付しました。

テキスト ボックス: アメリカ合衆国大統領
バラク・オバマ 殿
                                      2012年9月26日
                                    核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会
                                                      会長 櫻井 保之

核兵器廃絶の願いに冷水
--- 米国の未臨界核実験に抗議する

報道によれば、貴国のエネルギー省・国家核安全保障局(NNSA)は今年4~6月、ニューメキシコ州のサンディア国立研究所で、「Zマシン」なる強力なエックス線を用いた未臨界核実験を行なったことを公表した。昨年11月に続くもので、オバマ大統領就任以来で既に5回目の核実験である。

今回の実験も、自国の核兵器が他国の核兵器に対して優位を保つために行われていることは明らかで、オバマ大統領自身が「“核なき世界”に向けた国際社会への働きかけ」を表明し、ノーベル平和賞受賞につながった2009年4月5日のプラハ演説などに背き、核兵器廃絶を求める世界の世論と運動に冷水を浴びせるものに他ならない。

私たちは被爆国日本の、人命を守ることを最大の使命とする医療人の団体として、今回の貴国の未臨界核実験に重ねて強く抗議する。
私たちは、世界の真の平和と安全のために、最大の核兵器保有国の一つである貴国こそが核兵器の開発計画を取りやめ、国連での包括的核実験禁止条約の批准、そして核兵器全面禁止条約の実現をめざすよう重ねて求めるものである。

 

第9回総会を開く  医療人の会

 核兵器も原発もない社会を子どもたちへ

核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会は7月8日、土浦市内で第9回総会を開き、核兵器禁止条約締結に向けた世論喚起の運動と、医療人として生命と健康を守る立場から原発のない社会をめざす方針を確認しました。総会の後、東神戸診療所所長の郷地秀夫氏を招いて「被爆者医療からみた原発事故」と題した講演会を開催しました。

第9回総会での櫻井保之会長の挨拶

2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議では、満場一致で採択された最終文書で、核兵器のない世界の実現が盛り込まれました。2011年10月、第 65回国連総会では、核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議が135カ国の賛成で決議され、11月には国際赤十字の第31回代表者会議で、「核兵器廃絶に向けて努力を」の決議が採択されるなど、反核平和のさまざまな運動が核保有国をはじめ、各国政府に対し、核廃絶を求めて広がりつつあります。

しかし、まだ核廃絶への具体的道筋は見えてまいりません。核廃絶を実現する上で、最大の障害になっているものは、自国の核兵器だけは安全保障だと言い張る核抑止力論や、その核で守ってもらおうとする核の傘の政策です。しかし、現在でも2万発を超えるこの核兵器保有の悪循環はどこかで断ち切らねばなりません。唯一の核被爆国の日本政府の責任は重大だと思います。

そして、昨年3月の東日本大震災に続く福島第一原発の事故によって、原爆と原発が双子の兄弟であり、地球環境破壊の最大の元凶であり、人間の命と健康を脅かすものであることを私たちは知りました。しかし、その後も核兵器は安全保障の名で、原発は経済発展の名で正当化するわが国の政界・財界・御用学者・マスコミなどによって、大飯原発再稼動などを許してきております。

今日本ではかつてないほど多くの人々が核や放射能の脅威について真剣に考えております。行き先は脱原発にとどまらず、さらに上回る脅威をもたらす無差別大量破壊兵器の廃絶をめざしたいものです。今年6月10日、東京で行われた「核戦争に反対し、核兵器の廃絶を求める医師・医学者のつどい」のメインテーマは、“核兵器も原発もない社会を子どもたちへ”でした。私たち核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会も、世界的緊急の課題である核廃絶の運動を強めるとともに、医療人として未来を担う乳幼児、子どもたち、妊婦、若人を守ろうという視点で、内部被曝、低線量持続被曝による晩発障害について関心を強め学習し、地域社会にも訴えていきたいと思います。

 


核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会 第9回総会アピール

世界中で、まだ2万発と言われる核兵器があります。イラン、シリア、北朝鮮など核戦争の火種は絶えず燃え続け、テロリストへの核兵器の拡散も懸念される現状です。今年5月、2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた第1回準備委員会が開かれ、核兵器禁止条約(NWC)の交渉開始も求められましたが、核保有国の動きは鈍いままです。

  また、核兵器に転用できるプルトニウムは、原発により作られ、日本には既に長崎原爆4000発分の量を、処理のあてもなく貯蔵しています。昨年3月11日に起きた福島第1原発の事故では、現在も、多くの人々が避難生活と新たな被ばくの心配に苦しんでいます。震災では、茨城県の東海第2原発も、地震により外部電源は全て絶たれ、冷温停止まで3日半を要するなど、過酷事故寸前の状態に陥りました。また、福島事故でのヨウ素131の飛散は、むしろ南に多く、茨城県内にも影響を与える可能性も指摘されています。

  根拠のない安全神話が崩れ去った今、原発の再稼動は決して許されるものではなく、東海第2原発は廃炉すべきです。また、原子量規制委員会設置法の制定にあわせ、国の安全保障に資する核の利用が付則にうたわれるなど、核兵器と原発は一体であることもますます明らかになってきました。

自ら被爆者医療に関わった経験のある精神科医、加賀乙彦氏は近著「科学と宗教と死」の最後に、「私が一番願っているのは、全世界から原発と核爆弾がなくなったのを見てから死にたいということです。」と締め括っています。多くの被爆者も加賀氏同様すでに80歳を超え、核廃絶への願いは切実です。「昔、核兵器と原発があった頃、茨城県にも原発があった。」と言える社会を実現できるよう、医療者を中心に連帯の環をひろげていきましょう。

2012年7月8日 「核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会」第9回総会


 
   

総会記念講演は「被爆者医療からみた原発事故

郷地秀夫氏(東神戸診療所所長)が講演


 これまでに2000人の被爆者を診てきた郷地秀夫・東神戸診療所所長は「被爆者医療からみた原発事故」について講演しました。郷地氏は、福島原発事故と原爆の違いについて解説。福島原発事故は放射性粒子による内部被曝が中心で局所集中型被曝であること、また広島原爆では1km以内の外部被爆による死亡者数は6万人だが、福島原発事故ではゼロであることや、内部被曝の特徴および形態について説明がありました。また、車のエアフィルターをイメージングプレートで検査した画像(レントゲンフィルム)による放射性物質分布の解説もしました。「半減期の短い放射性物質は短期間に多くの放射線を出す」と指摘。原発事故による身体への影響を長期間にわたって見守っていく必要性を強調しました。

 郷地氏は、私たちが今、被爆者医療から引き継がなければならないものとして、原爆放射線の実相を探求すること、反核平和を希求する心魂情熱を持つこと、そして原発ゼロをめざすエネルギー政策を求めることを提示しました。


 

イメージングプレート画像

当会より郷地氏に試料(自動車エアフィルタ)を提供し神戸大学で解析したもの。チリ・花粉などに放射性物質が付着している様子が分かる。車が走行した区間は、かすみがうら市~つくば市。測定は2012年6月。



毎日新聞2012年8月22日付けで紹介された郷地氏

ウェブサイト「原発被ばく問題を考える」を開設 反核医師の会

            http://no-nukes-genpatu.jimdo.com/


(全国)反核医師の会(PANW)原発被ばく問題プロジェクトはこのほど、放射線の影響について被害者・国民の立場からの正しい情報収集・分析を行う医療者向けのウェブサイト「原発被ばく問題を考える」を開設しました。ホームページに掲載する文章には、「核戦争を防止し平和も求める茨城医療人の会」がこの間、調査・整理した内容が採用されました。

以下、同ホームページの構成の中から、「私たちの基本的考え方」「放射線の健康影響(総論部分)」を一部抜粋して紹介します。

私たちの基本的考え方 原発被ばく問題プロジェクト ステートメント(声明) 


 

ウェブサイト「原発被ばく問題を考える」の構成

1.ホーム

2.私たちの基本的考え方

3.放射線と健康影響

4.原発が周辺住民に及ぼす健康影響

5.放射線の「安全神話」について

6.文科省パンフ、学会関連資料

7.私たちが行っている健康調査

8.参考サイト

9.お問い合わせ


1(事故全体の理解と最優先の課題)

福島第一原発事故は、企業経済優先で国民の安全をないがしろにしてきた結果、起こるべくして起こった人災である。

 福島第一原発のメルトダウンは今も収束しておらず、放射性物質を放出し続けている。今求められている最優先の課題は、これ以上の環境汚染を防止するため、放射性物質を原発敷地内に安全に閉じ込める方法を確立することである。


2(被曝の進行と地域社会回復の要件)

住民の放射線被曝の実態はまだ明確になっておらず、今なお生活環境や食品を通して低線量被曝が続いている。

 福島県民が健康的な生活を取り戻していくためには、国と東電による完全かつ包括的な補償の迅速な遂行の上に、被曝線量の最大限の低減を前提として、福島の基幹産業である農漁業の再建復興、健康的な住宅環境とコミュニティの回復が不可欠である。

 なお、東北東部と関東地方の大半も福島第一原発の風下地域となっており、福島県内と同様に放射性降下物による生活環境の悪化や健康への影響を考慮する必要がある。


3(低線量被曝の健康調査のあり方)

福島県内と風下地域における住民の被曝は概ね低線量被曝であるため、健康への影響は他の要因に隠れて判然としない可能性が高く、甲状腺など一部の臓器に限定されることのない丁寧な医療対応と半世紀にわたる長期的な健康調査が必要である。

 とりわけ放射線感受性の高い子どもや妊婦の健康状態を迅速に把握するために、国の責任で周産期を含む小児医療供給体制の充実と18歳までの医療費無料化をはかる必要がある。


4(主体的かかわり方)

 われわれPANW原発被ばく問題プロジェクトは、広島、長崎の原爆被爆者の援護、ビキニ等の核実験被害者への対応の経験と教訓を糧として、原発事故被害の拡大を防止するために、国内外の広範な科学者、市民の運動と連帯して取り組むことを表明する。


放射線の健康影響(特に低線量被ばくの持続)に関する理解低線量被ばくに関する健康相談での基礎的参考資料


目的 

 福島事故後の放射線健康被害の可能性については、多くの報道がなされています。しかし、何段階ものピア・レビュー(査読、専門家による第3者・相互評価)をへたWHO,ICRPなどの国際機関の指針や勧告、さらにそれらの一部のみを選んで翻訳した日本国内での公的発表と、週刊誌やネットで流れる玉石混交の雑多な情報のギャップは大きく、情報が氾濫していながら必要な情報が不足する主因となっています。低線量被ばくの健康影響はまだ定説のない分野ですが、国内で触れられることが多い国際機関の総合報告(2006年、2008年)以降も、チェルノブイリ事故関連で多くの疫学的報告がなされ、毎年研究成果が積み重ねられています。原爆被ばく者や医療被ばくでの疫学研究においても、新しい報告がなされていますが、福島事故後の日本国内での公的発表で、これらの新しい情報に触れられることは殆どありません。

 低線量被ばくや核施設に関する疫学調査は、統計学的に有意差が出る場合でも、検出限界に近いことが多く、対象の選定や調査手法が生む差異、或いは統計分析の限界といった予備知識のない人には、誤解を生みやすい内容です。現在、保健所支援情報システム中の「放射線の健康影響に関する相談に対応する為のQA」や東京大学や福島大学の教官グループが作る原発災害支援フォーラムのサイト(TGF, FGF)など、原発事故による健康被害に関連した情報提供サイトは幾つかありますが、情報のギャップを埋める医学的情報が、十分に提供されているとは言えません。

 福島事故後、「核戦争を防止し平和を求める茨城医療人の会」は、東海原発を県内に持ちJCO事故を経験した県の「反核医療人の会」として、原発と被ばくに関する勉強会を重ねながら情報の収集と提供を心がけてきました。そこで、この間の成果をもとに、放射線の健康影響、特に低線量被ばくによる確率的影響に関し、個々人が被ばくと健康被害について考え、被ばくの正当化・最適化の判断をするうえで参考となるような臨床的・疫学的情報を中心に、主に相談を受ける医療従事者向けに提供することとしました。(編集責任者:大前比呂思)第3者の評価や査読を受けた論文や報告(主として英文、一部は和文も収載)のうち、最近の研究成果やかつて国際機関や日本の公的報告書には全く反映されなかったものも含め、情報を共有できるサイトとして開設します。また本サイトでは、もっぱら疫学調査・臨床研究からの引用を中心とし、細胞生物学的研究からの引用は最小限にとどめています。

 なお、ここで示される質問(全10問)と回答の記述は、参考資料としての提供で、一般の方々に紹介される場合、そのままマニュアルとして利用されることは想定していません。Medline等の国際的に認知された医学情報検索サイトを利用すると、国内で予測される福島事故後の被ばく線量でも、健康被害の可能性を指摘する報告はかなりありますが、自らの価値判断にあたっては、できるだけ、原著での確認をお願いしたいと思います。チェルノブイリ事故の影響を、西ヨーロッパ諸国のホットスポットで論じた報告では、特に先天的障害に関する論文で、表題に? が入るものがあります。科学的思考が求められる医学論文で、このような表題は例外的で、原著者自身、そこでの見解が、過渡的な段階での仮説にとどまる可能性を示唆しているのでしょう。

 また、本サイトの編集者は、なるべく自らの価値判断を避けての文献の収集と引用を心がけました。従って、個々の医療従事者が、自分の信ずる科学的根拠や臨床経験に基づいて各々異なる見解を持つことを否定するものではありません。一方、見解の違いについての論争も想定していませんが、明らかに編集者の科学的理解力や語学力の不足による誤解と思われる箇所については、指摘して頂けますと幸甚です。

  注)全10問の質問と回答はウェブサイトをご覧ください。